行政書士ブログ2019年

うちは揉めない

「うちの家族は仲が悪くないから揉めないだろう」と考えてしまいがちです。

しかし、実際に相続で揉めてしまった方や、過去に相続争いに巻き込まれた方などの多くが「まさかうちの家族が揉めるなんて思っていなかった」とおっしゃいます。

相続で一番揉める場面は遺産分けの話し合いの場であることが多いのですが、相続の話し合いは、家族が亡くなった後に行うものですので、当然ですが故人がご健在の時とは違った状況での話し合いとなります。親がいれば揉めなかった話も、子供同士だと揉めることになります。

また、相続人同士は仲が良くても、本来相続とは関係のない他の親族(長男の嫁、二男の子、二女の旦那の両親など)が口を挟んできて揉めることもあります。

行政書士になって相続や遺言の仕事を丸8年続けてきましたが、相続で揉めてしまうご家族には「相続が発生するまで一度も家族間で将来の話し合いをしたことがなかった」という特徴があると感じます。言い換えると、親が元気なうち、相続が問題になっていないうちから、家族・親族間で将来の話し合いを少しずつでもしていたというご家族は、ほとんど揉めていらっしゃいません。

些細なことのようですが、お正月やお盆など、家族が集まった時に、相続や終活などの将来の話を少しずつ意識的に行っておく事が、将来揉めるか揉めないかを分けることになります。

相続や遺言の話題は楽しいものではありません。避けたい気持ちもよくわかりますが、そこは逃げずに、思い切って話し合いをされておかれることをお勧めいたします。

(2019年11月15日)

終活は元気なうちに

「まだまだ元気だから、終活はもう少し経ってからでいいだろう」と考える方がいらっしゃいますが、思い立った時にはじめないと結局何もしないまま相続を迎えることになります(実際、弊所主催の終活セミナーを受講された方のご家族から「主人が亡くなりました」という電話が数年後に入り、ご自宅に伺ってお話を聞くと、エンディングノートを少し書いてあるだけで遺言書もその他の相続準備も何もされておらず、ご家族が困られるというケースが大変多いです)。

身体が弱ってしまうと、役所に戸籍謄本などを取寄せに行ったり、法務局に登記簿謄本を取りに行ったりすることができなくなるので、家族等に代わりに動いてもらうことになりますし、公証役場に行くことが出来ないと、公証人や立会証人に自宅や施設などまで出張してもらう手間や費用が余計にかかってしまい、周囲に過大な負担をかけることになります。

また、頭(判断能力)が衰えてしまうと、さらに困ったことになります。

遺言書をきちんと作っておこうと思って公証役場に行っても、遺言書の内容を本人が理解できない状態だと作成することができませんし、最近では銀行が大変厳しいので、自分名義の預金を自分で下ろすこともできなくなります(家族が代理として行っても、銀行の窓口で預金の払戻しを断られます)。こうなってしまってから相続の専門家に依頼しても出来ることはかなり限られてしまいます。

法律的にきちんとした遺言書の作成や相続対策などをしておきたいのであれば、身体も頭も元気でしっかりしているうちしておかないと間に合わないという事を是非覚えておいていただければと存じます。

(2019年11月15日)

少ない遺産で争族に

相続と聞くと「うちは資産家じゃないから関係ない」「遺言書を書くような財産はない」という反応をされる方がいらっしゃいますが、これは誤解です。

家庭裁判所が、相続に関する統計データを発表しているのですが、現在日本では年間約135万人の方がお亡くなりになっています。そして、通常であれば相続人同士で協議して遺産分けを行うのですが、相続人同士ではどうしても話がまとまらず、裁判所のお世話になっているという家族が年間約1万5000世帯あると発表されています。

それだけでなく、統計では「相続争いをしている家族が実際どのぐらいの財産額で揉めているのか」も発表されており、その統計をみると裁判所のお世話になっているケース全体の約3割以上が「遺産総額1000万円未満」のケースとなっています。言い換えれば「たった数百万円の遺産でも、裁判所のお世話にならないといけないぐらい揉めてしまっているケースが多い」という事です(遺産総額5000万円未満のケースだと全体の約8割を占めます)。

この数字からわかりますが、遺産額が大きいから揉めるわけではありません。

私も相続関係の仕事を約8年ほど続けてきた経験から「相続争いは遺産額の問題ではない」と実感しています(相続人同士の関係や気持ちの問題であることが多いです)。

上記の統計データをみると「うちはたいした財産がないから大丈夫」とは言えないことが分かると思います。資産家ではない家族、自宅と少しの預貯金しかない家族が相続で争ってしまっている現実を踏まえ、「自分の家族はどうか」「残された家族が困らない為に出来る事は何か」を考えて頂きたいと思います

(2019年11月14日)

開業9年目

今年の11月3日で開業から丸8年を迎えることができました。

開業の日に京都市西文化会館ウエスティにて初めての終活セミナーを開催したのですが、そのセミナーも次回で第184回目を迎えます。

「きちんとした遺言書さえ残されていれば、こんな大変な目に会う事がなかったのに」という方を一人でも減らせればという気持ちでセミナーを続けてきましたが、まだまだ遺言書作成の必要性や大切さに気付いてらっしゃらない方がたくさんいらっしゃいます。

今後も相続や遺言などのご相談にのる活動とともに、終活に関する講演活動も続けていく所存です。将来に対する不安や終活の悩みがあるという方は、どのような事でもかまいませんので、気軽にお問合せ頂ければと存じます。

(2019年11月14日)

遺産分割協議のやり直し

相続人全員が納得して遺産分割協議がまとまった後に、遺産分割協議を解除する(やり直す)ことができるのでしょうか?(例えば、母の面倒をみるかわりに遺産を多くもらった長男が母の面倒を一切みていないので遺産分割協議をやり直したい場合など)

答えは、原則「出来ない」ということになります(裁判例あり)。

一部の相続人の求めで協議のやり直しを認めてしまうと、法的安定性が損なわれてしまうということが主な理由です(遺産分割協議のやり直しを求める裁判が全国で多発し、混乱してしまうということです)。ただし、相続人全員が解除に合意した場合は、解除することができます。

遺産分割協議は原則やり直しができませんので、条件付きで特定の相続人に多めに相続させる場合などは特に、慎重に協議をすすめる必要があります。

(2019年11月12日)

婚姻20年以上の夫婦

今年7月に施行された相続法改正で、婚姻歴20年以上の夫婦間の自宅贈与の持戻し免除ルールが新設されましたが、このルールについて勘違いされている方が多くいらっしゃいます。

「婚姻歴20年以上の夫婦間であれば、何もしなくても、相続発生時に自宅が配偶者に相続され、しかも遺産額の計算に含まれない」と誤解されている方を多く見かけますが、これは間違いです。

きちんと生前に遺言書を作成しておく、もしくは、生前に配偶者に自宅を贈与しておくかのどちらかをきちんと行っておかないと、上記のルールは適用されません。

来年4月に施行される配偶者居住権など、相続法の改正内容について、まちがった理解をされている方がたくさんいらしゃいますが、改正後も遺言書作成の重要性はまったく変わりません。残される家族の負担を軽くしてあげるためにも、遺言書作成をご検討下さい。

【民法903条第4項】

4 婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第1項の規定(特別受益の持戻し規定)を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。

(2019年11月12日)

終活セミナー近日予定

「相続・遺言・エンディングノート・お墓のセミナー」

2019年11月22日(金)

時間:午前9時30分~、場所:大津市ふれあいプラザ4階(京阪びわこ浜大津駅から徒歩3分)

参加費:無料、定員:20名様、予約:要予約

※一般以外の方(士業関係、保険会社等)はご遠慮下さい。

 

「相続・遺言・エンディングノート・お墓のセミナー」

2019年12月14日(土)

時間:午前9時30分~、場所:アスニー山科(JR・京阪・地下鉄の各「山科駅」から徒歩5分)

参加費:無料、定員:20名様、予約:要予約

※一般以外の方(士業関係、保険会社等)はご遠慮下さい。

 

「相続・遺言・エンディングノート・お墓のセミナー」

2019年12月27日(金)

時間:午後1時30分~、場所:キャンパスプラザ京都5階(JR京都駅から徒歩5分)

参加費:無料、定員:20名様、予約:要予約

※一般以外の方(士業関係、保険会社等)はご遠慮下さい。

 

「相続・遺言・エンディングノート・お墓のセミナー」

2020年1月11日(土)

時間:午後1時30分~、場所:文化パルク城陽西館3階(近鉄寺田駅から徒歩8分)

参加費:無料、定員:20名様、予約:要予約

※一般以外の方(士業関係、保険会社等)はご遠慮下さい。

 

「相続・遺言・エンディングノート・お墓のセミナー」

2020年1月24日(金)

時間:未定、場所:未定(右京区太秦の予定)

参加費:無料、定員:20名様、予約:要予約

※一般以外の方(士業関係、保険会社等)はご遠慮下さい。

(2019年11月12日)

本の紹介『戦中派不戦日記』(山田風太郎、講談社文庫)

山田風太郎が医学生だった頃の日記です。敗戦時の市井の人々の様子がよくわかります。

その日に読んだ本も日記に書いてあるのですが、読書の量とジャンルの幅広さに驚きます。

この作家の本では他に『人間臨終図鑑』(徳間文庫版は全4巻、角川文庫版は全3巻)も様々な人間の臨終の様子だけを語るという面白い切り口でおすすめです。

(2019年11月12日)

京都アスニーにて相続セミナー開催

2019年11月9日、京都市中京区の京都アスニーにて「第183回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催し、計14名の方にご参加頂きました。

親子や友人同士でのご参加もあり、相続や保険、お墓についてたくさんご質問を頂戴いたしました。相続法の改正についても質問があり、配偶者居住権や婚姻20年以上の持戻し免除規定は、何も行動しなくても発生する権利ではなく、遺言作成や生前贈与などをきちんとしておかないとダメだという事を説明させて頂きました。

次回は、滋賀県大津市浜大津にて開催する予定です。

(2019年11月9日)

第37回終活相談会開催

本日は、京都市役所前地下街ゼスト御池の御幸町広場にて「第37回シニアなんでも相談会」を開催いたしました。

終活のご相談も多くの方にご利用いただきましたが、刀剣座さんによるチャンバラショーやドッグセラピーにも多くの方にご参加いただきました。

次回は12月1日(日)の開催となります。相続や遺言のほか、遺品整理、後見、介護、お墓などの専門家もおりますので、是非ご利用下さい。

(2019年11月3日)

講演活動

前回は京都市聴覚障害者協会様からのご依頼で相続や遺言について講演させて頂きました。

次回は長岡京市老人クラブ連合会様からのご依頼で講演させて頂く予定です。

相続や遺言、その他終活全般について気軽に相談してもらえる専門家になれるよう、今後も色々な所で講演活動を行っていきたいと考えております。

自治会やサークルといった団体様からの講演依頼も随時受け付けておりますので、気軽にお問合せ下さい。

(2019年10月28日)

終活分野のご相談

終活のご相談といってもその範囲は非常に多岐にわたります。

当然、行政書士の業務範囲を超えるご相談もありますが、そのような時は責任を持って信頼できる他分野の専門家(例:弁護士、税理士、司法書士、測量士、遺品整理士、社会保険労務士、保険会社、墓石屋、不動産屋、介護の専門家など)をご紹介させて頂きます。

終活や相続に関するお悩み、ご相談はお任せください。

(2019年10月28日)

法定相続情報一覧

金融機関で相続手続きを行う際に「法定相続情報一覧図」を事前に用意すれば手続きが大変ラクになります。

戸籍関係書類(亡くなった方の一生分の戸籍や相続人の戸籍など)を提出し、金融機関に確認してもらう必要がないので、手続きにかかる時間や手間が大幅に軽減できます。

この法定相続情報一覧図は不動産の名義変更や相続税の申告にも使えますので、是非覚えておいてください。

(2019年10月28日)

シニアなんでも相談

毎月第1日曜日の午後1時~午後4時(※第2日曜日の場合もあります)相続、遺言、生前整理、税金、後見、介護、お墓など、終活全般の無料相談会です。刀剣座さんによるチャンバラショーや福寿奏さんによるシニア合唱会、ドッグセラピーなども同時開催しております。

会場:京都市役所前地下街ゼスト御池御幸町広場(相談は無料です)

※ゼスト御池御幸町広場の「洋食とおばんざいのお店 喫茶FOREST」様の店頭にチラシを置かせて頂いております。よければご覧ください。

(2019年10月28日)

終活セミナーのお知らせ

毎月第2土曜日と第4金曜日に「相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を各地で開催しております。

ご夫婦や親子でのご参加も歓迎です(参加無料です)。

[会場:京都アスニー、アスニー山科、ウィングス京都、西文化会館ウエスティ、北大路駅前、右京ふれあい文化会館、京都駅前、長岡京駅前、文化パルク城陽、浜大津駅前など]

※詳しくはお問合せ下さい。

(2019年10月28日)

死亡保険金は遺産ではない⁉

死亡保険金は遺産ではない事をご存知でしょうか?

預金口座は名義人が死亡すると凍結されてしまいますが、死亡保険金は一切凍結されません。

また死亡保険金は相続税が一定額非課税となりますし、相続放棄をしていても受け取ることができます。

例え相続人同士で争っていても保険会社に請求すれば迅速に支払ってくれます。

そのほか遺留分対策などにも非常に有効ですので、気になる方は一度ご相談下さい。

(2019年10月27日)

甥っ子、姪っ子が相続人に⁉

子どものいない方が亡くなった場合、甥や姪が相続人になるケースがあることをご存知ない方がたくさんいらっしゃいます。

子どもがおらず、両親も既に他界し、先に亡くなっている兄弟姉妹がいる場合、甥・姪に相続権が発生します。

自宅の名義変更や故人が残した預金口座の解約をするときに必ず甥姪の署名実印が必要になります。

ご不安な方は一度ご相談下さい。

(2019年10月27日)

終活の進め方の注意点

「終活の第一歩としてまずエンディングノートを始める」ということは別に悪いことではありませんが、注意が必要です。

エンディングノートは“少しずつ育てていく”ものです。日々ちょっとずつ追加・修正していくので「これで完成」ということがありません。

弊所への相談でよくあるのは「夫が残したエンディングノートにはびっしり指示が書いてあるのですが、遺言書は残されていませんでした」という奥様からのご相談です。

エンディングノートには法的な効力が一切ありませんので、銀行や法務局などの相続手続に使うことはできません(結局、相続人全員からの署名実印が必要になります)。

まずは遺言書作成や相続対策などの法的な備えを先にきっちり完了させてから、その後でエンディングノートや終活をじっくり進めるという順番をおすすめいたします。

(2019年10月27日)

長岡京市にて終活講座

令和元年10月25日、長岡京駅前のバンビオ1番館にて「第182回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。

あいにくの雨でしたが、6名の方にご参加いただきました。

次回は中京区の京都アスニー(JR円町駅から徒歩8分)にて開催いたします。

(2019年10月26日)

勘当・縁切り

「親子の縁を切りたい」「親戚と断絶したい」や、「息子とは縁を切ったので、相続問題は怒らない」等と言われる方が時々いらっしゃいます。

昔は「勘当」という制度があり、親子の縁を戸籍上切ることができたのですが、現在は親子の縁を切ることはできません(例外:特別養子縁組)。

また親戚との断絶ですが、離婚をすれば配偶者やその親族との親戚関係は終わります。また配偶者の死後に「姻族関係終了届」を提出すれば、配偶者の親族との姻族関係が終了します(儀父母の扶養義務などもなくなります)。

相続をさせたくない者がいる場合、縁を切ることは法律上できませんが、遺言、廃除、生命保険の活用、養子縁組などの方法を使うことはできます。まずはご相談下さい。

(2019年10月24日)

遺言書の書き直し

遺言書に有効期限はありません。書き直しや撤回をしなければ、何十年前の遺言書でも有効です。ただし、遺産をゆずりたい相手が変わった場合や、遺産の内容が大幅に変わってしまい遺言内容を変えないと問題が出てしまう場合、親族の状況が大きくかわり遺言を書き換えないといけない場合などは、新しく遺言書を作り直す必要があります。どうしても作り直さないといけないケースは仕方ないですが、最初の遺言作成の時に、出来るだけ書き直ししなくても済むような遺言書に仕上げる工夫を施すことは可能です。遺産をゆずりたい相手のほうが先に死亡した場合でも遺言を作り直さなくてもよいようにする「予備的遺言」という方法、遺言の執行者に指定した人物が先に死亡したり、病気で動けなくなった場合に備えるために遺言執行者を複数指定しておく方法、ある条件を守ってくれるのであれば遺産をあたえてもよいという内容にしておく「条件付き(負担付)遺贈」という方法など、いろいろな方法があります。あとに残される親族に迷惑をできるかぎりかけたくないという方は、一度ご相談下さい。

(2019年10月18日)

遺留分・特別受益

「長男に全ての財産を相続させ、二男には一切相続させない」など、極端な差を設ける遺言書を作成する際は注意が必要です。

配偶者、子、親などには「遺留分(いりゅうぶん)」という権利があるので、遺言書で財産をもらえない場合でも、遺産をもらった人物に対して、金銭を請求することができます。

遺留分の問題が生じるような遺言書を残した場合、争いになる可能性が高いですので、細心の注意をしなければいけません。

このような遺言書を作成した理由や想い、相続人やその他親族が納得するような事実・経緯の記載などが大切になってきます。

また遺留分の問題が起こる場合は、裁判になることが多いですので、将来の裁判を見据えた遺言作成という視点も重要です。

※遺言書では財産をもらえないが、生前に多額の贈与(特別受益)を受けている相続人は、遺留分をそもそも請求する権利がない場合もあります。

※遺留分対策には、遺言書作成のほか、生命保険契約の活用や養子縁組など、いくつかの方法があります。遺留分に関わる対策は、必ず専門家にご相談下さい。

(2019年10月15日)

身内の財産内容

相続が発生すると、被相続人(亡くなった方のことです)の相続財産の内容を調べる必要があります。

どこの銀行に預金口座を持っているか、自宅以外に不動産を所有しているかどうか、株式を保有しているかどうか、債務があるのか等を把握し、相続手続きを進めなければいけません。

