行政書士ブログ2020年

故人の実印や通帳

被相続人(故人)の預金通帳や実印、自宅の権利証が無い場合、家捜しして、それらを見つけ出さなければ相続手続きを進める事ができないのでしょうか?

そんなことはありません。それらが無くても相続手続きは進められます。

被相続人の実印はそもそも手続きに使うことはありませんし、通帳やキャッシュカードも無くて大丈夫です。

家の権利証はあったほうがよいですが、紛失していても相続登記は可能です。

それよりも、自宅を購入したときの「売買契約書」は必ず保管しておいて下さい。これがないと購入価格がわからず、多額の税金が発生するケースがありますので、ご注意ください。

(2020年10月28日)

相続手続きと戸籍

平成29年5月29日からスタートしている「法定相続情報証明制度」をご存知でしょうか?

それまでは、相続手続きに必要な戸籍(被相続人(故人)の一生分の戸籍など)の束を抱えて、被相続人の口座がある各銀行をまわる必要がありました。

銀行では、その戸籍の束を全てコピーし、そのコピーを銀行の相続担当部署に郵送し、戸籍の記載内容を全て確認した上で、ようやく預金の払い戻しに応じてもらえるという段取りになっていました。

上記のような段取りのため、銀行の窓口で長時間待たされたり、預金の払い戻しまでに日数がかかったりしていましたが、法定相続情報証明制度により、手続きの負担が大きく軽減されました。

法定相続情報証明制度を活用すれば、戸籍の束を一回集めれば、法務局が戸籍の束に代わる証明書(認証文付法定相続情報一覧図)を発行してくれるので、各銀行にいちいち戸籍の束を確認してもらう必要がなくなります。

戸籍の束をコピーする時間や、コピーを相続担当部署に送る手間が省かれるため、銀行での待ち時間や預金の払い戻しまでの日数も大きく短縮されます。

法定相続情報証明制度を活用するためには、法定相続情報一覧図や申出書などを作成する必要があります。

相続手続きでお困りの方は、是非ご相談下さい。

※認証文付法定相続情報一覧図は、預金解約手続きのほか、相続税の申告手続き、不動産の名義書換手続、有価証券の名義書換・解約手続などにも使用できます。

※こちらの制度を活用せず、従来の方法で手続きを進めることも可能です。

※相続手続きにおいては、被相続人の一生分の戸籍一式以外にも、相続人の現在戸籍や住民票、場合によっては被相続人の両親の一生分の戸籍等が必要になるケースもあります。

(2020年10月27日)

特別寄与料と内縁の配偶者

民法の改正により「特別寄与料」という制度が新しく設けられました。

特別寄与料とは、「被相続人(故人)に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第891条の規定(相続欠格)に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払を請求することができる。」(民法第1050条)という制度です。

今までも「寄与分」の制度はあったのですが、寄与分は相続人だけにしか認められなかったので、特別の寄与をした「長男の嫁」や「相続権のない兄弟姉妹」などを保護するために特別寄与料の制度が創設されました。

ただし、この新しく創設された特別寄与料も、「内縁の配偶者」には請求する権利はありません。

特別寄与料は、被相続人の「親族」にしか認められていないからです(民法上、親族とは「配偶者」「6親等内の血族」「3親等内の姻族」のことをいいます)。

内縁の配偶者に財産を残したい場合は、遺言書をきちんと残す必要があります。

(2020年10月19日)

内縁夫と死別後の財産分与請求

内縁の夫婦に対しては、できる限り法律婚の夫婦と同じように扱おうという流れになっています。

ですので、内縁関係を不当に破棄したような場合には損害賠償を請求できる可能性がありますし、内縁関係の解消に対する財産分与も可能です。

しかし、内縁関係の相手が死亡した後の財産分与請求はできません。

死後の財産分与請求を認めてしまうと、内縁関係にも遺産相続を認めてしまう事と同じになり、「戸籍上の配偶者でなければ相続権がない」と規定している民法のルールが意味をなさなくなってしまうからです。

※内縁の配偶者に遺産を残したい場合は、遺言書を作成する必要があります。

※遺族年金の受給権、居住建物の賃借権の承継などは内縁関係でも認められます。

(2020年10月18日)

定期必須研修会

先日、京都府行政書士会の定期必須研修会に参加してきました。

京都府行政書士会の会員は、必ず一定の期間ごとに反復して「定期必須研修(倫理研修)」を受講することになっております。

行政書士をめぐる最近の判例や、行政書士会員のトラブルやクレームの具体的事例・近年の傾向、今一度認識するべき専門家としての倫理と日々の研鑽など、意義のある研修でした。

会場の手配や資料の準備、新型コロナウイルスの予防対策、日々の苦情処理の対応など、行政書士会の委員の方々に感謝いたしました。

(2020年10月16日)

遺言執行者の仕事

遺言書に遺言執行者を指定しておくと、将来の相続手続きの際に、相続人全員から署名や実印、印鑑証明を集める必要がなくなります。

2019年7月の民法改正により、遺言執行者は執行手続きを代理人に任せてもよい事になりました。

【民法1016条(遺言執行者の復任権)】

1 遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

2 前項本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。

※民法が改正される前でも、遺言書に「遺言執行者は代理人に仕事を任せてもいいよ」と書いてあれば、代理人に仕事を任せられましたが、それが法律に明記されたことで、遺言書に記載がなくても仕事を第三者に任せられることとなりました。

遺言執行者は「未成年者」および「破産者」でなければ、誰を指定してもOKです(相続人やその他親族、知人、法律家、法人など)

また遺言執行者は二人以上を指定することもできます。

ただし、それぞれの遺言執行者が「単独で執行できる」と遺言書に書いておかなければ、遺言執行者の過半数が協力しなければいけませんので、その辺はよく考えて決めておく必要があります。

(2020年9月28日)

賃料債権の相続

相続財産の中に「賃料収入の発生する不動産」がある場合、その賃料債権はどのような扱いになるかご存知でしょうか?

実は、賃料債権は遺産分割協議の対象とならないので「相続により、当然に各相続人にその相続分に応じて帰属する」という事になります。

わかりやすく言いますと、相続発生時から遺産分割協議がまとまった時(賃料収入のある不動産の取得者が決まる時)の間に発生した賃料は、各相続人の相続分に応じて配分することになるのです(当然ですが、遺産分割協議がまとまった時以降の賃料は、不動産の取得者ひとりのものになります)。

これに対して、現金や預金などの遺産は、遺産分割協議の対象となりますので、遺産分割協議で決まった承継者一人が取得することになります(相続分に応じて各相続人に帰属することはない)。

【平成17年9月8日最高裁判所判例】相続の開始から遺産分割をするまでの間に共同相続した不動産から生じた賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、その帰属は後にした遺産分割の影響を受けるものではない。

(2020年9月16日)

相続クイズ「相続の二重資格」

[問題1]

代襲相続人が養子でもある場合、相続分はどうなる?

