登記できない遺言
遺言書を作成するメリットの一つに「遺産分割協議が不要になる」という点があります。相続で一番揉め事になりやすい場面がこの遺産分割協議ですので、それをしなくて済むことは相続人にとって大変助かります。
しかし、遺言書の書き方によっては、せっかく遺言書を作ったのにもかかわらず、遺産分割協議を行って、遺産分割協議書に相続人全員の署名実印をもらわなければいけなくなるケースがあります。
「遺産分割方法の指定」と呼ばれる遺言書の記載方法がその一例です。
「以下のように遺産分割方法を指定する。1.下記不動産は長男○○が取得する。2.前項記載不動産以外の財産は全て二男△△が取得する。」というような書き方をした場合は、別途、遺産分割協議書も作成しないと不動産の登記を行うことができません。
遺産分割協議を不要にしたいのであれば「下記不動産は長男○○に相続させる」というように記載する必要があります。