被相続人の財産内容をご家族が把握している場合は問題ありませんが、よくわからない場合は手続きが大変になります。

預金口座のある銀行がわからなければ、各銀行を1つ1つ調べる必要がありますし、自宅以外の不動産を持っているかどうかが不明なときも、各自治体に問合せる等の作業が必要になります。

また、借金があるかもしれない場合は、信用情報機関を通して調べたり、通帳の記録を丹念に確認し、誰からいくら借りているのかを掴まなくてはいけません(借金がある場合、相続放棄を検討しないといけませんが、相続放棄は原則3か月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があり大変です)。

生命保険金も、保険会社から連絡してくれるわけではないので、保険金の受取人が保険会社に保険金の請求をする必要があります(3年以内に請求しないと時効になってしまいます)。

不動産の名義変更も放置しておくと、子や孫に迷惑をかけることになりますし、相続税の申告は10か月以内に行わないと、延滞税等の余計な税金が発生したり、相続税を軽減できる特例等を活用できなかったり等の不利益が生じます。

最近は「終活」という言葉も浸透してきていますが、遺言書やエンディングノートで早めに備えておくことが残される相続人を助けてくれますので、是非活用して下さい。

※切羽詰まってからの相談や、法的に不適切な対策(自己流の対策)は、逆に問題を引き起こす原因になります。相続はトラブルになってしまうと取り返しがつきません。一度は専門家にご相談下さい。

(2019年10月14日)

相続放棄

遺産を引き継ぎたくない場合は、相続することを放棄することができます(相続放棄といいます)。

相続を放棄する時は、全部の遺産を放棄しなければいけません。「現金だけを相続して土地や建物は放棄する」「プラスの財産だけを相続して借金は放棄する」などの都合の良い放棄は認められません(生命保険金は相続財産ではないので、相続放棄をしても受け取ることができます)。

相続放棄は単独ですることができますので、相続人の中の一人だけが勝手に相続放棄をすることもできます(全員で揃って放棄する必要はありません)。

また、第1順位の相続人全員が相続放棄をした場合は、相続権が第2順位の相続人にうつります。例えば、多額の借金があるという理由で、配偶者と子ども全員が相続を放棄した場合、相続権が故人の両親・祖父母もしくは兄弟姉妹・甥姪にうつるので、借金を背負いたくない場合は、両親・祖父母、兄弟姉妹・甥姪も相続放棄をする必要があります(第1順位の相続人全員が相続放棄をしても、第2順位・第3順位の相続人にその事実が自動的に通知されるわけではないので注意が必要です)。

相続放棄は原則、相続があったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に対して申し立てる必要があります。債権回収会社などからの通知で相続の事実を知った場合は、その通知書を証拠として残しておいてください。

※相続分の放棄(遺産分割協議書等で「プラスの財産を受け取りません」と署名押印すること)は相続放棄とは違います。相続分の放棄だと、借金だけを相続してしまう危険性があります。取り返しがつかなくなる前に必ず専門家にご相談下さい。

(2019年10月13日)

城陽市にて終活セミナー

本日は、大型台風がきているにもかかわらず、文化パルク城陽での「第181回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」に4名の方にご参加頂きました。

予約の方からは全員キャンセルのご連絡を頂いたので中止も考えたのですが、飛込み参加の方が万が一いらっしゃったらいけないので、会場で待機していたところ、4名も来て頂きまして、予定どおり開催させて頂きました。

今回は台風と重なってしまい、参加できなかった方もいらっしゃいますので、年明け早々に再度文化パルク城陽にて終活セミナーを開催する予定です。※次回は10月25日に長岡京市中央生涯学習センターにて開催いたします。

(2019年10月12日)

家の名義変更

「家の名義が死んだ祖父のままになっている」「数年前に亡くなった父の名義の土地を処分したい」というケースは非常に多いです。

相続が発生したら、不動産の名義を変更する必要がありますが、放っておいてもすぐに困る事はありませんし、罰則もありません。

ただし、亡くなった方の名義のままでは、売却することも、その不動産を担保に入れる事も出来ません。

そしてもっと困るのは、数十年名義変更を放っておくと、相続人の数が増えてしまい、名義変更手続きをしたいときに、手続きが進められなくなってしまうことです。

相続人が2世代も3世代も下の世代になってしまうと、相続する人数が増えていますし(相続人の特定作業[戸籍の調査]が困難)、付き合いもほとんどないことが多いので、連絡を取ること自体がスムーズに進みません(名義変更には相続人全員の署名と実印と印鑑証明が必要になります)。

子や孫にツケをまわさない為にも、相続が発生したときは、不動産の名義変更を迅速に行っておくことをおすすめいたします。

※複数の相続手続き(例:父の相続と母の相続など)を放置していた場合、一度にまとめて相続手続きを行う必要があります。詳しくは専門家にご相談下さい。

(2019年10月12日)

法定相続割合

相続人が相続する遺産の割合は、民法という法律で決められています(ただし、遺言書がある場合は、遺言書で指定された配分が優先されます)。

【相続人が「配偶者」と「子1人」】

配偶者が2分の1、子が2分の1

※子が養子の場合も実子と全く同じ扱いとなります。

※子が先に死亡している場合は、子の子(孫)が代わりに相続人となります。

 

【相続人が「配偶者」と「子2人」】

配偶者が2分の1、子が4分の1ずつ

 

【相続人が「配偶者」と「故人の両親」※子なし】

配偶者が3分の2、両親が3分の1

 

【相続人が「配偶者」と「故人の兄弟姉妹」※子なし、直系尊属なし】

配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1

※兄弟姉妹の中に既に死亡している者がいる場合は、その子(甥または姪)が代わりに相続人となります。

 

※2019年7月の相続法改正では上記の割合は変更されていません。

※遺産が全て現預金であれば、スッキリわけられますが、不動産や株式が含まれている場合、どの財産をもらうかで揉めることがよくあります。

(2019年10月11日)

遺言と同時死亡

遺言書を作成する際のポイントの1つに「予備的遺言(よびてきいごん)」というものがあります。

財産は全て配偶者に相続させたいが、自分より先に(又は同時に)配偶者のほうが亡くなってしまったらどうするか?このような心配を解決する方法が予備的遺言です。

「すべての財産を妻に相続させる」と記載するだけで終わらせるのではなく、「ただし、妻が私よりも先に、又は私と同時に死亡した場合は(同時死亡の推定を含む)、妻に相続させるとした財産は、○○に遺贈する」というような文言も追加で記載しておくのです。

このような記載(予備的遺言)をしておくことにより、財産を残したい相手が先に死亡してしまった場合でも、いちいち遺言書を作り直さなくてもよくなります。

予備的遺言は遺言作成の際のテクニックの1つですが、このほかにも遺言には色々な書き方・テクニックがあります。

本当に役に立つ遺言書や相続人の負担を減らす遺言書を作りたい場合は、一度は専門家にご相談下さい。

(2019年10月10日)

生命保険金の非課税枠

生命保険に加入すると相続税の節税になるということを聞いたことがあるでしょうか?

生命保険金には相続税がかからない非課税枠というものが認められています。

生命保険金には「500万円×相続人の数」までは相続税がかかりません。相続人が3人であれば、1500万円の生命保険金は非課税で残せるのです。

3人の相続人合計で1500万円まで非課税なので、500万円ずつの受取りにしなくても非課税です。3人のうち1人が1500万円を受け取っても非課税ですし、3人のうち2人が750万円ずつ受け取っても非課税です。

上記の場合で1500万円を超える生命保険金を受け取った場合は、1500万円を超えた部分は、他の相続財産と合算したうえで、相続税を課税されることになります。

ただし、保険契約の内容をよく確かめないと非課税枠を利用できない場合があります。

「契約者:夫、被保険者:夫、受取人:妻」のケースで夫が死亡した場合、妻に課税される税金は相続税なので、非課税枠が適用されますが、「契約者:夫、被保険者:妻、受取人:夫」のケースで妻が死亡した場合、夫に課税される税金は所得税となり、非課税枠は使えません。また「契約者:夫、被保険者:妻、受取人:子」のケースで妻が死亡した場合、子に課税される税金は贈与税となり非課税枠を使えず多額の税金がかかる可能性があります。

まずは自分の保険証券を確認し、よくわからない場合は相談することをおすすめいたします。

(2019年10月9日)

遺留分と保険金

遺留分のルールが改正され、遺留分を請求されても、金銭を支払えば問題を解決できるようになりました。

預貯金がすぐに準備できればよいですが、生命保険金を活用する方法も大変有効です。

また生命保険金には非課税枠「相続人の数×500万円」がありますので、預貯金で置いておくよりも相続税が軽減できます(相続人が500万円ずつ受け取る必要はありません。相続人が受け取った生命保険金の合計額が非課税枠内であればOKです)。

※生命保険金は相続財産ではないので、預貯金のように凍結もされませんし、相続人同士で揉めていても原則すぐに受け取れます。また相続財産ではないので、相続放棄をしても生命保険金だけは受け取ることができます。

(2019年10月7日)

第180回終活セミナー終了

令和元年9月27日、京都市西文化会館ウエスティにて「第180回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。

いつ雨が降り出してもおかしくない空模様の中、21名の方にご参加頂きました。

今回はご夫婦での参加者様も複数いらっしゃいました。親子やご夫婦でご参加頂くと、将来の話しをご家族でしやすくなるので、大変良いことだと思います(相続が発生する前に家族で将来のことを話し合っていたかどうかで、相続トラブルに陥る可能性が大きく変わります)。

セミナー後は、お墓に関するご質問を多くいただきました。

弊所のセミナーは、行政書士、ライフプランナー、お墓や永代供養の専門家の3名で開催しておりますので、終活全般に対応可能です。

次回は、京都府城陽市の文化パルク城陽にて10月12日に開催いたします。堅苦しくないセミナーですので、お気軽にご参加頂ければ嬉しいです。

(2019年9月29日)

遺言作成は“手段”

遺言書は何のために書くのでしょうか?

「財産分けで揉めないため」「妻に確実に遺産をゆずるため」「自宅を長女に渡すため」「相続人以外の親族にも遺産を分けるため」「相続手続きが簡単に済むようにするため」など、いろいろな理由があると思います。

時々「もう遺言は書いてあるから大丈夫」とおっしゃる方がいらっしゃいます。

もちろんすでに準備してある遺言書で問題なく相続手続きが完了できれば、素晴らしいことです。

ただし、遺言書があったのにトラブルになったり、揉めてしまったり、手続きを進める事ができなかったりするケースも珍しくありません。

遺言書は書いた時点では何の効力もありません。その遺言書が本当に役に立つかどうかもわかりません。

それが判明するのは、遺言書を書いた本人が亡くなった後なのです。それまでは、本当にその遺言書が適切で、将来実際に役に立つのかが分からないのです。

遺言書は書くことが目的ではなく、遺言書に書いてある内容がきちんと実現される事が目的です。

遺言書の作成は単なる手段だということを忘れずに、将来の執行を意識した書面作成を行うことが大切です。

(2019年9月25日)

預金の仮払い制度

今年7月の相続法改正により、遺産分割前であっても、故人の口座から預金の一部を引き出せる制度(仮払い制度)が開始されました。

相続発生後すぐに必要となる葬儀代や生活資金を引き出せるようにし、相続人が困らないようにしようという趣旨です。

仮払い制度には、(1)家庭裁判所に関与してもらう方法と、(2)家庭裁判所の関与なしで進められる方法の2つの方法があり、大きな金額が必要な場合は(1)の方法、とりあえず100~200万円前後のお金でよい場合は(2)の方法、といったようなイメージです。

上記(2)の方法では預金の一定額のみ引き出せることができます(全額は引き出せません)。

【各相続人が引き出せる一定額】

「相続開始時の預金額」×「3分の1」×「各相続人の法定相続割合」

また、引き出せる額には金融機関ごとに上限が定められており、1行につき150万円までとされています。

仮払い制度が創設されたこと自体は良いことですが、やはり実際に手続きを行うとなると、それなりに面倒ですし、上限額もあるので、生命保険等ですぐに現金が入るような工夫をしておかれることをおすすめいたします(生命保険金は預金口座のように凍結されることはありません)。

(2019年9月24日)

特別寄与制度

相続法が改正され「特別寄与」という制度が創設されました。被相続人への貢献があった相続人以外の親族の保護を目的としています。

改正以前から「寄与分」という制度はあったのですが、寄与分は「相続人」だけしか主張することができませんでした(例:故人の介護を頑張った長男の嫁には寄与分を主張する権利がありません)。

今回の改正により、被相続人に対して無償で療養看護等の貢献を行い、故人の財産の維持や増加があった場合に、貢献した親族が、相続人に対して特別寄与料(金銭)を請求することができるようになりました。

ただし、少し考えれてわかりますが、長男の嫁が、義兄・義弟・義姉・義妹に対して、金銭を請求するというのは、かなりの覚悟が必要になってきます(今後の付き合いに影響が出るのは必至です)。

やはり、お父さんやお母さんに遺言書を、できれば公正証書で残しておいてもらうのが一番無難な方法です(公正証書遺言の中で「長男の嫁にも財産の一部(○○円)を遺贈する」などのように書いてもらうという事です)。

ちなみに、親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族をいいます。また、特別寄与料の請求ができる期間は、「相続の開始を及び相続人を知った時から6か月」または「相続開始の時から1年」と定められていますので、何もせずに放っておくと権利が消滅します。相続の準備や対策は早めに且つ迅速に行うことが大変重要です。

(2019年9月19日)

遺留分の算定方法

従前は、相続人が故人からもらった贈与(特別受益)については何十年前であろうが遺留分の算定に含まれることとなっていましたが、かなり昔の贈与が原因で、争いやトラブルになり、裁判沙汰になるケースも多くありました。

今回の改正で相続人への贈与(特別受益)は、原則「相続開始前10年間にしたものに限る」というルールに変更されました。

これにより、対策や備えができやすくなり、生前贈与を早めに実行する意義も高まりました。

【遺留分を算定するための財産の価額】

「相続開始時の遺産額」+「相続人以外に相続開始前1年間に贈与した財産の額」+「遺留分を侵害することを知ってした贈与」+「相続人への相続開始前10年以内にした特別受益の額」-「相続債務の額」

【遺留分侵害額】

「遺留分を算定するための財産の価額」×「個別的遺留分の割合」-「遺留分権利者が受けた遺贈又は特別受益の額」-「遺留分権利者が相続によって取得すべき財産額」+「遺留分権利者が承継する相続債務の額」

(2019年9月17日)

第179回相続・遺言・お墓のセミナー

9月14日(土)に地下鉄北大路駅駅すぐの京都市北文化会館にて「第179回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。

飛込みの参加者様が多く、ほぼ満席となりました。ご夫婦での参加者様も多く、講師として大変ありがたかったです。

今回はお墓に関するご質問を多くいただきました。最近は、お墓や永代供養、納骨などの課題をお持ちの方が増えてきていると感じております。

次回は、西京区上桂で開催いたします。弊所の終活セミナーは、相続や遺言、相続にまつわるお金、墓・葬儀・永代供養などの講座だけでなく、他分野の専門家の紹介(弁護士、生前整理・遺品整理、税理士など)も行っております。ご興味のある方は、お誘い合わせの上、気軽にご参加下さい。

(2019年9月16日)

パソコンでの遺言作成

自筆証書遺言はその名のとおり、自分で手書きしなければいけませんが、財産目録ページ限っては、自筆でなくても有効と認められることになりました(目録ページに関しては、パソコンで打った文字、預金通帳のコピーの添付、登記事項証明書の添付なども有効となりました。ただし、そのページにも自筆での署名と押印が必要です)。

ですので、目録以外のページは従前のとおり必ず自筆で書く必要があります(他人の添え手もダメです)。

公正証書遺言の場合は、公証役場が遺言書を作成してくれますので、自分で手書きする必要は一切ありません(ただし、最後に署名をする必要があります)。

遺言書作成でお悩みの方は、一度ご相談下さい。

(2019年9月13日)

妻の遺言書は不要?