※代襲相続人とは:本来相続するはずであった親が先に死亡している場合に、代わりに相続する者のこと。

(答え)代襲相続人としての相続分も、養子としての相続分も、どちらも相続します。

 

[問題2]

被相続人の配偶者でもあり、兄弟姉妹でもある場合、相続分はどうなる?(婿養子と実子が結婚したケース)

(答え)配偶者としての相続分しか認められません。

(2020年9月8日)

婚姻歴20年と遺留分対策

昨年の相続法改正で、相続人への生前贈与は原則直近10年までしか遺留分算定額に含めないものとされました。わかりやすく言うと、10年以上前に相続人にした贈与は、遺留分の対象とならなくなりました(ただし、遺留分を侵害することを知りながら贈与を行った場合はダメです)。

この変更について、「特別受益は10年を過ぎたら持戻し計算されない」と勘違いされている方が多くいらっしゃいます。これは間違いで、特別受益(相続人への生前贈与の事です)は、原則何十年前に行ったものでも持戻し計算の対象になります。

話が難しいので、わかりやすく説明するために誤解をおそれず表現すると「遺言書がある場合は10年以内の贈与しか計算しないが、遺言書がない場合は何十年前の贈与でも計算に含める」というように考えて頂ければよいかと思います。

また婚姻歴20年以上の夫婦の保護が厚くなるような改正もされたのですが、「生前に何もしなくても婚姻歴が20年以上であれば自動的に配偶者の相続分が増える」「事前に自宅を配偶者に贈与しておけば遺留分を減らすことができる」という勘違いをされている方も多いです。

遺留分や生前贈与が相続の時に関係してくると思われる方は、一度ご相談ください。

(2020年8月24日)

遺留分請求があっても遺言執行者は預金の払戻しができるとした判決

<令和元年11月15日東京地裁判決>

(原告の主張:遺言執行者)相続人から遺留分の請求があったとしても、遺言執行者の権限は影響を受けないので、銀行は預金の払戻しに応じるべき。

(被告の主張:銀行)遺留分の請求がされている場合、遺留分の請求をした相続人にも預金債権について持分が発生し(準共有状態となり)、その部分については遺言執行の余地がなく、遺言執行権限が及ばない。よって、払戻しには応じられない。

【裁判所の判断】預金全額について遺言執行者の払戻し権限を認める。銀行は払戻請求に応じろ。

遺言執行者は共有状態にある相続財産に対して遺言執行権限を元来有している。遺留分の請求があったからといって、遺言書に記載してある遺言執行者の預金解約・受領権限は何ら影響を受けるものではなく、遺言執行者は単独で預金債権の全額の払戻しを請求できる。

※遺言内容は、金融資産を売却換金した上で、必要費用を差し引き、その残金を二男と四男で2分の1ずつ分配するというものだった(三男から遺留分請求があった)。

※遺言書で、遺言執行者には二男が指定されていた。

※銀行側は、遺留分請求の事実を知って、払戻しに応じなかった。

※改正相続法施行日(令和元年7月1日)以前に相続が発生した事案

(2020年8月9日)

遺言と異なる遺産分割

遺言書の指定どおりに遺産を分けると相続人が困ってしまう場合があります(例:相続税が多額になってしまう等)。

そのような場合に、遺言書と異なる遺産分割をすることは可能ですが、注意するポイントがいくつかあります。

(1)被相続人が遺産の分割を禁止していない事

遺言書で遺産分割が禁止されている場合は、遺産分割を行うことはできません。

※遺言で最高5年、遺産分割を禁止することができます。

(2)相続人全員が、遺言と異なる分割を行うことに同意している事

遺言と異なる遺産分割を行うことに反対の相続人がいる場合、遺言どおりに遺産をわけないといけません。

(3)受遺者も遺言と異なる分割に同意している事

受遺者に遺贈を受ける権利を放棄してもらう必要があります。

※遺贈が包括遺贈の場合は、包括遺贈の放棄の申述を家庭裁判所に対し行う必要があります(相続開始を知った時から3か月以内)。

※特定受遺者が遺言とは異なる不動産を受け取る協議を行う場合、多額の税金が発生するかもしれません。税理士へご相談下さい。

(4)遺言執行者も同意している事

相続人は遺言執行者の執行手続きを妨げることができません。ですので、遺言執行者の同意も取り付ける必要があります。

※遺産分割協議書に、遺言とは異なる協議である旨を記載し、遺言執行者にも署名押印をもらっておくべきです。

(5)遺言書の内容によって、相続登記の手続きが異なる

<相続分の指定の場合>

「遺産を、妻に2分の1、長男に4分の1、二男に4分の1」という指定方法を「相続分の指定」といいます。遺言書の内容がこの指定方法であれば、遺言と異なる遺産分割を行っても、特に登記手続きが複雑になることはありません。

<遺産分割方法の指定の場合>

「甲不動産は長男に相続させる」という指定方法を「遺産分割方法の指定」といいます。遺言では甲不動産を長男が相続することになっているのに、これを二男が相続するよう変更するために遺産分割協議を行う場合は、相続登記の手続きが複雑になります。具体的には、一旦、長男が「相続」を原因として甲不動産を相続した上で、長男から二男へ「贈与」または「交換」を原因とする所有権移転登記を行う必要があります。

※登録免許税を2回分おさめなければいけません。

※長男→二男への贈与・交換だとみなして贈与税が課されるという事はありません。

上記のように、要件をみたせば遺言書とは異なった遺産分割を行うことは可能ですが、あとで思ってもみないトラブルが発生したり、多額の税金が発生したりする危険性もありますので、一度ご相談下さい。

(2020年8月8日)

相続権の生前放棄

[問題]

相続する権利を生前に放棄してもらうことはできるでしょうか?

(答え)

できません。

相続権は相続が発生した後でしか、放棄することができません。

※遺留分には生前放棄の仕組みがありますが、実際に相続人に遺留分を放棄してもらうは困難です。

※特定の相続人に財産を残したい場合は、遺言書の作成、生命保険契約の活用、生前贈与の活用などの準備が効果的です。

相続でお悩みの方は、一度ご相談下さい。

(2020年8月5日)

生命保険金と相続税

[問題]

「相続人の数×500万円」までの生命保険金には相続税がかからないと聞きました。私の相続人は2人なので1000万円までの保険金には税金がかからないと考えてよいでしょうか?

(答え)

保険の契約内容を見てみないと何ともいえません。

保険の契約には「契約者」「被保険者」「受取人」の3名が必ず登場します。

そして、これらが誰になっているのかによって課税される税金の種類が変わってしまいます。

契約者が夫であったために「所得税」を課税されてしまったり、受取人を子どもにしたばっかりに「贈与税」が課税されてしまったりするケースなどがあります。

まずは保険証券を確認し、現在の状態だと何の税金がどれくらいかかるのかを把握し、今からでも出来る対策があるのか、あるとすればどうすれば良いのかを知る事が大切です。

相続や終活でお困りの方は一度ご相談下さい。

(2020年8月5日)

本の紹介『戦中派不戦日記』

『戦中派不戦日記』(山田風太郎、講談社文庫)

山田風太郎が医学生だった頃の日記です。敗戦時の市井の人々の様子がよくわかります。

その日に読んだ本も日記に書いてあるのですが、読書の量とジャンルの幅広さに驚きます。

この作家の本では他に『人間臨終図鑑』(徳間文庫版は全4巻、角川文庫版は全3巻)も様々な人間の臨終の様子だけを語るという面白い切り口でおすすめです。

(2020年8月5日)

法定相続情報一覧図

金融機関で相続手続きを行う際に「法定相続情報一覧図」を事前に用意すれば手続きが大変ラクになります。

戸籍関係書類(亡くなった方の一生分の戸籍や相続人の戸籍等)を提出し、金融機関に確認してもらう必要がないので、手続きにかかる時間や手間が大幅に軽減できます。

この法定相続情報一覧図は不動産の名義変更や相続税の申告にも使えますので、是非覚えておいてください。

(2020年8月5日)

本の紹介『現代語訳史記』(大木康、ちくま新書)

司馬遼太郎のペンネームの元になった司馬遷(司馬遼太郎という名前は「司馬遷には遼に及ばない」という意味らしいです)が2000年以上前に著した歴史書「史記」の入門書です。

この新書は、史記の膨大な記述(漢文で52万6千5百字!)の中から、立身出世のいとぐち、青春の一コマという基準で選んだ話がピックアップされています。

こんな電話も自動車も紙もない時代(紙が発明される前は、文字は竹簡や木簡にかかれていたので、今の文庫本ぐらいの文章でも抱えきれないぐらいの分量になったそうです)に、これだけの人間ドラマがあり、多くの魅力的な人物たちが存在していたんだなあと感心しました(電話や自動車など、便利になったからこそドラマや魅力的な人物が減ったように感じるのかもしれませんが・・・)。

こちらの本を読んで興味をもたれた方は、ちくま学芸文庫から『史記 全8巻』が出版されていますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

(2020年8月4日)

