財産の記載方法
遺言書に財産を記載する際は、相続人など、遺言書を将来読む人が誤解したり、解釈に困ったりするような書き方にならないよう、細心の注意をする必要があります。
例えば、「金融資産」とだけ書いても、そこに現金が含まれるのかどうか意見の食い違いを生む可能性があります。
また、遺言書の中の「有価証券」という記載に預金が含まれるかどうかで争いになったケースや、「株式」という記載に投資信託も含まれるかどうかでトラブルになった事例などもあります。
遺言書作成当時には存在したが、遺言者死亡時には取り扱いがなくなっていた金融商品が遺産にあり、この商品が遺言の対象外とされてしまったケースなども存在します(金融機関の統合などにより銀行名が変わった場合は遺言の効力に影響はありませんが、銀行自体が破綻して消滅してしまった場合は、遺言の一部が無効になってしまう可能性が高いです)。
財産の中に信託受益権や私道、境界があいまいな土地など、ややこしい財産が含まれる場合は特にトラブルに発展する危険性が高いです。
財産内容をきちんと整理して洗い出し、誰が読んでも誤解を生まないように記載しておくこと、そして将来状況が変わっても対応できる記載を心がけることが、紛争を生まない遺言書作成の第一歩です。