「妻は専業主婦なので遺言書は必要ありません」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、これは誤解です。

日本の場合、夫名義の財産がほとんどであるという世帯が大部分を占めますので、多くの方が「夫には財産があるから遺言書が必要だが、妻名義の財産は少額であるから遺言書は不要」と考えます。

しかし、少し考えるとわかりますが、多くの資産を所有する夫が亡くなると、次は妻が資産家になるのです。

また相続で揉めやすいのは、夫の相続のときではなく、妻の相続のときです。夫の相続のときは、妻(子からみると母親)がいるので、子ども達は「お母さんの好きにしたらいい」「お母さんを最優先に考えたらいい」と言ってくれます。しかし、その母の相続の時にはそうはいきません。相続人は子どもだけになるので、「この前はお母さん優先で何も言わなかったけど、今回はきちんと話し合おう」ということになります。揉めやすいのはこのタイミングなのです。

そして税金の問題が起きやすいのも実は妻の相続のときです。

夫の相続では「配偶者の税額軽減」や「小規模等の特例」が使えて、かなりの節税ができたのに、妻の相続のときは配偶者もいないし、同居の親族もいないので、どちらの制度も使えず、予想以上の相続税がかかってしまうことがよくあるのです。

妻の相続対策が抜け落ちている方が多いですが、相続対策は夫と妻の両方のケースを想定したうえで行う必要があります。相続のことでお悩みの方は一度ご相談下さい。

(2019年9月13日)

財産額と遺言書

「財産が多いわけじゃないので、遺言書は不要」「こんな財産額で公正証書遺言を作らなくても良いのでは」とおっしゃる方が多いですが、財産額が大きくなくても遺言書は必要です。

例えば、自宅ぐらいしか遺産がないという場合でも、遺言書が無いと、必ず相続人全員から実印と署名をもらわなければ名義変更ができません。それに比べて遺言書があれば、自宅を相続する方だけの署名押印で名義変更が可能となります。

体験された方はわかるのですが、この差が実際に相続手続きを進めるうえで大変重要になってきます。

特に、お子様がいらっしゃらない方の相続の場合や、前婚の子がいるという場合は、故人の兄弟姉妹や甥姪または会ったこともない配偶者の子どもといった方からも実印と署名をもらわないと何も手続きを進められません。

相続トラブルを防ぐため、残される相続人が困らないように、遺言書の作成を是非ご検討下さい。

(2019年9月12日)

遺言書の記載順

遺言書を書く時に「このような順番で書かなければいけない」という決まりはありません。

預金のことから書いても良いですし、自宅のことから書いてもかまいません。

公正証書で遺言書を作成する時は、「財産の事→財産以外の事(祭祀承継者の指定など)→遺言執行者の事→付言事項」という順番になることが多いですが、これも決まりではありませんので、この通りの順番じゃなくでも構いません(遺言書には必ず財産内容を具体的に細かく記載しないといけないという誤解をされている方も多いですが、色々な書き方が可能です)。

財産の事ではないですが、子どもの名前が出てくる順番に気をつける場合はあります。例えば、長男よりも次男の事を先に書いてしまったら、長男が遺言を読んだ時に気を悪くするのではないか、などの場合です。また付言事項に二男へのメッセージがあるのに、長男については何も記載がないというのも、揉めてしまう可能性を高めるだけですので、避けるべきです。

相続は、何よりも揉めないように準備することが最優先です。相続や遺言など、終活で不安を抱えておられる方は、気軽にご相談下さい。

(2019年9月11日)

公証役場の手数料

遺言書を作る際にかかる公証役場の手数料は、誰でも同じ金額ではありません。

「遺言書を作る本人の現在の保有資産額がいくらか」「遺産をゆずる相手が何人いるか」「祭祀承継者を指定するか」「遺言書が何ページにのぼるか」「公証役場まで出向くか、それとも自宅や病室まで出張してもらうか」などの条件によって手数料の額は変わってきます。

おおまかな感覚としては、安く済むケースで4~5万円ほど、高い場合は8~10万円ほど。その間でおさまる方がほとんどですが、かなり大きな資産がある方、おおぜいの人間に遺産を分け与えたい方、公証役場まで出向くことができない方などは10万円以上かかる場合もあります。

また、公正証書遺言の作成を法律の専門家に依頼すれば、公証役場との打ち合わせや日程調整、戸籍や住民票等の必要書類の取寄せ、当日の立会証人の手配などを全てを行ってくれますが、当然、専門家への報酬が発生します。この報酬額も依頼先によって異なりますので、事前に遺言作成にかかる費用の合計額を無料で見積りしてくれる所に依頼されることをおすすめします(専門家の報酬額は10~20万円ぐらいが相場です)。

(2019年9月8日)

公正証書遺言と自筆証書遺言

遺言書には大きくわけて2種類の遺言があります(細かくわけると7種類ほどありますが、今は触れないでおきます)。

一つは自筆証書遺言(手書きの遺言書のことです)で、もう一つが公正証書遺言(公証役場という所で作る遺言書のことです)です。

この2つの違いをきちんと理解されている方がほとんどいらっしゃらないので、簡単に説明したいと思います。

まず自筆証書遺言はその名の通り、自分の手書きで遺言書を書かないといけません(法律改正により財産目録部分は手書きでなくてもよくなりました[パソコン打ちや通帳のコピー、登記事項証明書などでも可。ただし、そのページに署名押印をしなければダメ])。

一方の公正証書遺言は、自分で文章を書く必要はありません。公証役場が代わりに作成してくれます(ただし、本人の署名押印は必要になります)。

そして公正証書で遺言書を作ると、同じものを3通作成してくれます(原本、正本、謄本)。原本は公証役場が一生無料で金庫にて保管してくれます。残り2通を通常は本人や遺言執行者が保管する形になります(決まりではないので誰が保管してもかまいません)。ですので、紛失や改ざんの心配がありません。

一方、自筆証書遺言の場合は、原本1通しかないので、それを本人が一生保管することになります(2020年7月に施行される保管制度についてはとりあえず置いておきます)。ですので、失くしてしまったり、誰かに隠されたり、捨てられたり、認知症になって書いたこと自体を忘れてしまったり、同じ日付のものが2通発見されたり等すると大変困った事態になります。

また自筆で遺言を作る場合は、民法に規定されているルールを全て守りながら書く必要があります。財産目録以外は全て手書き(パソコン打ちや代筆は駄目)、日付は必ず記載する(吉日などの表現はダメ)、署名押印は必ずする、夫婦で1通にまとめて作成するのはダメ(必ず1人1通ずつ別々に作成する)、ルールに則っていない書き間違いの修正は認められないなど、危険性が高く、せっかく作ってもこれらのルールに反していると法律的に無効となってしまい、使い物にならない結果となります。

それに比べて公正証書遺言は、本人ではなく、公証人が作成するので、法律のルールに則っていないという心配はありません(公証人は元裁判官、元検察官など、法律の専門家です)。

そして公正証書よりも自筆証書遺言が選ばれている大きな理由として「楽だから」という事があります。確かに公正証書で遺言書を作るとなると、公証人と打合せをしたり、必要書類(印鑑登録証明書、戸籍謄本、改製原戸籍謄本、除籍謄本、住民票、登記事項証明書、評価証明、預金額のわかる資料など)を取寄せたり、当日立ち会ってもらう証人を2名手配したり(遺産をもらう方等は証人になれません)、公証役場と日程調整をしたりと手間がかかります。しかし、この「公証役場に関わってもらう」という手間が、大変重要な意味をもっています。

手書きの遺言書の場合、揉めたりトラブルになったりすることが多いです。紙とペンさえあれば、一人でこっそり作れるというメリットがそのままデメリットにもなっているのです。「本当に母親の字か?」「同居しているのをいいことに長男が自分に都合のよい内容の遺言を書かせたのではないか?」「日付をみると母親が90歳の時に書いたことになっているが、そのときにはすでに軽度の認知症だったから、こんな遺言書は無効である」「生前言っていた内容とちがうので納得できない」など、手書きの遺言書の場合、他の相続人などから文句が出やすいのです。

一方の公正証書は、一人でこっそり作ることはできません。必ず公証人が遺言書を作る本人と直接面談します。その時は家族の方は同席できません(控室で待機してもらいます)。本当に自分の意思で遺言するのか、家族に無理やり書かされていないか、遺言の内容をしっかりと本人が理解しているかどうか、などを公証人が面談しながら確認するのです。そして「この方は大丈夫」と公証人が認めた場合しか公正証書遺言を作ることができません(立会証人2名も同席します)。このような手間をかけているからこそ、そもそも相続のときに揉めにくいですし、万が一揉めて裁判になってしまっても、裁判で負ける可能性は、自筆と比べるとかなり低いです。

遺言書は本人のためというよりも、残される相続人が困らないために作成するものです。自分が楽をして相続人が大変な思いをするか、作成時に少し手間はかかるが、相続人に負担をかけない形にしておくかを考えると、やはり公正証書遺言でしっかり準備しておかれるほうが安心・確実だと考えます。

※公正証書遺言でも裁判に負けている例はあります。公正証書遺言で作成することも大切ですが、それと同時に、元気で判断能力に問題がないうちに作成しておくこと、そして公正証書遺言が将来どのような役に立つかを配偶者や子どもといった相続人にも事前に説明しておくことが非常に大切です。

(2019年9月7日)

相続税の申告忘れ

平成27年に相続税の仕組みが大きく変わりました(より多くの方に相続税が課税されることになりました)。

現在の基礎控除(相続税がかからない範囲)は「3000万円+(600万円×相続人の数)」となっております。

亡くなった方の遺産(現預金だけでなく、不動産や株、貴金属、債権なども含みます)総額が上記の基礎控除額を超えない場合は、税務署に申告する必要はありません。

注意が必要なのは、基礎控除額は超えてしまうが、特例(配偶者の税額軽減、生命保険金の非課税枠、小規模宅地等の特例など)を使えば税金が0円になる場合です。

この場合は税務署に申告する必要があります。申告をしたうえで税金を納めない、という手続きを取らなければいけません。申告が不要だと勘違いしてしまい放っておくと、税務署からお尋ねが届き、場合によっては、延滞税や無申告加算税などのペナルティを課されるかもしれません。くれぐれも勘違いしないようご注意ください。

(2019年9月5日)

遺言書の必要性

「相続の法律はおかしい」とおっしゃる方がいらっしゃいます。

そういう方は「兄弟姉妹や甥姪に相続の権利が発生するのは納得できない」「子どもが皆平等に遺産をもらえるなんておかしい」などといった不満を漏らされます。

しかし、法律(民法)の条文を読んでみると「ただし、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う」という意味の文章がたくさん出てきます。

実は、相続(遺産の配分)については、本人が遺言書で指定しておけば、法律で規定された配分(法定相続分といいます)よりも、遺言書に記載した配分のほうが優先されるのです(遺留分等の問題はありますが、今は考えないことにします)。

法律に対して不平を述べる必要はありません。やるべきこと(遺言書作成)をすれば良いだけです。それで解決です。文句をいう前に遺言書を作りましょう(残される家族の為に、遺言書は公正証書で作成して下さい)。

(2019年9月4日)

39歳

先日、39歳の誕生日を迎えました。今年・来年は民法やその他法律も改正されます。弊所にご相談に来られる方にしっかりと対応できるよう、新しい法律の勉強をおこたらず、日々精進したいと思います。

また、毎月2回行っている終活セミナーと毎月行っているゼスト御池の無料終活相談会も引き続き実施していきます。

より役に立てるよう、頼っていただけるように活動していく所存です。今後とも何卒宜しくお願い致します。

(2019年9月3日)

第36回シニアなんでも相談会

9月1日(日)、京都市役所前地下街ゼスト御池の御幸町広場にて「第36回シニアなんでも相談会」を開催いたしました。

終活(相続、遺言、税金、生前整理・遺品整理、後見、生命保険)の無料相談会のほか、今回でご出演いただくのが最後となる楽団コトノハさんのアコーディオン演奏、ボランティアグループ福寿奏さんの合唱、刀剣座さんによるチャンバラショー、ドッグセラピーなどにもたくさんの方にご参加いただきました。

次回10月6日(日)から、相談員に「お墓の専門家」が加わりますので、お墓・永代供養・墓じまい・お墓の移転などについても対応可能となります。

今後も出来る限りこの相談会を続けていく予定ですので、少しでも終活関係のことでお悩みの方は気軽にご参加いただければと存じます。

(2019年9月3日)

相続クイズ(相続放棄)

相続権を生前に放棄してもらうことはできるでしょうか?

(答え)

できません。

相続権は相続が発生した後でしか、放棄できません。ですので、しっかりと遺言書を公正証書で作成しておくことが大変重要です。

また、遺留分の放棄(これは生前でも可能)や生命保険を活用した遺留分対策など、色々と方法はありますので、専門家に相談することが大切です。

相続でお悩みの方は、一度ご相談下さい。

(2019年8月26日)

終活の勉強

終活の勉強に意欲的に取り組んでおられる方が増えています。

それ自体は大変すばらしい事ですが、終活の勉強をすること自体が目的となってしまい、本来の目的である相続準備をきちんとなされないままお亡くなりになってしまわれる方がいらっしゃいます。

相続や遺言の勉強をされる事自体は良いことですが、それよりも遺言書作成や相続対策を元気なうちにしっかりとやりきっておくことのほうが大切です。

元気なうちにきっちりと準備・対策を終えておき、その後も生涯学習の一環として相続や終活について勉強されるという形が理想的です。

(2019年8月26日)

第178回終活セミナー終了

本日8月23日(金)、京都市中京区の京都市男女共同参画センターウィングス京都にて、「第178回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。

時折雨が降る天気でしたが、7名の方にご参加いただきました。

最近はご夫婦で参加される方や親子で参加される方も増えてきました。またお墓のことでお悩みの方も増えており、本日もお墓に関する質問を多く頂きました。

次回は、京都市北区の北大路駅をおりてすぐの京都市北文化会館にて開催する予定です。

(2019年8月23日)

相続法改正(配偶者短期居住権)

2020年4月からは「配偶者短期居住権」という制度もはじまります。

残された配偶者が家からすぐに追い出されるような事を防ぐための制度です。

配偶者が居住建物に住み続けられる配偶者短期居住権が認められる期間は、(1)遺産分割協議にて居住建物を受け継ぐ者が決まった日、または(2)相続開始の時から6か月、この(1)と(2)のどちらか遅い日までとなっています。※遺産分割協議がまとまらない間は配偶者短期居住権がずっと認められるという事になります。

また配偶者短期居住権は配偶者居住権と異なり、配偶者が従前使用していた部分にしか成立しませんし、権利を登記することもできません。

 

【民法1037条】

1 配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める日までの間、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者(以下この節において「居住建物取得者」という。)に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下この節において「配偶者短期居住権」という。)を有する。ただし、配偶者が、相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得したとき、又は第891条(相続欠格)の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったときは、この限りでない。

①居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合 遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から6箇月を経過する日のいずれか遅い日

②前号に掲げる場合以外の場合 第3項の申入れの日から6箇月を経過する日

2 前項本文の場合においては、居住建物取得者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはならない。

3 居住建物取得者は、第1項第1号に掲げる場合を除くほか、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができる。

(2019年8月20日)

配偶者居住権と登記

「配偶者居住権」という新しい制度が2020年4月に施行されますが、この配偶者居住権は登記することができます。

居住建物を所有することになった(相続した)者には、配偶者居住権の登記をする義務が発生します。この登記をすることにより、配偶者は配偶者居住権という権利を主張することができるようになります。

 

【改正民法1031条】

1 居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。

2 第605条(不動産賃貸借の対抗力)の規定は配偶者居住権について、第605条の4(不動産の賃借人による妨害停止の請求等)の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。

(2019年8月20日)

相続法改正(配偶者居住権)

相続法の改正により「配偶者居住権」が新設されます。

この制度は、後に残される配偶者が自宅に住み続けられるように(他の相続人に追い出されないように)するためのものです。

死亡時に同居していなければいけませんので、老人ホームなどにいた場合、この制度を使うことはできません。また相続発生時に自宅建物に子どもの名義などが含まれている場合もこの制度を使えません。

配偶者居住権は、亡くなった配偶者が遺言書で配偶者居住権の事を書いておくか、遺産分けの話し合いのときに他の相続人から配偶者居住権を認めてもらうかしないといけません。

配偶者居住権の制度は、2020年4月1日からスタートします。

 

【改正民法1028条】

1 被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りではない。

①遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。

②配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。

2 居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。

3 第903条第4項(婚姻期間が20年以上の夫婦の持戻し免除)の規定は、配偶者居住権の遺贈について準用する。

 

【改正民法1030条】

配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。ただし、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めるところによる。

 

【改正民法1032条】

1 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。

2 配偶者居住権は、譲渡することができない。

3 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。

4 配偶者が第1項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。

(2019年8月19日)

相続法改正(特別寄与料)

民法が改正され、故人に対し無償で特別の寄与をした親族(特別寄与者)が相続人に対し「特別寄与料」を請求する権利が新しく創設されました。

上記の親族には次の者は含まれません。

「相続人(※寄与分を主張できる為)」「相続放棄者」「相続欠格者」「相続廃除された者」

特別寄与料を請求できる期間が定められています。

・特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月

・相続開始の時から1年

この特別寄与料の制度も、以前からある相続人が主張する寄与分の制度も、相続人が納得してくれないと結局、家庭裁判所のお世話にならないければいけません。

やはり生前にきちんとした遺言書を公正証書にて作っておいてもらうべきです。

 

【改正民法1050条】

1 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第891条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。

2 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6箇月を経過したとき、又は相続開始の時から1年を経過したときは、この限りでない。

3 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。

4 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。

5 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第900条から第902条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。

(2019年8月17日)

相続法改正(遺留分侵害額請求)

遺留分の制度が大きく変更されています。

これまでは「遺留分減殺請求」といい、金銭だけでなく、不動産や株式といった遺産に対しても遺留分権利者の請求権が及ぶとされていました(不動産の処分や会社の経営権にも大きな影響がありました)が、今回の改正により遺留分を侵害した価額の金銭を請求する権利となり、名称も「遺留分侵害額請求」に変わりました(遺留分侵害額にあたる金銭を支払えばよいという事です)。

 

【改正民法1046条】

1 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

2 遺留分侵害額は、第1042条の規定による遺留分から第1号及び第2号に掲げる額を控除し、これに第3号に掲げる額を加算して算定する。

①遺留分権利者が受けた遺贈又は第903条第1項に規定する贈与の価額

②第900条から第902条まで、第903条及び第904条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額

③被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第899条の規定により遺留分権利者が承継する債務(次条第3項において「遺留分権利者承継債務」という。)の額

(2019年8月17日)

相続法改正(遺留分計算と贈与)

遺留分の制度が大きく変更されています。

これまでは、相続人への特別受益(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与)については、何十年前のものであっても遺留分の計算に含めることとなっていましたが、改正により、原則相続開始前10年に限って遺留分計算に含めるものとされました(贈与から10年経てば遺留分の計算には含まれないという事です)。

 

【改正民法1044条】

1 贈与は、相続開始前の1年前にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前にしたものについても、同様とする。

2 第904条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。

3 相続人に対する贈与についての第1項の規定の適用については、同項中「1年」とあるのは「10年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。

(2019年8月16日)

第177回終活セミナー終了

8月10日、京都市右京区太秦の京都市右京ふれあい文化会館にて「第177回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。お盆前ということもあり、たくさんの方にご参加いただきました。次回は中京区のウィングス京都にて開催予定です。

(2019年8月16日)

相続法改正(特定財産承継遺言)

「A土地を長男に相続させる」「預貯金債権全部を二男に相続させる」というような、特定の財産を共同相続人の1人又は数人に承継させる遺言のことを改正民法では「特定財産承継遺言」ということになりました。

改正民法では、遺言執行者の出来ることが明確化されていますので、ますます遺言執行者の存在は重要になっています。

 

【改正民法1014条】

1 前三条の規定(相続財産の目録の作成、遺言執行者の権利義務、遺言の執行の妨害行為の禁止)は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。

2 遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の1人又は数人に承継させる旨の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第899条の2第1項(遺言による権利承継についても法定相続分を超える部分は第三者に対抗する要件を備える必要がある)に規定する対抗要件を備えさせるために必要な行為をすることができる。

3 前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金に係る契約の解約の申入れをすることができる。ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る。

4 前二項の規定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

 

※上記条文により、法定相続分を超える部分について第三者対抗要件を備えさせる権限が遺言執行者にあること、預貯金の払戻しや解約を遺言執行者が出来ることが明記されました。

※「被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う」という意味の一文は他の条文でもよく出てきます。遺言書の内容が条文よりも優先されますので、遺言書にしっかりと意思を書き残すことが大変重要です。

(2019年8月8日)

相続法改正(遺言執行の妨害行為)

遺言執行者がいる場合、相続人は相続財産に手をつけることができませんが、その内容が少し改正されています。

改正前の民法では、遺言執行者のある場合に相続人が相続財産に対して行った処分行為は絶対無効とされていましたが、改正後の民法では、相続人がした処分行為の無効を善意の第三者(事情を知らない第三者)に対しては主張できません。

【改正民法1013条】1 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。 2 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。

(2019年8月8日)

相続法改正(遺産分割前の預金引出)

民法が改正され、遺産分割前でも凍結された預貯金口座からある程度のお金を引き出すことができるようになりました。

【改正民法909条の2】各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の3分の1に第900条及び第901条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。

※引き出せる額は、「預金額の3分の1×法定相続割合」となりますし、金融機関ごとに最高でも150万円までしか引き出すことはできません。それ以上の引き出しは、通常の相続手続きを行う必要があります。

※この規定により引き出した預金は、引き出した相続人が既に取得したものとして後日の遺産分割を行うことになります。

(2019年8月7日)

相続法改正(一部分割)

民法が改正され、遺産の一部だけを分割協議の対象とすることができることが明記されました(家庭裁判所の審判でも一部分割ができると明記されています)。例えば、争いのない遺産についてだけ、先に協議をまとめてしまって、争いのある遺産部分に関しては後でじっくり協議するというようなケースが考えられます。

 

【改正民法907条】

1 共同相続人は、次条の規定(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りではない。

(2019年8月7日)

相続法改正(婚姻期間20年)

民法が改正されて、婚姻期間20年以上の夫婦を保護する制度が新しく設けられています。

<例>婚姻期間20年以上の夫婦で、夫が生前に1000万円相当の居住用建物を妻に贈与した後に死亡した。死亡時の相続財産は現預金が2000万円あり、相続人は妻と長男の2名であった。この場合、妻はいくら相続できるでしょうか?