子がいない方のご相談

子どものおられない方からの相談が増えています。

「将来のことが心配」

「残される配偶者に迷惑をかけたくない」

「甥姪にも相続権が発生するとは知らなかった」

「夫とは再婚で、前妻との間に子どもがいる」

「兄弟姉妹には遺産をゆずるつもりはない」

「負担をかける姪っ子に遺産をあげたい」

など、子がいない方特有の問題点や、子がいないゆえに起こるトラブルの存在を知ったり、実際に体験したりする方が増えているので、それに伴って相談件数も増えているのだと思います。

子どものいない方の相続は、遺言書がなければ、兄弟姉妹全員の署名、実印、印鑑証明を何回ももらわないといけなかったり、故人の一生分の戸籍だけではなく、故人の両親の一生分の戸籍も必要になったりと、子どものいる方の相続よりも何倍も大変になります。

自分のためではなく、あとに残る配偶者や親族のために遺言書を残していただきたいと思います。

(2020年8月4日)

本の紹介『告白』(中公文庫、町田康)

第41回谷崎潤一郎賞受賞作品です。

有名な河内十人斬り事件を題材にとった小説です。

かなりの分量ですが、一気に読んでしまいます。

文体がかなり特長的なので、肌に合わない方もいらっしゃると思います(芥川賞の選考時にも著者の独特な文章にかなりの拒否反応を示していた選考委員がいました)。

個人的には、夏目漱石の『こころ』や『それから』などに並ぶ作品だと思います。

(2020年8月4日)

特別寄与料

[問題]

亡くなった義父母介護をした長男の嫁も遺産を相続できるのでしょうか?

(答え)

故人に特別の寄与をした親族が、相続人に対して「特別寄与料」を請求できる制度はできましたが、請求された相続人たちと揉めてしまう可能性が高いです。

それよりも義父母が元気なうちに遺言書を残してもらう方法をおすすめします。

(2020年8月4日)

遺留分をなくす

[問題]

遺産を残したくない相続人の遺留分をゼロにする方法はあるでしょうか?

(答え)

相続人が遺留分を放棄してくれればゼロになりますが、現実問題として難しいです。

遺留分を低く抑える方法は、生命保険、生前贈与、養子縁組など、いくつかあります(ご相談下さい)。

※推定相続人の廃除という制度もありますが、認められるにはハードルが高いです(ご相談下さい)。

(2020年8月4日)

配偶者の連れ子

[問題]

配偶者の連れ子(結婚相手の子)にも遺産を相続する権利はあるでしょうか?

(答え)

婚姻届とは別に養子縁組届を出していなければ、連れ子に相続する権利はありません。

ちなみに養子縁組(特別養子縁組を除く)をすれば、養子は養親の財産および実親の財産のどちらも相続できます。

(2020年8月3日)

子のいない夫婦

[問題]

子どもがいない夫婦の夫が死亡した場合、妻が全ての遺産を相続できるでしょうか?

(答え)

夫の「両親、祖父母、兄弟姉妹、甥姪」のうち誰か一人でもいると、妻はその者と共同で相続することになります(遺産を独占できません)。

また、遺産の名義変更や解約等も妻だけでは行えません(共同相続人全員の署名・実印・印鑑証明が必要になります)。

そのような事態にならないように、必ず遺言書を(できれば公正証書で)準備しておきましょう。

(2020年8月3日)

婚姻歴20年以上の夫婦

[問題]

婚姻歴が20年以上であれば何もしなくても自動的に配偶者の相続分が増える?

(答え)

増えません。

遺言書を作成しておく、または、生前に自宅を配偶者に贈与しておく等の準備をあらかじめ行う必要があります。

(2020年8月3日)

遺言書の書き直し

[問題]

財産を譲りたい相手が先に死亡してしまった場合、作成済みの遺言書はどうなるでしょうか?

(答え)

遺言書を作り直す必要があります。

最初の遺言書作成時に「相手が先に死亡した場合はどうするか」という所まで記載しておけば、作り直す必要はなく、安心です。

(2020年8月3日)

遺産分割協議のやり直し

[問題]

母親の面倒をみる約束で遺産を多めに相続した長男が約束を守らない場合、遺産分割協議を取消すことはできるでしょうか?

(答え)

原則できません。

だから遺産分割協議は余程慎重に行わないといけません。

ちなみに遺言書がある場合は、約束が守られていないという理由で遺言を取り消すことが可能です。

(2020年8月3日)

本の紹介『砂の女』(安部公房、新潮文庫)

カフカの影響を受けた著者らしい不条理な作品です。

明るく健康的な作品を好む方にはおすすめ出来ませんが、何ともいえない、異世界を垣間見たような気分にさせてくれる作品です。

「世にも奇妙な物語」が好きな方は楽しめると思います。

(2020年7月31日)

相続クイズ「養子の名字」

[問題]

養子縁組をすると養子の名字は必ず変わるでしょうか?

(答え)

変わらない場合もあります。

原則は養子の名字は養親の名字に変わるのですが、結婚して夫の名字になっている女性が養子になる場合には、名字は変更しません。

(2020年7月31日)

映画紹介『海がきこえる』

氷室冴子の小説が原作になっているアニメ作品で、個人的にはジブリ作品の中で一番好きです。

高知県に住んだこともありませんし、作品で描かれるような経験をしたことも一切ないのですが、とても懐かしい気持ちになれる作品です。

(2020年7月30日)

相続クイズ「お墓の移転」

[問題]

お墓を移転する場合、役所での手続きは必要でしょうか?

(答え)

墓石を移転するだけであれば、役所での手続きは不要ですが、お骨を別の場所に移すには「改葬許可申請」という手続を行う必要があります。

弊所にも、京都のお墓から他府県のお墓へお骨を移される方から、改葬許可申請代行のご依頼があります。

現在お墓のある場所が京都や滋賀で、遺骨を新しいお墓に移される場合は、弊所にご相談下さい。

改葬許可申請書の作成、現在お墓のある墓地の管理者の記名押印、改葬許可証の受領など、弊所で代行させて頂きます。

※遺骨の引取りや墓石店の紹介など、上記以外のこともできる限り対応いたしますので、気軽にご相談下さい。

(2020年7月30日)

映画紹介『愛を読むひと』

世界的なベストセラーとなった『朗読者』が原作の作品です。

映画だけでも楽しめるのですが、原作を読まないと主人公の女性が抱える深い悩み(秘密)を本当に理解することは難しいのではないかと思います。

内容は知らないまま見て頂きたいので、詳しくは書きませんが、評論家の西部邁さんの本作品に対する見解が、大変的を射ているのではないかと思いました。

(某動画サイトで「愛を読むひと」と検索すると西部さんの見解が聞けますので、作品を鑑賞した方は一度その見解を聞いてみて下さい)。

(2020年7月29日)

相続ミニクイズ

[問題]
葬儀費用は誰が支払うことになっているのでしょうか?

 

(答え)
法律上の決まりはありません。
一般的には喪主が負担することが多いですし、過去の裁判で「喪主が支払え」という判決が出たこともあります。

ただし、各相続人で負担し合っても問題はありませんので、やはり揉めないようにしておいてあげることが一番良いでしょう。

遺言書で、葬儀費用等の死後事務費用の負担をどうするかをきちんと決めておいてあげれば、揉めるような事態はふせげるのではないでしょうか。

(2020年7月29日)

本の紹介『若い読者のための短編小説案内』

『若い読者のための短編小説案内』(村上春樹、文春文庫)

村上春樹が日本の短編小説を紹介してくれる本です。

紹介される作品は、吉行淳之介、庄野潤三、小島信夫、安岡章太郎など、「第三の新人」と俗によばれる世代の作家たちの短編小説が中心です(他に、丸谷才一や長谷川四郎の作品も紹介されています)。

村上春樹といえば、欧米の作家(特にアメリカ)の作品から強い影響を受けた(英語の翻訳から自分の文章を作りあげた)というイメージがあるので、日本文学を取り上げる事自体がめずらしい感じがしますが、さすがプロの小説家だな、と感心する読みの深さだと思います。

日本文学でもあまり読者数が多くない(?)作家たちの作品紹介ですが、この本を読むと「一度是非読んでみたい」と思わせてくれます。

(2020年7月28日)

相続ミニクイズ

[問題]

法律上の相続人は子どもだけだが、世話になった兄弟にも遺産の一部を遺贈するという遺言を作った。

しかし、その兄弟のほうが先に亡くなってしまった場合、遺産の行方はどうなるでしょうか?