<答え>改正前の民法では、妻は現預金を500万円しか相続できませんでしたが、改正後は、妻は1000万円を相続することができるようになりました。

 

【改正民法903条 第4項】婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第1項の規定を適用しない(遺贈又は贈与した分は遺産に含めない)旨の意思を表示したものと推定する。

 

※上記の制度は、被相続人が「遺贈」または「贈与」をしていたときに限り認められます。婚姻期間が20年以上であれば、何もしなくても配偶者が多めに相続できたり、自宅を無償で相続できたりするわけではありませんので、ご注意ください(事前に遺言書を作成したり、生前贈与を行っておく必要があるということです)。

(2019年8月6日)

相続法改正(共同相続の対抗要件)

民法が改正されています。

「土地は二男に相続させる」という遺言が残されていたのに、長男が勝手に土地を自分名義にしてしまい、そのうえ、その土地を第三者に売却し、登記も済ませてしまった場合、二男は遺言にもとづき土地を取り戻すことができるでしょうか?

改正前の民法では、二男は遺言にもとづき土地をすべて取り戻すことができましたが、改正後は法定相続分を超える部分については、登記をしていなければ第三者に自己の権利を主張できなくなりました。

不動産に関しては、迅速な登記手続きを行うことが、ますます重要になっています。

相続登記は放置せず、出来る限り迅速に行っておくことをおすすめいたします。

 

【改正民法899条の2 第1項】相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず(遺言による承継も含むという意味です)、次条及び第901条の規定により算定した相続分(法定相続分のことです)を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗(権利主張)することができない。

(2019年8月6日)

第176回終活講座終了

令和元年7月26日(金)、京都駅前のキャンパスプラザ京都にて「第176回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。

今回も遺言書の具体的なお役立ち事例や、公正証書にしておくことの重要性などをお話しさせて頂きました。

次回は京都市右京区の太秦にて開催する予定です。

終活に関するテーマでの出張講演依頼も承っておりますので、気軽にお声がけください。

(2019年7月27日)

相続人がいない方

未婚で一人っ子、両親は既に他界しているというケースでは、法律上、相続人がいない状態となります(相続人の順番は子ども→両親→兄弟姉妹・甥姪となります。配偶者は必ず相続人になります)。

遺産は原則、国のものとなりますし(例外:特別縁故者は遺産を受け取ることができます)、連絡の取れる親族等がいない場合、死亡届の提出、火葬や埋葬の手続などでも周囲の方が大変困る事になります。

子どものいない方は、必ず遺言書を作成し、まわりに迷惑がかからないように出来る限りの準備をされておくべきです。

(2019年7月25日)

自治会さんからの講演依頼

7月20日は、マンションの自治会さんからのご依頼で、相続や遺言について講演させていただきました。

1時間ほどお話しした後は、お菓子をつまみながらの歓談形式で色々とご質問いただきました。

相続や遺言のことについて、気にはなっているけど、相談するほどでもないという方が多いですが、セミナー形式であれば一度行ってみようかなと思われるようです。

自治会、婦人会、同好会など、お声がけいただければ出張講義いたしますので、気軽にお声掛けください。

(2019年7月22日)

送骨(そうこつ)

遺骨を寺院宛に郵送し、自身は立ち会うことなくお寺に供養してもらう「送骨(そうこつ)」の需要が高まっているそうです。

健康状態や高齢のために寺院まで遺骨をもっていくことができないという方や、遺骨をどうしていいのかわからないという方、経済的事情で通常の供養を行うことができない方などが利用されているようです。

利用の流れとしては、遺骨の送り先となる寺院を選び、郵便局の係員に自宅まで来てもらい料金を支払います。係員から遺骨の梱包キットを受け取り、梱包キットに遺骨をおさめて、ゆうパックで寺院へ郵送することになります。

費用は寺院などによって異なるようですが、2万5000円ほどで受けてくれるところもあるとのことです。

現在の社会情勢をみていますと、今後ますますこの「送骨」の需要は高まるのではないかと思います。

この送骨という方法をどのようにとらえるかは、宗教観や考え方によって大きく感想は異なると思いますが、多様な社会の中で、現実に必要としている方が多くいらっしゃるという事実には、きちんと向き合うべきですし、利用するしないは別として、このような方法があると多くの方が知っておくことは悪いことではないと思います。

(2019年7月18日)

障がいのある方の遺言作成

言語に障害のある方や視覚に障害のある方でも、公正証書で遺言することは問題なくできます。

【耳の聞こえない方】

公証人が書いた内容を、通訳者の通訳によって遺言者・立会証人に伝える形で作成することが認められています。また、公証人が書いた内容を直接遺言者本人に閲覧させる(見せて確認してもらう)方法でも作成することが可能です(通訳によるか、閲覧によるかは公証人が決めることになります。両方の方法を併用することも認められています)。

 

【口がきけない方】

本人が、公証人と立会証人の前で、遺言の趣旨を通訳者の通訳によって述べるか、自書するか、いずれかの方法で公正証書遺言を作成することが認められています(言語機能障害により発話できない方や聴覚障害のために発話が不明瞭な方だけでなく、病気や高齢のために発音が不明瞭な方もこの方法による作成が可能です)。

 

※目の見えない方でも、意志の確認さえ取れれば問題なく作成できます。

※通訳者は、特定の資格(手話通訳士等)を有する方でなくても、遺言者の意思を確実に伝達する能力があればよいとされています。

(2019年7月16日)

手話通訳による講演

昨日(7月15日)は、京都市聴覚障害者協会様からのご依頼で、中京区聚楽廻の京都アスニーにて「エンディングノートってどんなもの?」というタイトルで講演させて頂きました。

手話通訳の方が2名ついていただいての講演で、私自身このような形で講演させて頂くのは初めてだったので、貴重な体験となりました。

講演の前に簡単な自己紹介の仕方を教えて頂けたので、「私の名前は園久典です。よろしくお願いします。」と手話で自己紹介させて頂きました。

お昼ごはんも協会の方々とご一緒させていただき、色々なお話しを聞くことができ、手話のことや聴覚障害者の方のお困り事など、普段気付かないことも多く、大変勉強になりました。

(2019年7月16日)

浜大津にて終活セミナー

京阪びわこ浜大津駅前の大津市ふれあいプラザにて、「第175回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。今後も、工夫をかさね、出来る限り続けていこうと思います(次回は7月26日にJR京都駅前にて開催予定です)。

(2019年7月13日)

詐欺の被害者

詐欺被害者に対して「だまされる方が悪い」「なぜ報道されているのに、同じ手口にだまされるんだ」という感想をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、詐欺の被害者がその後、自ら命を絶たれるケースがあるということをご存知でしょうか。

詐欺の被害者は「だまされたこと知られると周りからバカにされるので恥ずかしい」という理由で、泣き寝入りされることも多いようですが、詐欺の被害にあったことが家族に知れると「なぜそんな手口にだまされるんだ!」「とんでもないことをしてくれた!」と、配偶者や子ども達からも攻められ、精神的に追い詰められてしまい、最終的に自殺という方法を選んでしまわれるケースがあります。

「被害者も悪い」「騙されるなんてバカだ」という考え方が被害者を自殺にまで追い込んでしまうことがあるという現実を考えると、まずは詐欺の被害にあわれた方にいたわりの気持ちを持ち、悪いのは詐欺グループであるという社会の空気を作っていくことが大切ではないかと感じます。

※京都府の特殊詐欺の被害状況を調べると、被害者の約8割が65歳以上の方です。この数字は「高齢の方がだまされやすいから」とも単純に言い切れません。詐欺グループは、【高齢者vs若者】という対立図式をあおって、「高齢者からお金をだまし取ることは正義なんだ」という考え方を、構成員にたたきこんで高齢者を憎むように仕向け、狙い撃ちにしているという側面もあるからです(金融資産のほとんどを保有している高齢者層がお金を貯め込んで使わないから若者にお金が回ってこない→高齢者からお金を拝借することは悪くない、という論理)。

(2019年7月10日)

第33回シニアなんでも相談会

昨日7月7日(日)、京都市役所前地下街ゼスト御池御幸町広場にて「第33回シニアなんでも相談会」を開催いたしました。相談希望者、イベント(チャンバラショー、合唱、演奏会など)観覧者、どちらも多くのご参加をいただきました。

次回のシニアなんでも相談会は8月11日(日)に開催する予定です。

(2019年7月8日)

改正相続法の施行

本日7月1日より、改正相続法が施行されます。

婚姻歴20年以上の夫婦の保護、遺留分制度の改正、介護を頑張った親族の権利保護、仮払制度の創設、遺言執行者の権限の明確化など、約40年ぶりの大幅な改正となります。

一部の法律は、施行日が異なりますのでご注意下さい(配偶者居住権制度は2020年4月1日開始、自筆証書遺言の保管制度は2020年7月10日開始です)。

相続や遺言について、お悩みや困り事がございましたら、気軽にご相談ください。

(2019年7月1日)

第174回 終活セミナー終了

令和元年6月28日、アスニー山科(京都市生涯学習総合センター山科)にて「第174回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。

ご夫婦やお友達でご参加くださった受講者様もおられ、和やかな雰囲気で進行させていただくことができました。ありがとうございました。

現場を知る専門家ならではの情報をお伝えしておりますので、もしよろしければ是非ご参加ください。親子でのご参加も大歓迎です。次回は滋賀県大津市にて開催いたします。

(2019年6月29日)

相続法の改正へのご相談

来月7月1日から相続に関する法律がかわるということで、弊所にも改正に関する相談があります。

「以前作った遺言書を作り直さなくてはいけないのですか?」というお問合せも頂きますが、通常の場合は、作成しなおす必要はありませんので、安心して頂いて結構です(場合によっては書き直したほうが良いケースもございますので、気になる方はご相談ください)。

遺留分に関する事項や、婚姻期間20年以上の夫婦の特別受益の持戻し免除規定、介護をした親族の相続権、配偶者居住権(2020年4月1日開始の制度)、自筆証書遺言の保管制度(2020年7月10日開始の制度)など、気になる項目のある方は気軽にご相談ください。

(2019年6月27日)

公正証書遺言が無効に?

遺言書を公正証書で作成しておけば、手書きの遺言よりもずっと安心ですが、公正証書で作成できたからといって、それだけで100%安心とは言いきれません。

公正証書で作成したにも関わらず、裁判で遺言が無効と判断されるケースも珍しくありません(公正証書でも負けるのですから、自筆の遺言はいわずもがなです)。

「遺言をした本人が理解できていなかった」「遺言者の年齢にしては遺言内容が複雑すぎる」「遺言作成当時の状況をふまえると作成の経緯が不自然」など、いろいろな理由で遺言無効判決が出ていますが、やはり、遺言者本人の認識能力が問題になることが多いです(公証人が厳密な認知症検査を行うわけではありません)。

公正証書で作成することも当然大切ですが、やはり70歳代ぐらいの元気なうちに作っておく、そして相続人にも作成した事実や遺言書が将来の手続でどのように役立つかを説明しておくことが非常に大事です。

(2019年6月26日)

生前の遺言無効確認

遺言者(遺言書を書いた本人)の生前は、遺言における受遺者(遺言にて遺産をもらえる人)に遺言無効確認の訴えを提起することはできません(昭和31年10月4日最高裁判決)。

遺言者が生きている間は、いつでも自由に遺言を撤回できるので、裁判で遺言の無効を確認しても意味がないとして、訴えは認められません。

(2019年6月25日)

相続法の改正

来月から新しい相続制度がスタートします。

配偶者の法定相続分の引き上げはなされませんでしたが、配偶者保護の方策がいくつかなされています。

婚姻期間20年以上の夫婦間で自宅の遺贈や贈与がなされた場合でも、残された配偶者が現預金をしっかり相続できる方策も盛り込まれました(今までは自宅を相続した分、現預金を相続できない事態におちいるケースがありました)。

時々、「婚姻期間が20年経過しないと配偶者の相続分が減ることになる」という誤解をされている方がいらっしゃいますが、そうではありません。

相続や終活でお悩みの方は、一度ご相談下さい。

(2019年6月24日)

ホタル観賞

先日は右京区京北まで、子どもとホタルを捕まえにいきました。

数日間、自宅にて鑑賞させてもらい、また捕まえた場所まで逃がしにいきました。

ホタルさん、短い間でしたが、ありがとうございました。

(2019年6月21日)

京都市証明郵送サービスセンター

来月7月16日から、京都市への戸籍や住民票の写しなどの郵送による証明書の請求は、「京都市証明郵送サービスセンター」に対して行うことになります。

【交付できる証明書】

戸籍・除籍全部(個人・一部)事項証明書、除籍謄(抄)本、改製原戸籍謄(抄)本、戸籍附票の写し、平成改製原戸籍附票の写し、住民票の写し、住民票記載事項証明書、除かれた住民票の写し、身分証明書、独身証明書、所得・課税証明書、評価・公課証明書、納税証明書(個人市・府民税、法人市民税、固定資産税・都市計画税)

(2019年6月21日)

裁判所の管轄

争いごとを裁判で決着をつけることになった場合、原則として「訴えられたほうの人が住んでいる地域の裁判所」で裁判をすることになります。

ただし、相続の権利や遺留分に関する裁判は、「被相続人(故人)の最後の住所地を管轄する裁判所」で裁判をすることもできます。

そのほかにも裁判所の管轄に関しては、訴訟の金額によって裁判所の管轄が決まるなど、細かい規定が色々とあります。

最初は全く争いになる気配がないケースでも、裁判にまで発展してしまうこともよくあるのですが、その時に「どこの裁判所で裁判をすることになるか」が意外と重要になってきます。

弊所では、相続が紛争性を帯びた場合、信頼できる弁護士をご紹介する事もしております。まずはご相談いただければと存じます。

(2019年6月20日)

相続税のお尋ね

相続税がかかりそうな家には、税務署のほうから「相続税についてのお尋ね」と書いた申告書類一式が送付されてくることがあります。

相続税がかかる家すべてに送付されるわけではありませんので、書類が送られて来なくても相続税がかかるケースもあります。

税務署は膨大な税金に関するデータを保有していますので、「この人は相続税がかかりそうだな」という家に申告書を送っているという事になります。

相続税は、相続人が自分で税額を計算し、自分から申告することになりますので、非課税なのか税金が発生するのかは、税理士などに相談して自分で判断する必要があります。

※相続財産が基礎控除額を超える場合は、相続税額が0円でも、税務署への申告が必要となりますので、ご注意下さい。

※相続に詳しい税理士のご紹介も可能です。気軽にお声掛けください。

(2019年6月18日)

養育費の不払い、差押え

離婚した後に、約束したはずの養育費が支払われないという状況がたいへん多く存在します。

これまでの法律では、不払い者の資産を差し押さえるには、自分で不払い者の勤務先や預金口座などを調べる必要があり、非常に大変でした。

改正後の民事執行法では、地方裁判所が金融機関に対して、不払い者の情報を提供するよう命令を発してくれることになり、資産の差押えが今までよりもしやすくなります。

養育費の不払いが犯罪となる国もあるぐらいですので、これでもまだ日本は甘いほうなのかもしれません。

改正民事執行法は2020年の5月までに施行される予定です。

(2019年6月17日)

役場から税務署への通知

死亡届が役場に提出されると、その情報は管轄の税務署へ通知されます。

固定資産税の情報等も同時に通知されるので、亡くなった方の財産状況については税務署がしっかりと把握しています。

税務署は税金調査のプロですので、下手にごまかそうなどとせず、きちんと申告されることをおすすめいたします(相続税調査のときに困るのは残されたご家族です)。

(2019年6月15日)

マイナンバーと戸籍

2023年をめどにマイナンバーと戸籍情報の連携が予定されています。

現在は、相続手続きの際に、最低でも故人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本などを本籍地のある役所に請求する必要がありますが、戸籍情報がマイナンバーと連携されると、本籍地のある役所に請求しなくても、最寄りの役所だけで全ての戸籍が揃えられるようになるようです。

マイナンバーと連携されるまでは、故人の本籍があったすべての役所に請求して一生分の戸籍を地道に集めなければなりません。お困りの方は行政書士にご相談ください。

※子どものいない方の相続では、故人の一生分の戸籍一式のほか、故人の両親の一生分の戸籍一式も取寄せる必要があります。

(2019年6月14日)

公証役場の建物

公証役場が入っているビルにエレベーターが設置されているとは限りません。

階段をのぼれないために公証人に自宅まで出張してもらわなければならないケースもあります(出張してもらう場合、公証役場の手数料が1.5倍になり、その他タクシー代や日当なども発生します)。

身体も元気で、判断能力にも問題がないうちに公正証書を作っておくことが大切です。

(2019年6月13日)

長岡京市にて終活講師

昨日は、長岡京市の終活を考える会様からお声がけいただき、長岡京駅前のバンビオ1番館にて、「詐欺被害予防講座&高齢者のためのマイナンバー講座」というテーマで講演させて頂きました。

詐欺被害の現状や手口、予防方法、マイナンバー制度の現状とこれからなどについてお話しいたしました。

(2019年6月12日)

第173回終活セミナー終了

令和元年6月8日(土)、長岡京駅前の長岡京市中央生涯学習センターにて「第173回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」を開催いたしました。

長岡京市や向日市の方にご参加いただき、ご夫婦で受講された方もいらっしゃいました。

今後も地道にコツコツと続けていきたいと思っております。皆様ありがとうございました。

(2019年6月10日)

第172回終活セミナー終了

本日、京都アスニーにて、第172回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナーを開催いたしました。15名ほどの方にご参加いただきました。

公正証書遺言や、お墓のこと、費用のことなど、ご質問も多く頂きました。

次回は長岡京市にて開催予定です。

(2019年5月24日)

中京区役所にて

先週17日は、中京区役所4階にて、「終活のより良い支援のために」というタイトルで講演させていただきました。

約50名のケアマネージャー様にお越しいただき、1時間30分ほど、相続、遺言、各分野の専門家等についてお話しました。

いつもは高齢の方に聞いていただく事が多いので、20歳~50歳ぐらいの方々にお話しするのは、新鮮でした。

質疑応答では、ケアマネージャー様の視点からのご質問を多くいただきました。今後の弊所の活動を考える上で、重要な課題を頂いたように感じております。関係者の皆様、ありがとうございました。

(2019年5月20日)

相続・遺言通信 第25号

弊所の事務所通信「相続・遺言通信」の最新号を掲載しております。

相続や遺言などのお役立ち情報などをご紹介しております。よければトップページにてご覧下さい。

(2019年5月18日)

第172回終活セミナー終了

第172回「相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」終了いたしました。

今回は文化パルク城陽にて開催しました。20名を超える方にご参加いただき、講師として楽しくお話しさせて頂きました。ご夫婦、お友達、30歳代の方など、様々な方にお越しいただけました。

今後も京都市を中心に各地で毎月2回開催いたしますので、ご興味のある方は弊所ホームページをご覧下さい。

※一般以外の方(士業関係者、保険会社、葬儀社、石材店、不動産業者など)のご参加はお断りしております。ご容赦下さい。

(2019年5月14日)

相続人が行方不明の場合

遺言書がない相続で、相続人の中に行方不明者がいる場合、相続は大変になります。

まずは行方不明者の捜索が第一ですが、単に住所地がわからないだけの場合は、戸籍の附票を取り寄せて、現在の所在地を確認することで、住所登録がされている所は判明します。

住所登録地にいないとなれば、その他の方法で探すことになります(例:同級生など行方不明者の居所を知っていそうな人物に連絡をとる、探偵に捜索を依頼するなど)。

もし行方不明の期間が7年を経過しているときは、失踪宣告という手続きを行い、行方不明者がすでに死亡しているものとして手続きを進める方法もあります。

居所もわからず、7年も経過していない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることになります。選任された不在者財産管理人(弁護士)が行方不明者に代わって、遺産分割協議に参加することになります。

いずれにしろ、行方不明者がいる場合は、手間と費用がかかってしまいます。

もし、遺言執行者も指定された、きちんとした遺言書が残されていれば、そもそも遺産分割協議を行う必要がありません。

遺産額が大きくなくても、家族の関係が良好でも、遺言書があれば相続人にかける負担が変わってきますので、一度遺言書作成をご検討されることをおすすめいたします。

(2019年5月9日)

相続人が未成年の場合

遺言書がない相続で、相続人の中に未成年者が含まれる場合、手続きが大変になります。

まず、未成年者には相続する権利はありますが、遺産分割協議に参加することはできません。親権者(もしくは未成年後見人)が本人の代わりに遺産分割協議に参加することになりますが、親権者も相続人である場合は、利益相反となるので、代わりにはなれません。

この場合は、家庭裁判所に申立てて、特別代理人を選任してもらい、その特別代理人が本人のかわりに遺産分割協議に参加することなります。

もし、遺言執行者も指定された、きちんとした遺言書があれば、そもそも遺産分割協議をする必要がありません。

遺産額が大きくなくても、家族の仲が良好でも、遺言書の作成を是非ご検討下さい。

(2019年5月9日)

相続人が認知症の場合

遺言書がない相続で、相続人の中に認知症の方が含まれる場合、手続きはややこしくなります。

まず、認知症の方は遺産分割協議に参加することはできませんので、代わりの者に遺産分割協議に参加してもらうために、成年後見制度を利用することになります。

家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、後見人となった者が代わりに遺産分割協議に参加します。ただし、後見人も相続人である場合は、利益相反となるため本人の代わりに遺産分割協議に参加することはできませんので、後見人を監督する者(後見監督人[弁護士や司法書士等])に代わりに遺産分割協議に参加してもらうことになります。

後見監督人がいない場合は、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらった上で、遺産分割協議を行うことになります。

きちんと遺言執行者も記載された遺言書があれば、そもそも遺産分割協議を行う必要がありません。

遺産額が少なくても、家族の関係が良好でも、遺言書があれば、相続が非常にラクになります。

遺言や相続でお悩みの方は気軽にご相談下さい。

※遺産分割協議のためだけに成年後見人を選任したとしても、一度就任した成年後見人は遺産分割協議が終わった後も、後見事務を続けることになります(後見は一度はじめると原則一生つづくことになります)。

(2019年5月9日)

内縁関係・事実婚

戸籍上は夫婦ではないが、実質的に夫婦同然の生活を送っているようなご夫婦の事を、「内縁の夫婦」や「事実婚」といいますが、内縁の配偶者には、遺産を相続する権利は一切認められていません。

何十年夫婦として生活していたとしても、籍が入っていないという事だけで、全く相続権は認められないのです(籍さえ入っていれば、原則、相続権が認められます[裁判になった場合は、個別の事情が斟酌された上で判決が下されますので、あくまでも原則です])。

内縁の夫婦でも相続する権利が認められるという勘違いをされている方が、たまにいらっしゃいますが、間違いですので、くれぐれもご注意下さい(内縁の配偶者に遺産を譲りたい場合は、遺言書を作成しておく必要があります)。

※内縁の配偶者には相続権はありませんが、遺族年金や賃借権の承継など、認められる権利もあります。気軽にご相談下さい。

※同性のパートナーに財産を譲りたい場合も遺言が有効です。気軽にご相談下さい。

(2019年4月24日)

遺留分制度の改正

今年の7月に相続法が改正されますが、遺留分の制度も大きく変更されます。

現行の遺留分は、遺留分減殺請求権を行使するという形だったので、遺留分の権利が不動産や株式などにも及ぶことにより(共有の状態になってしまい)、迅速な手続きの進行を阻んでいました。

これが改正により、減殺請求ではなく、遺留分侵害額相当の金銭を請求する権利(金銭債権)となるので、不動産や株式が共有の状態になって困ることがなくなります。

また、遺留分侵害額の計算方法も変更されます。改正後は、相続人以外への生前贈与は1年、相続人への生前贈与は10年経過すれば、遺留分の算定から原則はずれることになりますので、生前贈与の賢い活用がますます重要になります。

(2019年4月24日)

サイン証明

相続人の中に海外居住者(日本国内に住民登録していない)がいる場合、相続手続きはどうなるのでしょうか?

遺言書がない場合は、通常、遺産分割を相続人全員で行い、合意できれば遺産分割協議書を作成し、そこに相続人全員が署名押印するという手続きを踏むことになります。

ただし、海外居住者がいる場合はこうはいきません。海外では印鑑登録制度がない国がほとんでですので、印鑑を押してもらうことができません。そのかわりに、海外居住者である相続人に、大使館又は領事館等に出向いてもらい、そこでサイン証明という手続きを行ってもらわないといけなくなります。

通常の相続手続きで全員から実印を集めるだけでも大変な作業ですが、海外居住者が含まれているとさらに手続きが煩雑になります。

遺言執行者の指定など、しっかりと記載された遺言書があれば、相続人全員から実印を集めなくても済みますので、是非とも公正証書遺言の作成をご検討下さい。

(2019年4月24日)

遺言書の検認

自筆証書遺言や秘密証書遺言など、公正証書遺言以外の方式で作成した遺言書は、遺言者の死亡地を管轄する家庭裁判所にて検認(けんにん)という手続きを行わないと、相続手続きで使うことができません。

検認とは、遺言書の存在を全ての相続人に知らせ(法律上、遺産をもらう権利のある者全員に通知が送付されます)、遺言書の状態や内容を記録し、偽造や変造を防止するための手続きです。

検認を行うには、申立書に申立ての趣旨や理由、遺言者や相続人等の住所地・本籍地などを記入した上で、必要書類を提出しなければいけません。

必要書類の提出、家庭裁判所からの通知、検認期日など全て完了するまでに約1か月~1か月半ほどかかることが多いです。

検認の手続きが完了すると、検認済み証明書を添付した遺言書が交付されますので、これを使って預金の解約や自宅の相続登記を行います。

「遺言書は書いてあるので大丈夫」とおっしゃる方が多いのですが、手書きの場合は検認の手続きが必要であること、遺言執行者が指定してないと必ず相続人全員の実印と印鑑証明がいることなどをきちんと伝えていないと、残された家族はどうすればいいのか分かりません。

遺言書は、元気なうちに、公正証書で作成し、将来の手続きの流れを家族に説明しておくことが大切です。

※検認は、遺言書の有効・無効を判断する手続きではありませんので、検認完了後に遺言書をめぐり争いになった場合は、別途裁判にて有効無効を争うことになります。

※封がしてある遺言書は、開封せずに、家庭裁判所へ提出しなければいけません。勝手に開封した者には、5万円以下の過料が科されます(民法第1005条(過料)「前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する」)。

(2019年4月24日)

遺言検索システム

相続手続きを進める上で、遺言書があるかないかは大変重要な問題です。

手書きの遺言書は、家の中や貸金庫の中などを探すことになりますが、公正証書の遺言の場合は、「遺言検索システム」を使って、最寄りの公証役場で遺言書の有無を調べてもらうことができます(ただし、このシステムで探すことができるのは昭和64年1月1日以降に作られた公正証書遺言に限られます)。

相続人が調べる際は、遺言書を書いた本人が亡くなったことがわかる資料や、本人との関係が証明できる資料などが必要になります。

※検索はどこの公証役場でもしてもらえますが、公正証書遺言の閲覧や謄本の請求は、原本を保管している公証役場でのみ可能となります。

※京都の場合は、遺言書を作成した本人が120歳になるまで、公証役場にて遺言書の原本が保管されることになっています。

※2020年7月10日からスタートする、自筆証書遺言の保管制度を利用した場合も、法務局にて遺言検索することが可能となります。

(2019年4月23日)

健康保険証の返却

被保険者がお亡くなりになった場合は、保険証を返却し、資格喪失の手続きを行う必要があります。※世帯主が亡くなった場合は、家族全員の世帯主名を書き換えてもらいます。

(手続きの期限)

  • 国民健康保険:14日以内
  • 健康保険:5日以内

(手続きに必要なもの)

  • 死亡が確認できる戸籍謄本
  • 世帯主の認印
  • 本人確認資料(免許証など)

上記以外のものが必要になる場合がありますので、窓口(故人が住んでいた地域の役所)にお問合せ下さい。

※故人が会社員であった場合は、会社が手続きを行ってくれますので、詳しくは会社の担当者にお問合せ下さい(保険証の返却のほか、未払給与・退職金の手続、制服や社員証の返却なども行う必要があります。また扶養家族だった方は、国民年金に加入するか、他の家族の扶養に入るかを決めなければいけません)。

※健康保険の資格喪失手続きと併せて、葬祭費の請求を行うと手続きがスムーズです。

(2019年4月23日)

死亡届・火葬許可申請書

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に届け出る必要があります。死体埋火葬許可申請を同時に行うと埋火葬許可証が交付されます。※死亡届は何枚かコピーを取っておきましょう。

(届出に必要なもの)

  • 死亡届(死亡診断書欄に医師に記入してもらう)
  • 届出人の印鑑

(届出できる人)

  • 同居の親族
  • その他同居者
  • 同居していない親族
  • 家主、地主または家屋もしくは土地の管理人

(届出先)

死亡者の本籍地または死亡地、もしくは届出人の所在地の市区町村役場。京都市の場合は、区役所・支所の市民窓口課や出張所となります。※市役所では受付けしてもらえません。

相続や終活でお困りの場合は、気軽にお問合せ下さい。

(2019年4月23日)

生命保険信託

親が亡くなってしまった後に残される「幼い子」や「障がいのある子」、または後に残される認知症の親族のために、生命保険金を信託するという方法があり、これを「生命保険信託」といいます。シングルマザーやシングルファーザーの方や、障がいのあるお子様をお持ちの方、認知症のご親族がいらっしゃる方などには非常に有効な方法です。

<生命保険信託のメリット>

  • 生命保険金は通常、一括で受取人に支払われますが、信託を利用すると、生命保険金の管理や運用は信託会社や信託銀行が行うので、支払われた保険金を他の親族に横取りされたり、無計画に使われたりする心配がありません。
  • 今すぐに大きな財産が準備できなくても、月々の保険料で多額のお金を準備することが可能になります(若いうちに加入するほど保険料は安く済みます)。※死亡時又は高度障害状態となった際に保険金が支払われます。
  • 保険金を受け取る人の順番を決められます(例:第1次受取人である配偶者が保険金を毎月受け取る→配偶者の死亡後は、第2次受取人である実子[先妻との子]が保険金を毎月受け取る)。

<生命保険信託のデメリット>

  • 信託契約書の作成費用や信託財産の管理費用が発生します。

<生命保険信託の利用方法>

  1. 生命保険会社との間で、生命保険契約を結びます。
  2. 信託会社または信託銀行との間で、信託契約を結びます。
  3. 委託者(契約者)が死亡すると、信託会社(信託銀行)が保険会社に生命保険金を請求し、保険金は信託会社(信託銀行)に支払われます。
  4. 生命保険金は信託会社(信託銀行)が管理し、あとに残された受取人のために使用されます(生前に決めておいた信託契約の内容[受取人、受取期間、ペース、受取金額など]どおりに給付されます)。

(2019年4月22日)

生命保険金の非課税枠

被相続人が死亡することにより、相続人が生命保険金を受け取った場合、一定額までは相続税を課税しないという制度があり、これを「生命保険金の非課税枠」といいます。

生命保険金の受取額が「500万円×法定相続人数」を超えない限り、相続税を課税しないという制度です。

本来、生命保険金は「受取人固有の財産」とされていますので、相続財産ではありません。ただし、相続が発生したら相続人がもらうお金なので、税金としては相続税を課税するということになっています。ですので、生命保険金は「みなし相続財産」と呼ばれます。

現金や預貯金は、基礎控除額(3000万円+[600万円×法定相続人数])を超えれば相続税が加算されますが、生命保険金は基礎控除とは別に非課税枠(500万円×法定相続人数)がありますので、預金を生命保険金に変えるだけで相続税の額を抑えることができます。

 

その他にも、生命保険金は相続財産ではないので、下記のように役立てる事ができます。

  • 預金のように凍結されないので、すぐに受け取ることができる(原則請求から1週間ほどで保険金は支払われます。保険会社によっては即日に支払ってくれるところもあります)。
  • 生命保険金は遺産分割の対象外ですので、遺産分けでどれだけ揉めていても、生命保険金は受取人が保険会社へ請求すれば、速やかに支払われます。
  • 多額の借金などのため相続放棄をした場合も、生命保険金は遺産ではないので、問題なく受け取ることができます。

※生命保険金の非課税枠は受取人ごとに500万円ということではありません。相続人が受け取る保険金額の合計が非課税枠内におさまればよいです(例:相続人が長男・二男・三男の3名の場合、500万円×3名でも、750万円×2名でも、1500万円×1名でも非課税枠範囲内ということになります)。

※生命保険金は契約者の意思でいつでも、解約や一部解約、一時停止、受取人の変更ができます。詳しくは保険会社にご確認下さい(契約締結後、数年で解約すると支払い金額を下回ることが多いです)。

※契約者、被保険者、受取人などを誰にするかにより課税される税金の種類や税額が変わります(相続税、所得税、贈与税)。契約を結ぶときに将来のことも考えて内容を決めないと税金額が数百万円変わってくるケースもあります。

※1000万円の保険を、長男に50%、二男に50%というように割合で指定されている契約もよくありますが、保険会社は長男と二男の口座に500万円ずつ入金してくれるわけではありません。多くの保険会社は、長男と二男が合意した上で代表者を決め、代表者が保険会社に請求し、代表者の指定口座に1000万円をまとめて支払うという形を取っています。これでは、ほかの遺産で揉めている場合に保険金を請求できなくなってしまいます。このような事態を防ぐには、1000万円の契約を50%ずつ指定にするのではなく、500万円の契約を二つ作ります。

※古い保険契約の中には、受取人欄に「法定相続人」と書かれた契約がありますが、これでは生命保険金を請求する時に、手続きが大変になります(誰が法定相続人かを証明した上で、法定相続人全員の合意を取り付ける必要があります)。受取人欄には個人名を記載しましょう(受取人はいつでも変更可能です)。