(答え)

兄弟に遺贈する予定だった財産は、兄弟の子(甥姪)には渡りません。

法律上の相続人が相続することになります。

もし上記のケースで、兄弟が先に亡くなった場合、代わりにその兄弟の子(甥姪)にゆずりたいのであれば、そのように遺言書に書いておかなければなりません。

(2020年7月28日)

本の紹介『ふたり』

『ふたり』[唐沢寿明、幻冬舎文庫]

俳優唐沢寿明の自伝的エッセイです。

奥さんの山口智子の話も少し出てきますが、大部分は唐沢寿明の俳優としての歩みや想いが書かれています。

タイトルの意味は俳優の唐沢寿明と役者ではない唐澤潔(唐沢寿明の本名)のふたりについて語ったという事のようです。

下積みの時代があり、世間のイメージと本来の自分とのギャップに悩んでいた事、家族との軋轢など興味深く読めました。

私が行政書士になる前に勤めていた会社の近くにあったセブンイレブンに、売れる前の唐沢寿明がアルバイトとして働いていたそうで、ベテランのパートさんに聞くと「そうなのよ!あんなに偉くなっちゃったけど、私にとっては今でもあの頃の“唐澤くん”よ~。」とおっしゃっていました。

(2020年7月28日)

相続ミニクイズ

(問題)

公正証書遺言を作成した後に、手書きの遺言が残されていた場合、どちらが有効?

(答え)

法律上は、公正証書であろうが、手書きであろうが、日付の新しい方が有効とされています。

ただし、 前の遺言書は公正証書でしっかりと作られているのに、後に作られた遺言書は手書きであるというような場合、トラブルに発展する可能性が非常に高いです。

公正証書の遺言を撤回したり、書き直したりする場合は、必ず公正証書で行って下さい。

(2020年7月28日)

本の紹介『晩年の父』

『晩年の父』[小堀杏奴、岩波文庫]

森鴎外(鴎の字は「メ」→「品」)の二女が、父鴎外のことを書いています。

子どもからは「パッパ」と呼ばれ、子ども達のことは「まりまり」や「アンヌコ、ヌコヌコ」などと呼ぶ鴎外の姿が描かれています。

※子ども達の名前が、今で言うキラキラネームです。

文豪鴎外のイメージが変わる一冊です。

(2020年7月28日)

相続ミニクイズ

[問題]

死亡した夫の遺産を全て妻に残すために、子どもが相続放棄をすることは正しい方法でしょうか。

(答え)

間違いです。

子どもが相続放棄をしてしまうと、子どもの相続権が、故人の両親や兄弟姉妹などにうつってしまいます。

すべての相続財産を妻に相続させたいのであれば、相続放棄をするのではなく、すべての遺産を妻が相続するという内容の遺産分割協議書を作成する方法をとるべきです。

(2020年7月28日)

自筆証書遺言の保管制度

2020年7月10日に、自筆証書遺言(手書きの遺言書)を法務局が保管してくれる制度が施行されました(この制度を使うかどうかは自由です。自宅での保管が禁止されるわけではありません)。

【保管申請の流れ】

・保管申請する遺言書を自分で作成する

※法務局が作成指導や内容の審査をしてくれるわけではありません。

※相続人調査や遺産額の調査などは、一切行われません。

・遺言書の原本を預ける。

※手書きする(財産目録はパソコン打ちやコピーでもOK)。

※A4の用紙を使う[コピー用紙でOK]。

※片面のみに記載する。

※縦書き、横書き、どちらでもOK。

※ページ番号を記載する。

※交付される証明書は白黒ですので、カラーは反映されません。

※用紙には一定の余白を設ける。

※複数枚でもホチキス止めはしない。

※封筒に入れない。封をしない(申請時に遺言書の形式を確認するため)。

※法務局が遺言書の書き方を指導してくれるわけではありません。

【保管してくれる場所】

遺言書の保管は、特定の法務局(遺言書保管所)が行います。

次の3つの中から保管する法務局を任意に選べます。

1.遺言者の住所地を管轄する法務局

2.遺言者の本籍地を管轄する法務局

3.遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局

※すべての法務局で保管を受付けているわけではありません。京都府および滋賀県では以下の法務局に限られます。

(京都府)本庁、福知山支局、舞鶴支局、宇治支局、宮津支局、京丹後支局、園部支局

(滋賀県)本庁、彦根支局、長浜支局、甲賀支局

全国の保管所一覧→http://www.moj.go.jp/content/001319026.pdf

※複数の遺言書を異なる法務局に別々に保管することはできません。既に遺言書を法務局に預けている場合は、その法務局においてのみ、再度の申請が可能です。

【保管申請書】

「保管申請書」を提出する必要があります。申請書は法務省のホームページよりダウンロードできます(遺言書保管所の窓口にも申請用紙はあります)。

(申請書記載事項)

1.遺言書作成の年月日

2.遺言者の氏名、生年月日、住所、本籍

3.遺言書に記載のある「受遺者」「遺言執行者」の氏名・住所

(窓口に持参するもの)

1.自筆証書遺言

2.保管申請書

3.住民票(3か月以内に取得した本籍の記載のあるもの)

4.本人確認書類(免許証、マイナンバーカード、パスポート、保険証など)

5.手数料

※戸籍謄本、通帳の写し、登記事項証明書などは不要です。

【申請の予約】

保管の申請をするときは、管轄法務局に予約をする必要があります。

予約の方法は以下のとおりです。

1.専用ホームページでの予約(24時間365日OK)

2.電話での予約

3.法務局の窓口での予約

(予約の注意事項)

1.予約は本人が行う。

2.予約を可能期間は当日から30日先まで。

3.予約日の前々業務日の午前中まで予約が可能。

4.当日の予約は不可。

【本人が出頭する】

本人が自ら法務局に出頭する必要があります。行政書士や司法書士などの代理人が本人に代わって出頭を行うことはできません。

※病院や施設から出られない方は、公正証書での遺言作成をご検討下さい。

【本人確認】

法務局では、保管の申請人が本人であるかどうかの確認をします。申請が、本人以外の者による場合、申請は却下されます。窓口の本人確認は、写真付きの身分証を提示して行います(例:マイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、在留カードなど)。

【手数料】

手数料は収入印紙で納付します。「手数料納付用紙」に収入印紙を貼り、申請書と一緒に提出します。保管申請の手数料は遺言書1通あたり3900円です(閲覧請求や証明書の交付請求などは手数料が異なります)。

【保管証の受領】

手続完了後に「保管証」が交付されます。保管証には、遺言者の氏名・生年月日・遺言書保管所の名称・保管番号が記載されています(保管証を郵送で受け取ることも可能)。

※保管証は、紛失しても再発行は不可。

【遺言書保管ファイル】

遺言書の情報は「遺言書保管ファイル」という名称で、画像データ化され、法務局のコンピューターシステムで管理されます。保管の期間は、本人の死後50~150年となります。

※遺言者が死亡しても、遺言書の原本は返却されません。

【検認は不要】

公正証書遺言書と同じく、保管所で保管されている自筆遺言については検認手続き(家庭裁判所における手続き)が不要となります(偽造などのおそれがないため)。

※検認手続きを行う際は、家庭裁判所から相続人全員に通知がなされます。

※検認手続きは負担ですし、検認手続きがきっかけで揉めるようなケースもあります。

※検認手続きの完了までには1か月ほど時間がかかります。

【遺言内容の変更、撤回】

以下が変更の方法となります。

1.保管の申請の撤回をする(遺言書を返してもらい、内容を変更し、再度申請をする)