※非課税枠の活用のための契約は、保険会社によっては満91歳の方まで契約可能です。一度ご相談頂ければと存じます。

※上記の他にも生命保険は、遺留分対策や生前贈与対策などにも有効ですので、一度ご検討されることをお勧めいたします。弊所でも信頼できる保険営業をご紹介することは可能です。気軽にお問い合わせ下さい。

(2019年4月12日)

配偶者の税額の軽減

相続税には基礎控除(3000万円+[600万円×法定相続人数])というものがあり、この額を超えた場合に原則税金が課税されます。

しかし、配偶者は被相続人とともに財産を築いてきたということやその後の配偶者の生活保障のために税額を軽減する制度が設けられています。

配偶者が遺産分けや遺贈によって取得した財産の額が「1億6000万円」又は「法定相続分相当額」のどちらか大きい金額までは相続税がかからないことになっており、この制度を「配偶者の税額の軽減」といいます。

配偶者の税額軽減など、相続税に関する特例や控除は、原則遺産分けの協議が整っていることが条件になっておりますので、揉め続けている場合は活用することができません。

※申告期限(10か月)を超えた場合でも、3年以内に遺産分割がまとまった場合は、配偶者の税額軽減を適用できますので、詳しくは税理士や税務署にご相談下さい(弊所でも信頼できる税理士を紹介できます)。

※配偶者の税額軽減を適用すれば税額が0円になる場合も、税務署への申告は必要ですのでご注意下さい(遺産額が基礎控除範囲内の場合は、申告不要です)。

(2019年4月12日)

小規模宅地等の特例

相続税には、基礎控除(3,000万円+(600万円×法定相続人の数))があるので、この基礎控除を超える財産がある場合に相続税が課税されるのですが、さまざまな特例も設けられています。

「小規模宅地等の特例」も特例の一つです。

簡単に説明しますと、自宅の土地を配偶者もしくは同居していた親族が相続した場合は、土地の評価額を100坪までなら8割引してもよいという特例です(例:路線価1000万円の土地→200万円と評価してよい)。

ただし実際に特例を使う場合は、その他にも細々とした要件等がありますので、税理士や税務署にご相談下さい(弊所でも信頼できる税理士をご紹介できます)。※住民票を移しただけでは同居していたとはみなされません。

※相続税にはほかにも「配偶者の税額軽減」「生命保険控除」「数次相続控除」「未成年控除」などの制度がありますので、税理士にご相談下さい。

※基礎控除を超えない場合、申告は不要ですが、特例や控除を活用したうえで税額が0円になる場合は税務署への申告が必要になりますので、ご注意ください。

(2019年4月11日)

遺言書を隠す行為

自分の利益のために遺言書を偽造したり、破棄したりする行為をしてしまうと遺産を相続する権利が無くなってしまうのですが、これを「相続欠格」といいます(自分の利益のために、被相続人や他の相続人を殺害したり、脅したりだましたりして遺言書を書かせたりする行為も相続欠格となります)。

遺言書を隠したり、他の相続人に遺言書の存在をわざと知らせなかったりする行為も相続欠格となります。遺産を独り占めにするために遺言書の存在を隠したり、遺留分請求されるのを回避するために遺言書の存在を内緒にしたりする行為をした相続人や受遺者は、遺産を承継する権利を失うということです。

※相続欠格とみなされるのは「不当な利益を目的とした」場合に限られます。

(2019年4月3日)

被害者と登記手続き

DV、ストーカー、児童虐待の被害を受けている方は、加害者に住所を特定されずに不動産の登記手続きができるように、一定の条件を満たせば、住所変更登記をすることなく所有権の移転登記ができることになっています。

上記のようなケースでお困りの方は、法務局又は司法書士などの専門家にご相談下さい。

(2019年3月29日)

登記できない遺言

遺言書を作成するメリットの一つに「遺産分割協議が不要になる」という点があります。

しかし、遺言書の書き方によっては、せっかく遺言書を作ったのにもかかわらず、遺産分割協議を行って遺産分割協議書に相続人全員の署名実印をもらわなければいけなくなるケースがあります。

「遺産分割方法の指定」と呼ばれる遺言書の記載方法がその一例です。

「以下のように遺産分割方法を指定する。1.下記不動産は長男○○が取得する。2.前項記載不動産以外の財産は全て二男△△が取得する。」というような書き方をした場合は、別途、遺産分割協議書も作成しないと不動産の登記を行うことができません。

遺産分割協議を不要にしたいのであれば「下記不動産は長男○○に相続させる」というように記載する必要があります。

(2019年3月26日)

遺産分割時の約束

親の面倒をみるという約束で長男が遺産を多めに相続したのに、約束を守っていないという事でトラブルになることもあります。では約束が守られていないという理由で既に行った遺産分割協議をやり直すことはできるのか、という点が問題になってきますが、法律上「非常に難しい」と言わざるを得ません(長男を含めた相続人全員が遺産分割協議のやり直しに賛成している場合は可能です)。上記の事情から、親の将来の扶養の対策をしておきたい場合は、遺産分割協議とは別の方法(例:相続は母がしておいて生前贈与や遺言を活用する、家族信託を利用する等)で対策をたてておくほうが無難です。

(2019年3月26日)

第30回シニアなんでも相談会予告

ゼスト御池シニアなんでも相談会

次回で第30回を迎える「シニアなんでも相談会」が、今朝の京都新聞にて紹介されました。

シニアボランティアグループ福寿奏さんによる合唱タイムや、刀剣座さんによるチャンバラショー、終活のシンポジウムなどを開催しております。

観覧・相談ともに無料ですので、気軽にご参加ください。

(2019年3月25日)

代償分割の注意点

代償分割とは、ある相続人が自宅などの現物資産を相続する代わりに、他の相続人に代償として金銭を渡して公平をはかる遺産の分け方のことをいいます(例:自宅を相続した相続人が、他の相続人に金銭を支払うことで納得してもらう等)。

代償分割は、遺産を売却せずに済ませる方法として利用されることが多いですが、次のような点に注意する必要があります。

  • 遺産分割協議書に「代償金として」金銭を渡す旨を記載しておかないと、贈与とみなされ贈与税を課税される可能性がある。
  • 代償分割をしたが、代償金を支払ってもらえないというような事態にならないよう注意する必要がある(代償金の分割払いも可能ですが、代償金を受け取る側としては、一括払いにしておいた方が安全です)。
  • 代償金支払いの代わりに不動産を譲渡した場合、不動産を譲渡した相続人に、相続税とは別に譲渡所得税が課税される。(登録免許税も発生します)。
  • 代償金は、取得費として計上できない。

※相続や贈与などにより資産を取得した場合、取得前から引き続き所有していたものとして譲渡所得の計算をするものとされています。

代償分割する場合は、遺産分割協議の際に、譲渡所得税の負担も考慮した上で、話し合いを進めることが肝要です(例:譲渡所得税相当額を考慮して代償金の額を決める、譲渡所得税相当額を不動産評価額から引いた上で分割協議を行う、など)。

(2019年3月24日)

遺贈(寄附)する場合の注意点

遺言書に財産の一部を法人や団体に遺贈(寄付)するという内容を記載する場合、いくつか注意しなければいけないことがあります。

まず注意しなければいけないことは、遺言書で遺贈をする相手方(受遺者)が遺贈を受けることを拒否する可能性があるという点です(特定遺贈放棄又は包括遺贈放棄)。

「無償で譲るのだから断られるはずがない」と思い込んでいらっしゃる方が多いのですが、遺贈を拒否される可能性は十分にあります。遺贈の目的物が現預金であれば拒否される可能性は低いですが、不動産を遺贈する場合は拒否されるケースも珍しくありません。

遺贈を受ける相手方法人にもよりますが、社会福祉法人や宗教法人に寄付する場合、「寄附は一切受け付けていない」と言われるケースや、「内部規則に抵触するので、このような内容の遺贈は受けられない」と断られるケースもあります。

また、法人の規則には抵触しなくても、活用するための出費が見込まれるような不動産(建て替え、造成、税金など)は遺贈を受けてもらえない可能性が高いです。

遺言は単独行為ですので、遺贈を受ける相手方に事前許可を取らなくても遺言書作成することは可能ですが、遺言書の内容が将来実現できないと意味がありませんので、遺贈の相手方と事前に協議しておくことは大切です。

※遺贈を受ける相手方はよくても、遺言書の記載の仕方がまずくて遺贈が実現しないケースもありますので、遺言書作成時には細心の注意が必要です(例:遺贈を受ける権利がない団体名称を記載してしまった[法人名ではなく単に施設名や寺院名だけしか記載されていない場合等]、書き方があいまいだった[「慈善団体に遺贈する」「寄附する先は家族に一任する」]など)。

※「遺贈が実現しなかった場合、その遺産は○○とする」というように、遺贈を受けることを相手方に拒否された場合のことまであわせて遺言書に記載しておく方法も一案です。

(2019年3月24日)

相続放棄できない危険性

借金を相続したくない、又は、そもそも遺産相続に関わりたくない等のケースでは、「相続放棄」という手続きを取ることがあります。

相続放棄は家庭裁判所に対して行うのですが、相続放棄が認められれば「最初から相続人ではなかった」ということになります(相続放棄の手続きは原則3か月以内に行う必要があります)。

相続放棄とはプラスの財産も、マイナスの財産も一切相続しないということです。プラスの財産だけを相続するということはできません(相続放棄をしても生命保険金は問題なく受け取ることができます[生命保険金は相続財産ではなく受取人固有の財産とされている為です])。

気づかないうちに相続財産を処分していた場合などは相続放棄が認められないので注意が必要です。相続放棄をする可能性があるときは、「相続不動産を取得する」「遺産である預貯金を消費する」「家財道具や貴金属をもらう」「信託受益権を引き継ぐ」「相続人が借りていた部屋を勝手に解約する」などの行為は控えるべきです。これらの行為をしてしまうと、遺産相続を承認したことになってしまい、相続放棄が認められなくなる危険性があるからです。

相続放棄を検討される場合は、遺産を処分する前に、専門家に相談されることをおすすめいたします。

※遺産分割協議書で「何も相続しない」「0円を相続する」とハンコを押す行為は相続放棄ではありません(「相続分の放棄」といいます)。この方法では借金だけを相続することになってしまう危険性があります。

(2019年3月24日)

遺産の一部分割

遺産を分割する前に、遺産(不動産、株式、預貯金など)の一部だけを先に分割してしまい、残りの遺産は後日じっくり協議するというケースがあり、これを「一部分割」といいます(例:取り急ぎ売却換金したい財産がある、争いの余地のない遺産だけを先に処理したい、調査に時間のかかる遺産以外を先に処理したい等)。※改正相続法では、この一部分割が明文化されます。

通常は、先に分割してしまった遺産については、分割協議が整った時点で権利関係が確定しますので、残りの遺産の話し合いに影響を与えることはありません。

しかし、残りの遺産の分け方を話し合う際に、先に一部分割した遺産が原因でトラブルになるケースもありますので、一部分割をする際に「残りの遺産協議には影響しない」もしくは「残りの遺産協議にも影響する」どちらなのかをはっきりと合意しておくことが肝要です。

気軽に一部分割をされる方もいらっしゃいますが、後日の争いを避けるためにも慎重に協議を進める必要があります。

(2019年3月24日)

葬儀費用の負担者

葬儀代を誰が負担するかということについては、法律ではっきりと決まっているわけではありません。

故人の遺産から葬儀代を支出したところ、相続人同士で揉めてしまい裁判となり、結局喪主をつとめた相続人が負担する事になった事例もあります。

「葬儀法要の費用は○○から支出してほしい」と遺言書に記載しておけば、通常、揉める事はないと思いますが、それでも不安であれば、別途「死後事務委任契約書」を作成しておくという方法もあります。

(2019年3月24日)

第168回終活講座終了

昨日(3月22日)、京都市男女共同参画センターウィングス京都にて「第168回相続・遺言・お墓・エンディングノートセミナー」を開催いたしました。

7名の方にご参加いただきました。

公正証書遺言や生命保険と税金の種類、永代供養などについて、ご質問もいただきました。

ご参加頂き、またアンケートにもご協力頂き、誠に有難うございました。

(2019年3月23日)

遺産建物の明渡し

遺産である建物に相続人の一人が勝手に住んでいても、他の相続人が強制的に立ち退かせることはできませんが、相続分に応じた家賃相当額を支払ってもらうことは原則可能です。

ただし、被相続人と同居していた相続人が引き続き遺産建物に住み続けているようなケースでは、立ち退かせることも、家賃相当額を支払わせることも原則できません(被相続人と同居相続人との間で、遺産分割協議が整うまでは無償で使用させる合意があったとみなされるため)。

※遺産分割協議がまとまった場合は、当然ですが、遺産建物の新しい所有者が自由に処分できます。

(2019年3月23日)

相続セミナー講師

先日は、大津市職員互助会様から講演のご依頼を頂き、ホテルピアザびわ湖にて遺言・相続についてお話させて頂きました。

ホテルピアザびわ湖1ホテルピアザびわ湖3

(2019年3月23日)

財産の記載方法

遺言書に財産を記載する際は、相続人など、遺言書を将来読む人が誤解したり、解釈に困ったりするような書き方にならないよう、細心の注意をする必要があります。

例えば、「金融資産」とだけ書いても、そこに現金が含まれるのかどうか意見の食い違いを生む可能性があります。

また、遺言書の中の「有価証券」という記載に預金が含まれるかどうかで争いになったケースや、「株式」という記載に投資信託も含まれるかどうかでトラブルになった事例などもあります。

遺言書作成当時には存在したが、遺言者死亡時には取り扱いがなくなっていた金融商品が遺産にあり、この商品が遺言の対象外とされてしまったケースも存在します(金融機関の統合などにより銀行名が変わった場合は遺言の効力に影響はありませんが、銀行自体が破綻して消滅してしまった場合は、遺言の一部が無効になってしまう可能性が高いです)。

財産の中に信託受益権や私道、境界があいまいな土地など、ややこしい財産が含まれる場合は特にトラブルに発展する危険性が高いです。

財産内容をきちんと整理して洗い出し、誰が読んでも誤解を生まないように記載しておくこと、そして将来状況が変わっても対応できる記載を心がけることが、紛争を生まない遺言書作成の第一歩です。

(2019年3月22日)

遺留分と時効

遺留分とは、一定の相続人(配偶者・子・両親等)対して保障された最低限の遺産の取り分のことです。これは、遺言書でも奪うことができない権利です。

遺留分は原則、法定相続分の2分の1となります(例外:相続人が直系尊属(親や祖父母など)だけの場合は法定相続分の3分の1)。

ただし遺留分にも時効があり、次の期間内に権利行使しないと時効により権利が消滅してしまいます。

相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないとき
相続開始の時から十年を経過したとき
遺留分の請求方法に決まりはありませんが、請求した事実を証明できるようにしておく必要がありますので、配達証明付き内容証明郵便にて行うべきです。

※兄弟姉妹や甥姪に遺留分はありません。

※遺言無効確認訴訟を提起していたとしても、消滅時効にかかる危険性がありますので、別途配達証明付き内容証明郵便で請求しておくべきです。

(2019年3月22日)

遺産分割と死後認知

遺産分けの話し合い(遺産分割協議)が既に終わった後で、死後に認知されたことにより相続人となったものが現れて遺産分けを要求してきた場合、既に行った遺産分割協議は無効とならず、新しく現れた相続人に相続分にあたるお金を渡して処理することになります。

【参考条文(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)】相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。(民法910条)

※上記とは異なり、遺産分割協議の後に母子関係存在を確認する判決が確定したことにより新たな相続人が現れた場合は、遺産分割協議は無効となり、再度遺産分割協議をやり直さなければなりません。また、遺産分割協議のやり直しに応じない相続人がいる場合は、遺産分割協議無効確認の訴えを提起することになります。

(2019年3月21日)

生命保険金と特別受益

生命保険金は原則、特別受益(生前贈与の事だと思って下さい)とはみなされませんので、遺産分割や遺留分請求の対象からはずれます。

ただし、あくまでも原則ですので、特別受益とみなされる余地はあります。

【参考判例(平成16年10月29日最高裁決定)】

「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である。上記特段の事情の有無については、保険金の額、子の額の遺産の総額に対する比率のほか、同居の有無、被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人の関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断すべきである。」

※生命保険は相続対策として非常に有効です。気になる方は一度ご相談下さい。

(2019年3月20日)

養子縁組の注意点

養子縁組は、「養子縁組届」を提出することで戸籍に反映されます。

縁組した後の親を「養親(ようしん)」といいますが、夫婦の一方だけが養親になる場合、養子は養親の遺産は相続できますが、養親の配偶者の遺産を相続することはできません(夫婦ともに養親になっている場合は相続できます)。

また、既婚者が養子になる場合は、養子の配偶者の同意が必要になります(養子縁組届に同意する旨の一筆と署名押印をする)。

養子縁組届を提出するには2名の証人が必要となりますが(証人が氏名・住所・本籍を記載し押印します)、養子の配偶者が証人になってもかまいません。

※養子の子は、縁組のタイミングにより代襲相続できないケースがあります。

(2019年3月19日)

遺言執行者について

遺言書には「遺言執行者」を記載しておく必要があります。

遺言執行者を遺言書で指定しておく利点をわかりやすく言いますと、「銀行に凍結されてしまった預貯金口座の解約や名義変更などを行う際に、相続人全員の署名・実印などがいらないので非常に助かる」ことです。

遺言執行者には、親族を指定しておいてもよいですし、親族以外(行政書士、司法書士、弁護士などの専門家や信託銀行など)を指定してもよいですし、二人以上の遺言執行者を指定しておくこともできます(ただし未成年者や破産者は不可です)。

遺言執行者に親族を指定すれば、執行者へ報酬を支払わなくても済みますので、費用面ではメリットが大きいですが、遺言執行の権限を特定の親族に与える(執行者以外の相続人には手続きを行う権限がなくなります)ことによる争いの発生、遺言執行業務の煩雑さ(就任通知、財産目録作成、他の相続人への報告、銀行窓口手続き、終了報告など)、他の相続人からの開示や報告の請求に応じないことによる損害賠償責任の発生など、安易受けてよいような気軽な仕事でもありません。

また少し専門的な話になりますが、遺言書にて遺言執行者を指定する場合は、遺言執行者に「預貯金口座を解約できる権限」「有価証券等を売却換金できる権限」「貸金庫を開けられる権限」「単独で執行できる権限」「家財道具などを独断で処分できる権限」などを与える旨記載するべきかどうかをよく考えたうえで、遺言書を作成する必要があります。

遺言書は書くことが目的ではなく、遺言に書いた内容を実現させることが目的ですので、残された家族が困らないように遺言作成しておくことが非常に大切です。

(2019年3月18日)

遺産の放棄の注意点

相続人が遺産の受け取りを拒否したい場合(多額の債務がある場合など)、「相続放棄」という手続きを家庭裁判所でとれば、相続とは一切関係がなくなります(正の財産も負の財産も全て相続しなくて済みます)。

ただし、「全ての財産を長男○○に遺贈する」「遺産の2分の1を長男に遺贈する」という遺言書が作成されていて、長男がその遺贈を受けることを拒否する場合、相続放棄の手続きだけでなく、「包括遺贈」を放棄する手続きも家庭裁判所で行う必要があります(包括遺贈とは、特定の財産だけの遺贈ではなく、遺産全体の何割もしくは全部を遺贈することをいいます)。

少し専門的な話でややこしいので、遺産の放棄をお考えの方は、一度専門家にご相談されることをおすすめいたします。

※放棄の手続きは原則相続開始後3か月以内に行う必要があります。

※相続放棄した場合、相続する権利は次順位の相続人に移ります。

※相続放棄した場合、放棄した相続人の子は代襲相続(親の代わりに遺産を相続すること)できません。

(2019年3月18日)

延命治療について

“終活”の一環として、エンディングノートを書いていらっしゃる方が増えています。

そしてどのようなエンディングノートにも延命治療についての希望を書く欄が設けられていますので、延命治療についても書かれている方が増えています。

延命治療や尊厳死といったことについては、まだ法整備が追いついていない状況です。

ですので、延命治療についての意思を明らかにしておくこと、家族や親族に事前に自身の希望を伝えておくことが非常に大事になってきます。

また、延命治療は望まないとだけ伝えても現実には、人工呼吸器の装着についてはどうするか、苦痛緩和の処置も望まないのか、挿入管(チューブ)の挿入は認めるのか、胃ろうは拒否するのかなど、家族に対して医師から決断をせまってくる事項は色々とあります。

漠然とした延命治療の希望の有無だけでなく、もう一歩ふみこんだ希望内容を検討し、家族やまわりの方に伝達しておくことが大切です(医師の中にも様々な考えの方がいらっしゃいますが、かかりつけ医に一度ご相談されるのも一考かと存じます)。

(2019年3月18日)

死後の事務手続き

おひとり様や子ども・家族に頼れないという方が増えていることから、死後の手続きを専門家に頼んでおきたいという方も増えています。

具体的にいいますと、専門家との間で「死後事務委任契約」という契約を交わし、未払金の精算(入院費や施設使用料など)、火葬・埋葬の代行、遺品の整理、賃借物件の解約・明渡し、各種契約の解除などを専門家に任せるという形をとる方が増加しています。

何を、どんな風に任せたいかは人それぞれですので、どういった契約内容にするかは、ご本人と専門家との間でしっかりと事前に打合せする必要があります。

もし、死後の手続きや相続・終活などでお悩みの方がいらっしゃいましたら、気軽にご相談頂ければと存じます。

(2019年3月18日)

限定承認の注意点

限定承認とは、相続したプラスの遺産の範囲内でマイナスの遺産(債務)を弁済するという条件で遺産を相続する方法です。

限定承認をすれば、遺産の範囲内で弁済すればよく、相続人が自腹を切って弁済するようなことにはなりませんので、その点では安心ですが、注意点もあります。

限定承認をした場合、亡くなった被相続人に対して譲渡所得税が課税されます(相続開始時に遺産(時価)が相続人に譲渡されたとみなされるため)。そのため譲渡所得税額も債務を計算する際に考慮しておく必要があります。

また、限定承認にともなう譲渡所得税の申告は、準確定申告となるため相続発生後4か月以内に申告する必要があります。

※限定承認は、相続人全員で行う必要があります。

※限定承認を行った相続人には、遺産に対して「先買権」が認められますので、自宅や事業所等、他人には手渡したくない遺産を確実に確保できるという利点があります(家裁が選任した鑑定人の評価額を支払えば買い取れます)。

(2019年3月18日)

相続させる遺言と代襲相続

親よりも子が先に亡くなってしまった場合、子の子(孫)が代わりに相続するというルールがあるのですが、これを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」といいます。

では「不動産Aは長男○○に相続させる」という遺言書を残したのに、長男の方が先に死亡してしまった場合、不動産Aは長男の子が当然に代襲相続することが認められるのでしょうか?

答えとしては「原則として代襲相続は認められないが、特段の事情がある場合は代襲相続が認められる可能性がある」となります。

どのようなケースが「特段の事情」にあたるかは個別事案ごとに異なりますが、特段の事情があると証明することが簡単でないことだけは確かです。

大事なことは、そのようなときに争いにならないような遺言書を残すことです。

長男が先に死亡してしまった場合に代襲相続させるのか、させないのかを遺言書にはっきり書いておけば、解釈であらそう余地はありません。

相続人の争いを生んでしまうようなことのない遺言書作成をこころがけて下さい。

※遺贈(不動産Aを長男○○に遺贈する)の場合は、民法994条の規定により、代襲相続は認められません。

(2019年3月18日)

相続人廃除と代襲相続

虐待、重大な侮辱、著しい非行などの理由により相続させたくない相続人から相続する権利を奪う手続きのことを「相続人の廃除」といいます。

よほどの理由がない限り簡単には認められませんが、家庭裁判所に認められれば特定の人物を相続人から廃除することができます。

ただし、廃除された相続人に子がいる場合、その子には代襲相続権があるので、代わりに相続してしまいます。

相続人の廃除だけではなく、相続欠格者の子にも代襲相続権はあるので注意が必要です(相続欠格者の例:被相続人や先順位相続人の生命を侵害しようとし刑に処された者、遺言書作成に不当に干渉しようとした者など)。

※相続放棄した者の子には代襲相続権はありません。

※相続欠格は戸籍に記載されませんが、廃除は戸籍に記載されます。

(2019年3月15日)

遺言書と預金残高

遺言書に預金残高まで記載してあるケースがありますが、トラブルになる可能性があるので原則おすすめしておりません。

例えば、遺言書を作成した当時預金残高が100万円あった口座が、相続開始時には300万円に増えていた場合、増加した200万円分には遺言の効力が及ばない結果となる危険性があります(増加分については相続人全員で遺産分割協議をする必要が出てくる可能性があります)。

また遺言書に銀行名・支店名・口座番号などを記載する場合は、文字や数字に間違いがないよう細心の注意が必要です(公証人が必ずチェックしてくれるわけではありません)。

ケースによりますが、詳しく記載するのではなく、「預貯金債権の一切」などという記載にしたほうがよい場合もあります。

また遺産内容によっては「金融資産」「有価証券」などの記載方法では判断が困難というケースもありますので、誤解を生まない記載が非常に大切です。

※銀行の統廃合などにより名称等が変わった場合も遺言書は有効ですが、銀行自体が破綻してしまった場合は、破綻した銀行口座の部分について遺言書が一部無効となりますので、この点にも注意が必要です。

(2019年3月15日)

相続放棄と基礎控除

「3000万円+(相続人の数×600万円)」これを相続税の基礎控除といいまして、この数式にあてはめて計算し、遺産総額が基礎控除額を下回る場合、相続税は発生しません。

その基礎控除の数式にある「相続人の数」ですが、相続放棄した相続人も人数に含めてよいことになっています。

ですので、「相続放棄したら基礎控除額が減ってしまう」という心配は不要です。

※相続税法のルールではそのような扱いになっていますが、民法のルールでは相続放棄をした相続人は「最初から相続人ではなかったもの」として扱われます(少しややこしい話ですので、よくわからない場合は専門家にご相談下さい)。

(2019年3月14)

特別受益の評価額

特別受益(生前贈与のことです)となる財産(金銭や不動産など)の評価は、贈与した時ではなく、「相続開始時」の評価額で計算することになります。

例えば、むかし約100万円の株を相続人に贈与したが、親が亡くなった時点で株の価値が50倍になっていた場合、遺産分割協議では5,000万円の生前贈与があったという計算がなされるということです。

生前贈与が不動産の場合も価値は年々変動しますし、現金の場合も消費者物価指数などをもとに計算すると贈与時と相続開始時では貨幣価値がちがってきます。

何で贈与したのか(現金、不動産、株など)により価値の変動率も異なりますので、そのような事も考えながら生前贈与を行う必要があるといえます(例:土地を贈与したケースと土地を購入するための資金を贈与したケースでは、相続開始時の評価額がちがってきます)。

(2019年3月13日)

遺留分の金銭債権化

今年の7月に相続法が改正されるのですが、「遺留分」のルールも大きくかわります。

相続の実務にたずさわっている者としては、この改正は非常に大きな影響があります。

簡単にいいますと、「遺留分の請求をされてしまった相続人等は、遺留分に相当するお金を支払えば済む」ことになります。

今までは、遺留分の請求をされると、不動産や株式にも影響し、遺産の迅速な処理(遺言の迅速な執行)ができない問題があったのですが、この改正により遺留分の問題がスピーディーに解決できるようになると想定されます。

ただし、遺留分の問題は非常にややこしい事にかわりはありませんので、必ず専門家にご相談されることをおすすめいたします。

(2019年3月13日)

相続放棄の熟慮期間

債務(借金)を相続したくない場合は、「相続放棄」という手続きを家庭裁判所で行うことにより、全ての相続財産を放棄することができます(債務だけでなく、一切の相続財産を放棄することになります)。

この相続放棄の手続きは、原則、相続発生後3か月以内に行わなければならないと規定されています(この3か月の期間のことを「熟慮期間」といいます)。

ただし、あくまでも熟慮期間3か月は原則なので、事情により3か月を過ぎていても相続放棄できる場合もあります。

<熟慮期間を過ぎていても放棄できる場合の例>

  • 相続が起こったことを知らなかった
  • 相続が起こったことは知っていたが、借金があるとは思っていなかった
  • 相続手続きが終了した後で、多額の借金がみつかった   など

相続から3か月経過した後だからと諦めてしまわず、一度法律家に相談されることをおすすめいたします。

※相続財産の調査などに時間がかかるなどの事情がある場合は、熟慮期間を延長してもらう手続きもあります。

(2019年3月12日)

生前贈与(特別受益)

相続の遺産分けの場面では、生前贈与(「特別受益」ともいいます)が原因で揉めることもよくあります。

「生前贈与は遺産の前渡し」というのが法律上の建前ですが、相続争いに発展してしまうと、どのような決着になるかは予想できません(「遺産の前渡しではなく、生前贈与分を遺産の計算に含めなくてもよい」という結果になることもよくあります)。

誰に、いくら、いつ、どのような理由であげたのかを遺言書などにきちんと記載し、誤解をうまないようにしておくことが大切です。

(2019年3月12日)

換価分割

相続財産を売却換金した上で、遺産分けを行う方法を「換価分割(かんかぶんかつ)」といいます。

相続財産に不動産などが含まれる場合、相続人同士で平等に分けるということが非常に難しいのですが、換価分割という方法を取ると、1円単位で遺産を分けられますので、平等にわけるという点に関してはメリットの大きい方法です。

ただし、換価分割を行う場合は、不動産売却により発生する費用(司法書士費用、測量費用、仲介手数料、遺品整理費用、建物解体費用等)や税金(登録免許税、印紙税、譲渡所得税、住民税等)に留意して、遺産分割協議を進める必要があります。

どのような費用負担が発生し、誰がどのような形で負担するのかをきちんときめておかないと、揉める原因になってしまいます。

(2019年3月12日)

戸籍一式が1か所で

日本経済新聞の報じるところによりますと、相続手続(預金口座の解約や不動産の名義変更など)を行う際は、お亡くなりになった方の一生分の戸籍(戸籍謄本のほか、除籍謄本や改製原戸籍)を集める必要があります。

現在は本籍地のある役所に請求する必要があるのですが、2024年を目途に、最寄りの役所1か所で全て請求できるようになるようです。

(2019年3月11日)

相続クイズ(生命保険)

「長男には自宅など遺産のほとんどをあげるかわりに、二男には生命保険金が入るようにしてあるので大丈夫」ということをおっしゃる方がいらっしゃいますが、この方法は非常に危険です。何故だかおわかりになりますでしょうか?

【答え】

生命保険金は「遺産」ではなく「受取人固有の財産」となるので、生命保険金をもらったか、もらわなかったかは、遺産分けとは関係ありません。よって、二男は「生命保険金は遺産ではないから、兄貴の相続した遺産から俺の取り分はしっかりもらうよ」と長男に請求することが出来てしまうのです。

「生命保険金は遺産ではない」ということをご存知ない方は(ご存知ないほうが普通ですが)、前記のような間違った対策をしてしまい、本当に遺産を譲りたかった相続人に、他の相続人よりも少ない財産しか残せないという皮肉な結果になってしまう危険性があります。

この場合は、遺産を相続する長男を生命保険金の受取人に指定しておき、二男から取り分を請求された時に、長男が受け取った生命保険金から支払えるようにしておいてあげるのが正しい方法です。

ちょっとした勘違いや知識不足が原因で、大きな問題になるのが相続の常です。何か気になることがございましたら、気軽にご相談頂ければと存じます。

※生命保険金の受取人は変更することが可能です。※満91歳の方まで加入できる保険会社もあります。

(2019年3月7日)

迫る相続法の改正

今年の7月に相続や遺言に関する法律が変わります(一部施行時期が異なります)。

一例をあげると、婚姻歴二十年以上の夫婦を保護する改正や、残された配偶者の居住する権利を守る改正(来年4月施行予定)、遺言書に関する改正(法務局による保管制度は来年7月施行予定)、遺留分に関する改正、銀行預金の仮払いに関する改正などが予定されています。

今回の改正で、故人の介護などに尽力した親族(例:長男の嫁など)にも遺産の一部を請求できる権利が認められるようになります(「特別寄与料」といいます)。故人の為に尽くした方に報いるという意味では大変意義のある改正だと思いますが、実際に特別寄与料を請求するとなると、その手続きは大変ですし、争いや裁判になるケースも多いと思われます(特別の寄与があったことを証明するのは大変です)。やはり遺言書をきちんと作成しておく重要性は今までと変わらないと云えます。

婚姻歴の長い夫婦、後に残される配偶者、生前に尽力した親族などを保護するルールが新設されますが、そのルールがあれば何もしなくて大丈夫というわけではありません。今まで通り「きちんとした遺言書を残すこと」「事前に家族で話し合っておくこと」は大切です。

(2019年3月6日)

受遺者の住所

遺言書により、相続人ではないのに遺産をもらうことになる人のことを「受遺者」といいます。

遺言公正証書を作成するときは、受遺者の住所を証明するために受遺者の住民票を提出するのですが、できれば受遺者の戸籍謄本も取寄せておくべきです。

遺言書は遺言者が死亡した後で使うものですので、それが何年後のことなるのか、誰にもわかりません。

もし、遺言書を作成した後で、受遺者が住所を変更しており、住所変更から5年以上経過していると、住民票の除票が取寄せられなくなり、受遺者の住所を突き止めることができなくなってしまいます(住民票の除票の保存期間は5年であるため)。

もし受遺者の本籍地まで把握しておけば、戸籍の附票が取寄せられるので、本籍地から現在の住所を突き止めることができます。

本籍地が変わっていた(転籍していた)場合で、転籍から5年経過してしまうと、旧戸籍の附票も取寄せできなくなってしまいますが、住所変更に比べて本籍地を変更する可能性は低いので、より安心であると言えます。

上記の事情を踏まえると、受遺者の本籍地も明らかにしておくべきですが、確実に遺言内容を実現するためには、相続人や遺言執行者が将来受遺者と連絡がとれるよう、遺言作成時に別途対策をとっておくことが一番です。

(2019年2月28日)

無効となる遺言

以下のような遺言は無効となります(※平成31年1月より財産目録部分に関しては一部要件が緩和されました)。

  • 他人が代筆している
  • パソコンで作成されている
  • 音声や動画の遺言
  • 日付の記載がない
  • 署名がない
  • 押印がない
  • 夫婦で1通にまとめて記載してある
  • だまされて書いてしまった
  • 無理やり遺言作成を強要された
  • 訂正の仕方が間違っていた  など

せっかく書いた遺言書が無効になってしまうと、あなたの想いが実現できなくなってしまうかもしれません。できれば遺言書は公正証書でしっかりと作成されることをおすすめいたします。

※2020年にはじまる法務局による自筆証書遺言の保管制度も、裁判所による検認手続きも、遺言の有効性を証明してくれるわけではありません。遺言の有効無効は別途裁判にて争うことになります。

※遺言書の要件を満たさない無効の遺言でも、すぐに捨てずに専門家にご相談下さい(祭祀承継者の指定、特別受益の持戻し免除の意思表示、死因贈与契約として有効など、法的にまだ活用できる可能性がありますし、葬儀や延命治療の希望などエンディングノートのような役割を果たすこともあります)。

(2019年2月27日)

相続人の廃除

相続人から遺産を譲り受ける権利をはく奪することができる「相続人の廃除」という制度があります。

ただし、相続人の廃除は簡単に認められるものではなく、下記に該当する場合のみ認められます(民法第892条)。

  1. 被相続人に対する虐待
  2. 被相続人に対する重大な侮辱
  3. 推定相続人の著しい非行

上記の内容からわかるように、よほどの理由がないと廃除は認められません(一時の感情にかられての行為や、被相続人にも落ち度があるような場合は原則的に廃除は認められません)。