2.撤回をせずに、新たな遺言書の保管申請をする

※保管の撤回はいつでもすることができます(予約、本人の出頭、撤回書の提出が必要)。

※遺言書内容に変更が生じている場合には、撤回書の他に添付書類が必要となります。

※保管を撤回したからといって遺言書が無効になるわけではありません。

※保管の撤回に関しては手数料は発生しません。

※撤回すると遺言書の原本が返却されます(撤回は保管を申請した法務局のみ可)。

※遺言者の住所・氏名・本籍に変更が生じたときも、変更の届出をする必要があります(この変更の届出は、実際に遺言書を保管している法務局だけではなく、どの法務局でも行うことが可能[郵送でも可])。受遺者や遺言執行者の住所・氏名・名称に変更があった場合も同様に届け出をする必要があります(手数料不要)。

【保管の期限】

遺言書の原本が本人の死後50年間保管され、データ情報は死後150年間保管されます。

※本人の生死がわからない場合は、本人が120歳になるまで保管されます。

【遺言書の閲覧請求】

遺言者はいつでも閲覧の請求ができます(本人が出頭する。代理人不可)。

手数料は1回につき1700円。

※相続開始前に、本人以外(相続人や受遺者など)が閲覧請求することはできません。

※遺言者の死後に相続人や受遺者が閲覧請求をする場合は添付書類が必要となります(法定相続情報一覧図、相続人全員の戸籍謄本および住民票、請求人の住民票など)。

※ほかの法務局でも閲覧する事は可能です(モニターによる閲覧[手数料1回1400円])。

※閲覧請求があった場合、法務局から関係人へ、閲覧請求があった旨の通知がなされます。

【遺言書情報証明書の請求】

相続人や受遺者、遺言執行者などの関係人は、相続開始後に「遺言書情報証明書」を請求することができます(手数料は1通1400円)。

遺言書情報証明書には「遺言書の画像情報」「遺言書に記載されている作成年月日」「遺言者の氏名、生年月日、住所および本籍」「受遺者の氏名・住所(遺言書に記載ある場合のみ)」「遺言執行者の氏名・住所(遺言書に記載ある場合のみ)」「遺言書の保管を開始した年月日」「遺言書が保管されている法務局および保管番号」が記載されます。

遺言書の原本は返却されませんので、この遺言書情報証明書を使って相続手続き(預金口座の解約、不動産の名義変更など)を行うことになります。

※遺言書情報証明書の請求は、どの法務局に対しても行うことができます。

※原則、請求時に身分関係を証明する書類が必要となります(法定相続情報一覧図、相続人全員の戸籍謄本および住民票、請求人の住民票など)。保管通知を法務局から受けた者が請求する場合は添付書類は不要です。

※遺言書情報証明書の請求がされると、法務局から関係人へ、請求があった旨の通知がなされます。

【遺言書保管事実証明書】

「遺言書保管事実証明書」は、故人の自筆証書遺言が保管されているかどうかだけを確認できる書類であり、相続開始後であれば、誰でも請求することができます(遺言書の内容は確認できません)。手数料は1通800円。

遺言書保管事実証明書には「関係遺言書の保管の有無」「遺言書の作成年月日(関係遺言書が保管されている場合)」「遺言書が保管されている法務局および保管番号(関係遺言書が保管されている場合)」「請求人の資格、氏名又は名称及び住所」「遺言者の氏名及び生年月日」が記載されています。

※「誰でも請求できる」となっていますが、関係人以外の者(遺言書に何も関係がない者)が請求した場合、保管の有無を知ることはできません(この場合は、「請求者に関係のある遺言書は保管されていない」という証明書が発行されるだけです)。

※請求には添付書類が必要となります(遺言者の死亡が確認できる戸籍、相続人であることを確認できる戸籍、請求人の住民票など)。

※遺言書保管事実証明書では、相続手続き(預金口座の解約や不動産の名義変更など)を行うことはできません。

※遺言書保管事実証明書は、どの法務局に対しても請求する事ができます(郵送請求も可)。

※遺言書保管事実証明書の請求があっても、法務局から関係人に対し、通知がなされることはありません。

【法務局からの通知】

(遺言書の閲覧請求があった場合)

関係相続人等から法務局に遺言書の閲覧請求があった場合、法務局は相続人、受遺者、遺言執行者などに対して、自筆証書遺言が保管されている旨の通知(関係遺言書保管通知)をします。

※誰かが閲覧請求をしなければ、遺言者が死亡したとしても、通知がされることはありません。

(遺言書情報証明書が発行された場合)

関係相続人等から法務局に、遺言書情報証明書の請求があり、それを発行した場合、法務局は相続人、受遺者、遺言執行者などに対して、自筆証書遺言が保管されている旨の通知(関係遺言書保管通知)をします。

(死亡時の通知)

遺言者が死亡した場合に、あらかじめ指定しておいた関係人に法務局から死亡の通知がされるという制度が令和3年度から運用開始の予定です。

保管申請時に、死亡時の通知の申出をすることで利用できます。

この申出をすると、遺言者の個人情報(遺言者の氏名・生年月日・本籍)が法務局から戸籍担当部署に提供されます。その後、遺言者の死亡届が役所に提出されると、戸籍担当部署から法務局あてに死亡の情報が提供されるという仕組みです。

誰に通知されるかですが、相続人、受遺者、遺言執行者などのうちから1名だけを指定することができます。

※死亡通知の制度を利用するかどうかは任意です。

※通知を受け取る人物はよく考えて指定しておかないとトラブルになる可能性もあります(例:保管申請時に、死亡通知の受取人を配偶者にしたが、のちに離婚してしまうと前妻に死亡の通知がされてしまう等)

【まとめ】

自筆証書遺言を保管してくれる制度を活用することにより、偽造や変造の危険は避けることができます。ただし、保管制度は単に預かるだけの制度ですので(遺言書の内容に関して指導・アドバイスをもらえるわけではありません。最低限の要件[署名、押印、日付など]をチェックするだけ)、公正証書遺言に比べると、紛争・トラブルや相続手続きへの備えという点では劣ります(公正証書遺言の場合は、公証人が必ず意思確認等を行い、2名以上の証人が立会います)。保管制度を利用しようとお考えの方は、一度、専門家へご相談されることをおすすめいたします。

(2020年7月20日)

遺言書作成の証人

公正証書で遺言書を作成するときは、証人(立会人)が2名以上必要となります。

この証人ですが、誰でもなれるわけではなく、下記にあてはまる方は証人になることができません。

  1. 未成年者
  2. 推定相続人および受遺者ならびにこれらの配偶者および直系血族
  3. 公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および使用人

※「推定相続人」とは、今すぐに相続が発生した場合に、相続人となる予定の人のことです。

※証人は遺言書の内容をすべて知ることになります。行政書士や司法書士などの士業には守秘義務がありますので、これらの専門家に依頼される方が多いです。

※死亡危急時遺言(死に瀕している場合の遺言)は、証人3名以上の立ち会いが必要となります。

※推定相続人以外の親族(例:子がいる場合の兄弟姉妹や甥姪、従兄弟など)は、上記にあてはまらないので証人になることが可能ですが、万が一将来揉めた場合に、親族間のゴタゴタに確実に巻き込まれますので、できれば避けたほうがよいと考えます(証人の氏名や住所は公正証書遺言に記載されます)。

(2020年7月11日)

受遺者が先に死んだら

遺言書の中で「下記の土地はA男に遺贈する」と書いたのに、A男が先に死んでしまった場合、土地はA男の子どもが代わりに引き継げるでしょうか?

引き継ぐことはできません。A男が、遺言書を書いた本人よりも先に死んでしまった場合は、遺言書の上記の部分は無効となります(土地は遺言者の相続人が相続することになります)。

A男が先に死んだ場合にはA男の子どもに代わりに土地をあげたいと思っている場合は、そこまで遺言書に記載しておかなければいけません(「下記の土地はA男に遺贈する。ただし、A男が私よりも先に死亡または同時に死亡した時は、同人に遺贈するとした財産を、同人の子である○○に遺贈する」)。

遺言書は先のことまで考えて書いておかないと、状況が変わるたびに、いちいち遺言書を最初から作り直さなくてはならなくなり、余計な手間と費用がかかってしまいます。

遺言書を残そうとお考えの際は、一度専門家にご相談下さい。

(2020年7月10日)

死別と離婚

死別と離婚は似ていますが、法律的な効果は異なります。

離婚した場合、配偶者の親族との姻戚関係は無くなります。

一方、配偶者と死別した場合は、亡くなった配偶者の親族との姻戚関係は続きます。

※「姻族関係終了届」という書類が役所にいけばもらえます。配偶者と死別した後に、この書類を提出すれば、配偶者の親族(舅や姑など)との関係を法的に断ち切ることができます。姻族関係終了届には提出期限がありません。

※配偶者と死別した後、長年義父母のお世話を一生懸命された方でも、義父母の遺産を相続することはできません。義父母が元気なうちに、公正証書で遺言書を作ってもらう等の準備が必要です。

(2020年7月4日)

建物賃借権の相続と内縁の妻

建物を借りていた方が亡くなった後、残された同居人(内縁の妻、事実上の養子など)は、法律上の相続人ではないために、住んでいる建物を明け渡さないといけないのでしょうか?

(1)故人に相続人がいる場合

故人に法律上の相続人がいる場合、同居していた内縁の妻等は、相続人の権利を援用することができるとされています。ですので、今までどおりに住み続けることができます。

※法的には相続人に家賃の支払い義務がありますが、実際に住んでいる者が支払う形で問題ありません。

※相続人が、内縁の妻等に対して建物の明け渡しを無理やり要求してきた場合も、住み続ける事が可能です。

(2)故人に相続人がいない場合

借地借家法の定めにより、内縁の妻等は今までどおりに住み続けることができます。

【借地借家法36条第1項本文(要約)】建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。

(結論)同居していた内縁の配偶者や事実上の養子などは、今までどおり住み続けることができます。

※内縁の配偶者は遺族年金を受け取ることもできますので、諦めずに手続きを行いましょう。

(2020年6月24日)

「遺産は早い者勝ち」のルールが徹底されました

相続法が大きく改正されました。

「遺留分制度の変更」「配偶者居住権の新設」「自筆証書遺言の保管制度」「婚姻歴20年以上の夫婦への保護」「相続人以外の親族の特別寄与料」などは、よく報道されているので、ご存知の方も多いのですが、ほとんど報道されていない重要な変更点があるので、以下に簡単にご説明いたします。

改正前の法律では、遺言執行者が指定されている公正証書遺言があれば、問題のある相続人がいても、遺言執行者の手続の邪魔をすることはできないので、そこまで急いで手続をしなくてもよかったのですが、改正後の法律では、遺言執行者よりも先に相続人が遺言書と異なる手続をしてしまい、「第三者」に遺産を売り飛ばしてしまうと、遺言書があっても取り消すことができないというルールになりました(※第三者が登場する場合のみ取り消せません。相続人名義の段階であれば取り消せます)。

例えば、遺言書で自宅の土地建物を長男に相続させ、遺言執行者にも長男が指定されていたのに、二男が先に法務局で法定相続分どおりの登記名義変更を勝手に行い、自分の相続分を第三者に売り飛ばしてしまうと、遺言書があっても、二男の行った手続を取り消すことが出来ません。

そのほか、借金のある相続人の債権者が、遺言執行者が相続手続を行う前に、遺産を差し押さえてしまうと、これも取り消すことができず、強制執行されてしまいます。

わかりやすくいうと「遺産の名義変更は、早いもの勝ちのルールが徹底された」と言えます。

対策としては、「相続が発生したら、誰よりも早く遺言執行者が遺言書を使って手続を行う」「手続を早く行うために今のうちから相続手続に必要となる戸籍を前もって取寄せておく」ということぐらいしかありません(その他にも生前贈与や死因贈与契約、民事信託の活用などの方法も考えられますが、これらは落とし穴もあるので、じっくりと計画を立てて行う必要があります)。

「手続の邪魔をするかもしれない相続人」や「借金のある相続人」等がいないのでしたら、そこまで心配することはないのですが、上記の注意点は是非知っておいて頂きたいと思います。

(2020年6月2日)

相手が先に死亡したら

【相続ミニクイズ】

[問題]法律上の相続人は子どもだけだが、世話になった兄弟にも遺産の一部を遺贈するという内容の遺言書を作った。しかし、その兄弟のほうが先に亡くなってしまった場合、遺産の行方はどうなるでしょうか?

(答え)兄弟に遺贈する予定だった財産は、兄弟の子(甥姪)には渡りません。法律上の相続人が相続することになります。

もし上記のケースで、兄弟が先に亡くなった場合、代わりにその兄弟の子(甥姪)にゆずりたいのであれば、そのように遺言書に書いておかなければなりません。

(2020年5月30日)

揉める家族・揉めない家族

遺産総額が大きいから揉める、小さいから揉めないとは、一概にはいえません。

それよりも、「弟よりも取り分が○○万円少ない」「兄が相続する不動産のほうが評価額が高い」というように、遺産総額に関係なく、ほかの相続人との取り分の差が許せないから揉めるというケースが多いです。

ですので、遺産一億円の配分でもめているご家庭は、遺産が一千万円でも揉めたであろうと思いますし、遺産額一千万円の配分で全く揉めなかったご家庭は、遺産が一億円であっても揉めなかったと感じます(あくまで経験上の勘ですが)。

「うちは資産家じゃないから」といって安心されている方が多くいらっしゃいますが、相続トラブルになる可能性と資産総額はそこまで関係ないという事実はひとつの参考になるのではないでしょうか。

(2020年5月27日)

清算型遺贈と譲渡所得税

遺産である不動産や有価証券をすべて売却換金したうえで、その換価金を相続人や受遺者にわけあたえる遺贈のことを「清算型遺贈」といいます。

清算型遺贈の方法を採ると、遺産がわけやすくなる(1円単位で配分できる)というメリットがありますが、注意点もあります。

適正な価格で不動産が売れるかという点ももちろん注意点ですが、見落としがちな注意点は譲渡所得税です。

不動産を売却した時は売却利益に対し、譲渡所得税が課税されます。

清算型遺贈では不動産の名義を法定相続人に一度うつすことになるので、法定相続人が譲渡所得税を納めることなります(遺産をもらえない法定相続人にも課税されてしまう事になりますし、遺産をもらった受遺者には課税されない事にもなります)。

譲渡所得税を誰が負担するかという点でトラブルにならないよう、事前に税理士に相談し、譲渡所得税の額とその負担を誰がどのように負うか、きちんと把握し、考えておくことが大切です。

(2020年5月22日)

甥姪の子に相続権は発生しません

被相続人(故人のことです)が死亡した時点で既に亡くなっている子がいる場合は、子の子(被相続人からみたら孫)が代わりに相続します。これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。

子も孫もいたけれど、先に亡くなっている場合は、曾孫がさらに代襲相続します(これを再代襲といいます)。

被相続人に直系卑属(子や孫のこと)がいない場合は、被相続人の直系尊属(両親や祖父母のこと)に相続権が発生します。直系尊属もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹に相続権が発生します。そして、兄弟姉妹に相続権が発生するケースで、被相続人よりも先に死亡している兄弟姉妹がいる場合はその子(被相続人からみれば甥・姪)が代襲相続することになります。

ただし、甥・姪の子がさらに再代襲することはありません。

直系卑属や直系尊属がおらず、兄弟姉妹と甥姪が先に死亡している場合、甥姪の子が相続することにはなりません。なので、甥姪の子に遺産を残したい場合は、遺言書を作成しておく必要があります。

遺言書を作成する際は、自分の相続関係をしっかりと把握することが大事ですが、自分の相続関係を誤解されている方は意外と多いです。

また遺言書は、作成することよりも、将来実際に遺言書どおりに手続が実行されるかどうかの方が重要です。

遺言書を作成される際は、必ず一度は専門家にご相談下さい。

※被相続人の配偶者は常に相続人となります(内縁関係は除く)。

(2020年5月18日)

隠し子と遺産分割協議

故人に認知済みの隠し子がいるのに、その事実を知らずに行ってしまった遺産分割協議は無効です。

隠し子を協議に含め、改めて遺産分割協議をやり直す必要があります。

それに比べ、遺産分割協議が終わった後に、認知されていなかった隠し子から訴えられ、裁判によって認知がみとめられた場合は、先に行った遺産分割協議は有効のままとなります(隠し子に相続分相当の現金を渡せば済みます)。

認知、養子縁組などが絡む相続は争いがなくても、相続手続きが複雑になります。間違った処理をしてしまう前に一度ご相談下さい。

(2020年5月17日)

葬儀費用の負担者

葬儀費用は誰が支払うことになっているのでしょうか?