相続人の廃除は、生前に申し立てることもできますし、遺言書に記載しておくことで死後に申し立てることもできます(遺言執行者が申し立てることになります)。

遺言書で相続人の廃除をする場合は、将来実際に手続きする事になる遺言執行者に対して、廃除したい理由や内容がわかる詳細な資料や情報を伝えておくべきです。

※相続人の廃除が認められたとしても、廃除された相続人の子どもが親のかわりに代襲相続できますので、その点も注意が必要です。

(2019年2月27日)

借金と遺産分割

遺産分けの話し合いで、「借金は二男に全て相続させる」という取り決めをしても、債権者には関係ありません(相続人たちの取り決めを守る義務はありません)。相続人だけで都合よく借金の承継者を決められてしまうと債権者が困るからです(例:元々借金のある相続人Aだけに借金を相続させて、そのあとでAが自己破産してしまう等)。

遺言書で借金の相続人を決めた場合も同様で、債権者を縛ることはできません。

借金を確実に相続せず済ませる方法は「相続放棄」しかありません。相続放棄は原則、相続発生後3か月以内に家庭裁判所に対して行う必要があるのでご注意下さい。

※第1順位の相続人が相続放棄をすると、借金は第2順位の相続人が相続することになる点もあわせてご注意下さい。

(2019年2月27日)

遺言書の不動産記載

遺言書に不動産を記載する場合、法務局で取寄せた登記事項証明書のとおりに記載する必要があります。

固定資産評価証明書にも不動産の所在地や地積などが記載されておりますが、固定資産評価証明書と登記事項証明書の内容は必ず一致するわけではありません。

増改築や、測量のし直し、非課税部分の面積除外などによって、固定資産評価証明書と登記事項証明書の内容(特に面積)が食い違っていることが珍しくありません。

遺言書で不動産を特定する場合は、登記事項証明書の内容を反映させておくべきです。

(2019年2月26日)

長岡京市にて講演

2月24日(日)に「エンディングノートと遺言・相続」というテーマで講演いたしました。

専門分野である遺言・相続のほか、終末期(延命治療、苦痛緩和、胃ろう、尊厳死宣言書)の事や永代供養についてもお話させて頂きました。

(2019年2月26日)

他家へ養子にいった兄弟の相続権

他家へ養子にいった兄弟にも遺産を相続する権利は発生します。

幼いときに他家へ養子にいってそれ以来何の付き合いもないという場合でも、法律上兄弟であることにかわりはないため、遺産を相続する権利があります。

遺産を相続する権利があるということは、被相続人(亡くなった方)の預金口座を解約したり、不動産の名義を変えたりする際に、その方(他家へ養子にいった兄弟)の署名や実印ももらわないと何も手続きが出来ないということになります。

上記のような場合は、やはり相続が発生する前に遺言書を作成しておくべきです。そして、兄弟の相続や養子縁組がからむ相続は、相続人を間違えてしまう危険性もありますので、一度は専門家にご相談下さい。

※他家へ養子にいった兄弟が既に死亡している場合も、その方の子どもが代襲相続することになります。

※他家へ養子にいったというのが「普通養子縁組」ではなく、「特別養子縁組」の場合は法律上も兄弟ではなくなるので、相続する権利は発生しません。

(2019年2月25日)

第29回シニアなんでも相談会

次回で第29回目となる「シニアなんでも相談会」が、本日付けの京都新聞朝刊にて紹介されました。

行政書士や遺品整理士、税理士、社会保険労務士などの専門家が、終活に関する相談に対応します。

チャンバラショー、合唱タイム、ドッグセラピーなども同時開催しています。

(2019年2月25日)

死後事務委任契約

最近、子どものおられない方や、子どもはいるが頼れないので自分で全て決めておかなければいけないという方(いわゆる「おひとり様」)からのご相談が増えています。

自分が死んだ後、お金の精算や葬儀・埋葬、遺品整理などを誰に頼めばよいかわからないというお悩みが多いです。

そのような死後の手続き(「死後事務」といいます)を生前に誰に任せるかを決めておく契約のことを「死後事務委任契約」といいます。

元気なうちに死後の手続きを誰に任せるか、何をどのようにしてもらいたいかをよく話し合って書面にまとめ、契約しておくのです。

もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、一度ご相談ください。

(2019年2月21日)

全血兄弟・半血兄弟

子どもがいなくて兄弟姉妹が相続人になる方がお亡くなりになった場合で、両親ともに同じ兄弟と片親だけが同じである兄弟がいる場合、相続できる割合が異なります。

片親だけが同じである兄弟は、両親とも同じである兄弟の相続分の半分しか相続できる権利はありません。

子どもがいない方の相続は、間違った遺産分けをしてしまう危険性が高いので、まずは専門家にご相談されることをおすすめいたします。

※相続人の中に、先に死亡している兄弟姉妹がいる場合はその子(甥・姪)が相続人になります。

(2019年2月21日)

相続と戸籍集め

相続が発生すると、預金口座の解約や不動産の名義変更などの手続きを行うことになりますが、誰が相続人であるかを金融機関などに証明するために戸籍を集める必要があります。

子どものいる方が亡くなった場合は、故人の出生から死亡までの間の全ての戸籍(戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍など)を集めることになります。

子どもがいなくて兄弟姉妹が相続人になる方が亡くなった場合は、故人の出生から死亡までの間の全ての戸籍のほか、故人の両親の出生から死亡までの間の全ての戸籍も集めなければならなくなるので大変です(兄弟姉妹が何人いるかを証明するためには親の一生をたどらないといけないためです)。

※平成29年の5月から「法定相続情報証明制度」というものがスタートしましたので、これを利用すれば上記の必要戸籍は1部のみ集めればよくなりました(詳しくはお問合せ下さい)。

(2019年2月21日)

特定贈与信託

特定贈与信託とは、特定障害者の方の生活の安定と療養の確保をはかる制度です。

この制度を利用すると、受益者が特別障害者(重度の心身障害者)の場合は6,000万円まで、特別障害者以外の特定障害者(中軽度の知的障害者、障害等級2級または3級の精神障害者など)の場合は3,000万円まで非課税で贈与することができます。

両親などの扶養者が死亡した場合でも、特定障がい者の方の生活費や養育費が信託財産から定期的に交付される仕組みとなっています。

こちらの制度を利用するには、信託銀行や信託会社との間で契約を締結する必要があります。

※信託期間は、受益者である特定障害者の方が亡くなるまで(または信託財産がなくなるまで)の間となるので、あらかじめ期間を設定することはできません。

※信託契約の解約、取消しは特別の場合を除いてできません。

※信託財産の運用により生じる収益に対しては、所得税が課税されます。

※受益者である特定障害者の方が亡くなった場合、残余財産は受益者の相続人が相続することになります。

(2019年2月17日)

平均寿命と健康寿命

平均寿命とは「0歳児の平均余命」のことを言いますが、健康寿命とは「日常生活が自分一人で問題なくおくれる期間」のことで、WHOが2000年に提唱しました。

2016年時点での日本人の平均寿命は、男性が約81歳、女性が約87歳となっていますが、健康寿命はといいますと男性約72歳、女性約75歳となっています。

遺言書の作成や相続の準備は元気なうちにしかできません。高齢になればなるほど、専門家などのアドバイスが理解できなくなってしまいます。

「相続の準備をいつかはしないといけない」と考えている方は、上の統計の数字を冷静にとらえ、早めに行動にうつすことが大切です。

(2019年2月17日)

任意後見契約書

「今は元気で判断能力も充分あるけれど、将来認知症などになって自分では何もできなくなったときに備えて、今から将来のことを任せる相手を決めておきたい」という場合に作成する書面が「任意後見契約書」です。

自分ではお金の管理などができなくなった時に、代わりにやってくれる人(任意後見人)を元気なうちに決めておけるというメリットがあります。

任意後見人は、身内の方でも務めることができますが、その場合も任意後見契約書は「公正証書」というきちんとした書類で作成しなければいけません(任意後見契約法という法律で定められています)。

公正証書の作成は、行政書士の取扱い業務です。お困りの方は気軽にご相談下さい。

(2019年2月16日)

遺言書の立会証人

遺言公正証書を作成するときは、立会証人が2名必要となります。

以下の人は立会証人になることが出来ません。

1.未成年の方
2.推定相続人と受遺者、そしてこれらの配偶者や直系血族
3.公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人

上記の2は、将来いずれ遺産を受け取ることになる人なので、利害関係があるということから立会証人になることが禁止されています。

上記以外の方であれば、法律上は立会証人になることができます。

ですので、上記にあてはまらない遺言者の兄弟姉妹や甥姪でも立会証人になることは出来ますが、親族が立会証人になってしまうと、将来のトラブルの火種になったり、相続争いに巻き込まれたりする可能性があるので、状況にもよりますが、できれば避けた方がよいと思われます。

(2019年2月16日)

身元保証人

病院や施設等に入院・入居する際、多くの場合「身元保証人」をたてるようお願いされます。

身寄りのない方はこの身元保証人を立てることができず困るケースがあります。

厚生労働省は「身元保証人がいないことを理由にサービス提供を拒否してはいけない」としており、病院や施設等に対して是正を求めていますが、身元保証人がいないからという理由で入院や入居を断られることは実際にあります。

およそ9割以上の病院や施設が身元保証人をたてることを求めてきますが、身元保証人がいなくても入院・入居を認めてくれる場合もありますので、まずはあきらめずに病院・施設側と話し合うことが大切です。

(2019年2月16日)

休眠預金

10年以上、入出金などの取引がない預金のことを休眠預金といいます。

休眠預金になると、所定の機関に移管され、民間の公益活動に活用されます(休眠預金となった後も、預金を引き出すことは可能です)。

普通預金だけでなく、当座預金、定期預金も休眠預金になる可能性があります。

気になる方は取引のあった金融機関にお問合せ下さい(残高が1万円以上の場合は、金融機関から登録住所宛に通知が届くことになっています)。

(2019年2月15日)

相続登記の義務化

現在、相続登記の義務化、所有権を放棄できる制度の創設、遺産分割協議の期間制限などの盛り込んだ法改正に向けた準備が進められています。

所有者不明土地問題への対策としてこれらの法改正が行われるのですが、相続分野に大きな影響が出るのは確実です。

法改正の内容が明らかになりましたら、改めてお知らせいたします。

(2019年2月14日)

遺言公正証書のご感想

公正証書作成をご依頼いただいたお客様から、弊所へのご感想をいただきました。

(京都市山科区K・K様)「先生のお話を聞き、今がチャンスだと思い、先生なら大丈夫とお願いしました。何回か面会等あると思っていましたので、すべて安心して進めて頂いたので助かりました。」

ご感想ありがとうございました。このようなご感想をいただくと、やはりうれしいです。

(2019年2月13日)

終活セミナーのご感想

先日、京都市右京ふれあい文化会館にて開催した「第165回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」のご感想を受講者様からいただきました。

「相続、税金、お墓、保険、知識を得た」

「自分が今考えている事をくわしくお話ししていただき、参考になりました」

「公正証書についてよく理解できました」 など

ご感想ありがとうございます。今後の参考にさせていただきます。

(2019年2月12日)

京都髙島屋「かいが展」へ

子どもの絵が髙島屋に展示されていたので、みんなで観に行きました。

芋ほりの絵でしたが、芋ほりの楽しさが伝わってきました。

(2019年2月5日)

コンビニで戸籍や住民票

マイナンバーカードがあれば、全国のコンビニで印鑑証明や住民票、戸籍などが取れるようになりました。

ただし、マイナンバーカードの全国普及率は11~12%ほどにとどまっています(京都府は昨年7月時点で11.3%)。

京都市は段階的に窓口(証明書発行コーナー)を閉鎖縮小していく方向のようですが、特に高齢の方などはお困りになられるのではないかと危惧します。

(2019年2月4日)

第28回シニアなんでも相談会

来月、京都市役所前地下街ゼスト御池御幸町広場にて開催する「第28回シニアなんでも相談会」が、本日付けの京都新聞朝刊にて紹介されました。

相続や遺言、相続税、生前整理、成年後見、介護などのご相談に、各分野の専門家が対応いたします。

チャンバラショーや合唱タイム、ドッグセラピーなども同時開催いたします。

(2019年1月31日)

第164回終活セミナー終了

先日開催した「第164回相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」の受講者様からご感想を頂きました。

【京都府向日市K・K様】

公正証書にしておく必要性がよくわかりました。前回、内容がたくさんで理解しきれず、今回も参加させて頂きました。ありがとうございました。

【京都府向日市 匿名希望様】

相続税を考えた上での相続の仕方の違いはさすがプロだなあと思った。

(次回の終活セミナーは、2月9日に京都市右京区で開催予定です。)

(2019年1月31日)

火葬式(直葬)について

子どものおられない方の相続は、手続きが大変になったり、争いになったり、親族に迷惑をかけたりと色々と大変になので、弊所にもご相談に来られる方が多いです。

そして子供のおられない方、身寄りのない方はできるだけ周りに迷惑をかけたくないと考えておられます。

そこで、最近増えてきた「火葬式(直葬(ちょくそう)ともいいます)」を検討される方が増えています。

火葬式は通夜・告別式や参列者への対応などを行わない葬式ですが、火葬場でのお別れの儀式をどうするか、僧侶に読経してもらうのか、戒名をもらうのか、火葬式でも菩提寺は怒らないか、喪主は立てるのか、移動車を手配するのかなど、意外に考える事が多いです。

火葬式を希望する場合も、生前に見積もりを取り内容を決めておくこと、親族や親しい方、菩提寺などの事前連絡しておく事が大事です。

(2019年1月30日)

本の紹介『虜人日記』(小松真一著、ちくま学芸文庫)

フィリピンでの戦争体験や捕虜としての日々、思索などを観察・記録した日記です。

戦争の悲惨さが伝わってくるのはもちろんですが、日本人や日本の軍隊の特質、アメリカ人と日本人の違い、日本人の欠点と優れている点、これからの日本の課題などが、著者の冷静な観察と思索を通して記録されています。

戦争について考えたり、意見を述べたりする前に読んでおくべき本だと思います。

また、この書の中に日本の「敗因21カ条」というものが箇条書きで記されているのですが、この本を読んで興味をもたれた方は、この敗因21カ条を詳細に論じた『日本はなぜ敗れるのか』(山本七平 著:角川新書)もあわせて読まれるとより深く理解できるかと思います(特にバシー海峡について)。

(2019年1月21日)

かかりつけの法律家

弊所は相続や遺言の仕事を専門的に取り扱っているので、人生の大先輩方とお話しをさせて頂く機会が多いのですが、高齢の方は大体「かかりつけのお医者さん」をお持ちです。

弊所は「かかりつけのお医者さん」ならぬ“かかりつけの法律家”を目指しております。

何か困ったことや、分からないことがあれば、「そうだ、とりあえずあの人に聞いてみよう」と思っていただけるような事務所になれるよう日々精進しております。

何かお困り事が生じたり、悩んでおられるお知り合いがいらっしゃったりする際は、気軽にお声がけ頂ければと存じます。今後とも弊所を何卒よろしくお願い申し上げます。

(2019年1月17日)

相続放棄と保険金

Q:亡くなった方が多額の借金を抱えていた場合、相続人としては「相続放棄」という手続きを取ることができますが(相続発生後3か月以内に家庭裁判所に申立て)、相続放棄をした場合、生命保険金も受け取れなくなってしまうのでしょうか?

 

【答え】相続放棄をしても、生命保険金は受け取ることができます。

ご存知ない方が多いのですが、生命保険金は相続財産ではなく、生命保険金受取人の固有の財産とされています。

ですので、相続財産をすべて放棄しても、生命保険金は堂々と受け取ることができます(例えば、借り入れをして事業を行っている経営者が家族のために保険加入される場合など、特に有効です)。

また生命保険金は相続財産ではないので、預金口座のように凍結されることもありませんし、遺産分けでどんなに揉めていても受取人が請求すれば保険会社は迅速に保険金を支払ってくれるという利点もあります。

生命保険は有効に活用すれば、相続対策として大きな効果が見込めますので、よく考えてご加入されることをおすすめします(遺留分対策や相続税対策としても使えます)。

(2019年1月16日)

終活のご相談

今年最初の終活セミナー(1月12日)が第163回目、ゼスト御池で毎月行っている終活相談会が第27回目と、終活に関するイベントを継続してきたこともあり、弊所に寄せられるご相談も「遺言」や「相続」だけでなく、「終活全般」に関するものが増えてきました。

具体例をあげますと、生前整理や遺品整理のご相談、お葬式やお墓(永代供養、納骨堂、樹木葬、散骨等)、後見契約・見守り契約・家族信託、エンディングノート、死後事務(契約の解除などの後始末手続き)…等々となります。

ご相談頂く中で、行政書士としては対応できない内容のお困り事でも、信頼できる他の専門家をご紹介させて頂きますので、相続や遺言、そして終活全般のことをお悩みの方がいらっしゃいましたら、気軽に弊所までご相談ください。

(2019年1月11日)

本年も何卒宜しくお願い致します

2018年(平成30年)もあっという間に過ぎました。

弊所としては、毎月第2土曜日と第4金曜日に開催している「相続・遺言・お墓・エンディングノートのセミナー」と、毎月第1日曜日に京都市役所前地下街ゼスト御池で開催している「シニアなんでも相談会」を継続することで多くの方と出会うことができ、また、出張講演の依頼も多数いただけた嬉しい1年でした。

今年の目標としては、終活セミナーと相談会を継続しながら、内容をより工夫して、さらにわかりやすく役に立つものにしていきたいと考えております(終活セミナーのほうは、おかげさまで今年9月に第180回を迎える予定です)。

また昨年、老人福祉センター様、地域包括支援センター様、各地域の自治体様、高齢者の団体様、女性会様などから講演のお声がけをいただいたように、今年も終活セミナーの出張講演を数多くこなしていきたいと思っております。

今年で開業8年目を迎えることができますのも、ひとえにこれまでにお会いした方々との繋がりのおかげです。今後もひとつひとつの出会いを大切にしていく所存です。

本年は、改正相続法が施行されることもあり、それにともなう新しい相談も増えると思いますが、相談者様のお困り事を解決できるよう精進してまいりますので、何卒弊所をよろしくお願い申し上げます。

(2019年1月9日)

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