実は、法律上の決まりはありません。

一般的には喪主が負担することが多いですし、過去の裁判で「喪主が支払え」という判決が出たこともあります。

ただし、各相続人で負担し合っても問題はありませんので、やはり揉めないようにしておいてあげることが一番良いでしょう。

遺言書で、葬儀費用等の死後事務費用の負担をどうするかをきちんと決めておいてあげれば、揉めるような事態はふせげるのではないでしょうか。

(2020年5月3日)

親権を取られないための備え

「離婚した夫に親権が渡らないように遺言を残したい」というご相談を、シングルマザーの方から稀に頂戴します。

未成年後見人という制度をご存知でしょうか?

未成年後見人とは、簡単に言いますと、親権者がいなくなったときに、法的に親代わりとなれる人のことです。

この未成年後見人を遺言書で指定しておくことができます。

遺言書で未成年後見人になってほしい人物を指定しておけば、万が一、子どもより親のほうが先に死亡してしまっても、遺言の効力により、すぐに未成年後見人が親代わりになる事が可能性なります。

ただし、遺言書で未成年後見人を指定したからといって、元夫に親権を取られる可能性がゼロになるわけではありません。

裁判所はいろいろな要素(子どもの意見や発育、親族状況、経済状況など)を考慮し、何が子どもによって一番良いかを判断することになります。

しかし、未成年後見人を遺言書で指定しておけば、遺産が元夫側に渡ってしまう事態を防げたり、未成年後見人になる際の手続きの煩雑さを避けることができたりという効果が確実に見込めます。

もし、万が一に備えたいという方がいらっしゃいましたら、ご相談下さい。詳しくアドバイスさせて頂きます。

(2020年5月2日)

法律どおりに分ければ揉めない?

「法律通りに遺産を分けてくれればそれでいい」

「法律通りに分ければ揉めないでしょう?」

とおっしゃる方がいらっしゃいますが、もしそのとおりであれば、こんなに相続で揉める家族が多いはずありません。

【遺産分けについての注意例】

  • 財産が現預金だけであれば1円単位で分けられるので平等に分けられますが、不動産や有価証券などが含まれる場合、平等にわけることは不可能です。
  • 誰がみても平等だろうという分け方でも、不満を述べる相続人が発生することは珍しくありません。
  • 過去の出来事「兄さんは家を建てる時に親に援助してもらっていたのを知っている」「親と同居していた姉さんは家賃を支払っていなかったのでその分遺産の取り分は減らして」などを持ち出す相続人がいる場合は、必ず揉めます。
  • 不動産の評価方法は色々なものがあるので、評価方法で揉めることもあります。
  • 相続人全員が預貯金の相続を希望し、実家の押し付け合いになることもあります。
  • 同居していた子どもが、そのままその家を引き継げるかどうかわかりません。
  • ご家族にはそれぞれのご事情があるので、法律をあてはめようとすると、余計に揉めるようなケースもあります。
  • 相続人以外の親族(長男の嫁、二女の夫、孫など)が口出しをしてきて揉めるケースもあります。
  • 「とりあえず共有にしておこうか」は後で、争族や税金の問題を招きます。
  • 介護や両親の世話など、どのように財産を分けても、気持ちの折り合いがつかない問題が生じたら揉めてしまいます。
  • 相続人やその関係人の中に一人でも自己中心的な人物がいると、必ず揉めます。
  • おとなしい相続人、主張できない相続人がいると、不当な分け方を強いられることも考えられます。
  • 年代によって相続というものへの考え方が大きく異なります。・・・・など

遺言書があれば、上記の問題の多くを予防することができます。まずはご相談頂ければと存じます。

(2020年4月10日)

少額の遺産でもトラブルに

「うちにはたいした財産がないから」とおっしゃっていた方の相続でも、トラブルになることがあります。

実は結構な財産をお持ちだったというケースもありますが、それよりも、親はたいした財産ではないと思っていたのに、子どもにとってはどうでもいいような額ではなかった、いう親子での認識の差が原因でトラブルになるケースが多いです。

不動産は売却すれば、数百万円~数千万円になる財産ですので、これから子供の教育費などがかさむ子ども世代(相続する側)にとっては、どうでもいいような額の財産ではありません。

また、数十万円の遺産で揉めることすらあります。

「なぜそんな少額でもめるのか」と不思議に思われる方もいらっしゃると思いますが、相続する側の人間の気持ちは「他の相続人の取り分と比べて多いか、少ないか」が一番気になる点ですので、1億円もらえる場合でも他の相続人が2億円もらっていれば不満ですし、50万円しかもらえなくても他の相続人が10万円しかもらっていないと満足します。

遺産額の大きさと、相続トラブルになる可能性はあまり関係がないと実務を通じて感じております。

「うちにはたいした財産がないから」と油断していて相続で揉めてしまったご家庭はたくさんあります。この文章を読んで頂いたのをきっかけに、少しでも相続や遺言についてご検討頂ければ幸いです。まずはご家族で将来の話をしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

(2020年4月6日)

相続人全員の署名・実印が必要

相続が発生すると、故人名義の財産(預貯金、不動産、有価証券など)は動かせなくなります。

動かすには「相続手続き」を行う必要があるのですが、これが大変です。

一生分の戸籍を集めたり、銀行備え付けの書類に記載したりすることも大変ですが、精神的な負担が大きい作業として「相続人全員から署名・実印・印鑑証明をもらう」ことがあります。

例えば、相続人同士の話合いで、自宅は母親が相続することに決まったとしても、母親の署名・実印だけでは名義変更ができません。

自宅を引き継がない他の相続人全員の署名・実印も必ず必要になります。

そこで大活躍するのが「公正証書遺言」です。

公正証書遺言があれば、他の相続人全員から署名・実印・印鑑証明をもらう必要はなくなります。

自分のためではなく、残される家族のために、公正証書遺言の作成をおすすめいたします。

(2020年4月4日)

賃貸借の連帯保証人と相続

改正される前の民法では、賃貸借契約における連帯保証人の地位がそのまま相続人に引き継がれていたのですが、今年4月1日の改正後は、連帯保証人に「極度額」の設定が義務付けられたことで、ルールが大きく変わっています。

新しいルールでは、保証の極度額を定めなければならず、その範囲内で家賃などの債務を連帯保証人が保証することになります(これを「根保証」といいます)。

そして、連帯保証人が死亡した時点で保証する債務の内容が確定することになります。

具体的にいいますと、連帯保証人が死亡する前に既に家賃の滞納が発生していた場合は、その滞納分に関しては連帯保証人の相続人が滞納分を支払わないといけませんが、連帯保証人の地位自体は相続されません(家賃滞納がなければ何も支払う必要はありません)。

ですので、相続発生後は「賃借人に連帯保証人がいない」という状態になります。家主はそれ以降、家賃滞納が発生しても、賃借人本人だけにしか家賃を請求できないということになります。

以前よりも保証人の保護がより厚くなるのですが、どうなるにせよ、問題が発生する前に、賃貸借契約や保証契約、財産内容など、相続のことを家族で話し合っておくことの重要性はかわりません。何かお困り事などがあれば、気軽にご相談下さい。

(2020年4月3日)

法務局による遺言書の保管手数料

法務局における遺言書の保管等に関する法律関係手数料令の概要が明らかになりました。

令和2年3月23日、法務局における遺言書の保管等に関する法律関係手数料令が公布されました。施行日は令和2年7月10日となります。

具体的な手数料額は以下のとおりです。

  • 遺言の保管の申請:一件につき3,900円(申請者は遺言者)
  • 遺言書の閲覧の請求(モニター):一回につき1,400円(請求者は遺言者及び関係相続人等)
  • 遺言書の閲覧の請求(原本):一回につき1,700円(請求者は遺言者及び関係相続人等)
  • 遺言書情報証明書の交付請求:一通につき1,400円(請求者は関係相続人等)
  • 遺言書保管事実証明書の交付請求:一通につき800円(請求者は関係相続人等)
  • 申請書等・撤回書等の閲覧の請求:一の申請に関する申請書等又は一の撤回に関する撤回書等につき1,700円(請求者は遺言者及び関係相続人等)

※遺言書の撤回及び変更の届出については手数料はかかりません。

※法務局では、遺言書の添削やアドバイスを行ってもらえるわけではありません(日付や押印の有無など、法律の要件の則っているかどうかはみてもらえるようです)。

※必ず遺言書を書いた本人が出頭しなければなりません(代理人での手続きは不可)。

※法務局にて遺言書の内容を確認するので、法務局の担当者等には遺言内容を秘密にすることはできません。

※遺言者の死亡後、相続人が遺言書の閲覧等を請求すると、閲覧等がなされた事が、法務局から全ての相続人等(相続人、受遺者、遺言執行者など)に通知されます(遺産をもらえる・もらえないに関係なく全員に通知されます)。

(2020年3月29日)

遺言書と相続登記

「実家の土地建物は長女に譲りたい」「不動産は妻に残したい」という場合、遺言書でその旨を記載しておけば、希望通りに相続させることが可能です。

しかし、遺言書を作成しただけで安心しきってしまうと危険です。大切なのは、遺言書を作成した本人が亡くなった後の手続きがうまくいくかどうかだからです。

遺言書を書いた本人が亡くなったら、出来る限り迅速に、遺言書を使って相続登記を行う必要があります。

相続登記をせずに放っておいた間に、別の相続人が法務局で相続登記を先に行ってしまった場合、遺言書どおりの相続を実現する事が大変難しくなります(法定相続分どおりの相続登記は相続人単独で行うことが出来てしまいます)。

遺言書を書いたご本人が亡くなった際は、迅速に行動し、遺言書どおりの名義変更を完了させるようにしてください。特に「相続で揉めるかもしれない」「何を仕出かすかわからない親族がいる」という場合は、必ず事前に専門家にご相談されることをおすすめいたします。

(2020年3月27日)

遺産の凍結と解約など

相続が発生すると故人名義の金融財産は凍結されます(預貯金だけでなく、不動産や有価証券なども相続手続が完了するまでは凍結状態となります[ただし、死亡保険金は遺産ではないので凍結されません])。

凍結を解除するためには、遺言書や遺産分割協議書を使って、金融機関の窓口で相続手続きを進める必要があります。

銀行の手続きは、残高証明書を合わせて取るかどうかによっても期間は変わりますが、約2週間~1か月以上かかります。

銀行よりも時間がかかるのは、証券会社です。

故人名義の株式を、相続人の口座に移管し(相続人が証券会社に口座を持っていない場合は口座開設をする必要があります)、移管完了後に売却するという流れになります。

また、配当金の手続きも発生します。

払戻証書が届いた場合は、配当金の金額にもよりますが、払戻証書を郵便局に持っていけば、比較的簡単に配当金の支払いを受けることができますが、送金依頼書が届いた場合は、株式名簿を管理している信託銀行にて相続手続きを別途行う必要があり、1か月以上は手続きにかかります(銘柄ごとに払戻証書か送金依頼書かが異なりますし、管理者も銘柄ごとに三井住友信託銀行か三菱UFJ信託銀行かが異なります)。

(2020年3月23日)

遺骨の移転

埋葬中の遺骨を別のお墓にうつす場合、改葬許可申請という手続きを行う必要があります。この申請をしないと新しいお墓に納骨することができません。

役所にて申請書をもらい、現在のお墓の管理者に承認をもらい、役所の担当部署に許可証を発行してもらわなければいけません。

遺骨は骨壺に入っているケース、晒しの布にくるまれているケース等あります。

お墓に入っている全ての遺骨をうつす場合は、どれが誰の遺骨であるかわからなくても問題はないのですが、複数ある遺骨のうちの1つを移転させる場合、どれが目当ての遺骨かわからない事があります。

骨壺や晒しの布に名前が記載されていればよいのですが、記載されていない場合がほとんどです。

記載がない場合は、骨壺や晒しの布の古び方やご遺族の記憶などを頼りに判断するしかありません(どうしてもわからない場合は、全ての遺骨の一部を少しずつ分けてもらう方法(分骨)もあります)。

昔はお骨をうつすことなどほとんど無かったので問題はなかったのですが、これからの時代、骨壺や遺骨をくるむ布には名前を刻印しておくほうが望ましいかと存じます。

(2020年3月10日)

エンディングノートと遺言書

エンディングノートは気軽にはじめられるので、“終活”の第一歩としてはお勧めできますが、遺言書とちがい、法的な効力はありません。

「自宅は長男に継がせたい」「相続手続きは長女が一人で出来るようにしておいてあげたい」「前妻の子に邪魔されないようにしておいてあげたい」「孫や甥にも遺産の一部をあげたい」「遺産の一部を寄付したい」などの希望は、公正証書の遺言書に記載しておくべきです。

また、エンディングノートを100%完成させてから遺言書作成に取りかかろうとされる方がいらっしゃいますが、これは間違いです。遺言書は元気なうちにしか作れません。ある程度考えがまとまった時点で、先にきちんとした遺言書を作成しておくべきです。

エンディングノートだけしか残されておらず(遺言書が無い)、相続手続きで困った事態になってしまったご家族を数多くみてきた者として申し上げます。

(2020年3月9日)

第192回終活セミナー

令和2年2月28日(金)地下鉄北大路駅おりてすぐの京都市北文化会館にて「第192回相続・遺言・お墓の終活セミナー」を開催いたしました。

コロナウィルスのことがありますので、マスクをしておられない方にはマスクを無料配布させて頂き、講師もマスク着用のまま講演させて頂きました。

遺言執行者の事、生命保険の契約者や受取人の決め方により税額や請求方法が変わる事、お墓の移転(改葬)の事などについて具体的なご質問を頂きました。

新型コロナウィルスが拡大しておりますので、次回3月14日に長岡京市にて開催を予定しておりました第193回のセミナーは中止させて頂くことに決定いたしました。

それ以降は未定とし、状況をみて開催するかどうか判断させて頂きます。何卒よろしくお願い申し上げます。

(2020年2月29日)

コロナウィルスのため中止

出張講演や無料相談会が続々と中止になっております。

3月1日に京都市役所前地下街ゼスト御池にて開催予定だった「シニアなんでも相談会」も中止となりましたし(ゼスト御池全体がイベント中止)、講師をつとめさせていただく予定だった山科区役所での終活セミナーも中止となりました。

3月中旬にも嵐山の地域包括支援センター様のご依頼で相続の講演をさせていただく予定なのですが、このままの状況では中止もしくは延期となる模様です。

毎月2回開催している弊所主催の終活セミナーについては、現在開催を取りやめるか検討中です。今週末2月28日のセミナーは開催させて頂きます。

(2020年2月27日)

大宅地域包括支援センター様からの講演依頼

令和2年2月22日(土)、京都市大宅地域包括支援センター様からのご依頼で、山科区大宅古海道町の大圓寺集会場にて「生前整理と終活について」お話をさせて頂きました。

あいにくの雨でしたが、20名以上の方がご参加されました。

生前整理(家の片付け)のポイントや注意点・業者の選び方、相続に関する誤解や遺言書について約1時間、ご説明いたしました。

弊所では、相続、遺言、生前整理、エンディングノートなど、終活に関する出張講義も承っております。まずは気軽にお問い合わせ頂ければと存じます。

(2020年2月22日)

下鳥羽地域包括支援センターにて講演

令和2年2月21日(金)、下鳥羽地域包括支援センター様からのご依頼で、相続・遺言について講演させて頂きました。

お一人暮らしの方のサポーターをされている方々が受講されていました。

普段、一人暮らしの方から色々なご相談を受けられていらっしゃる方に、少しでも有意義な情報をお伝えできればと、経験に基づき、実際に役立つポイントに絞ってお話しさせて頂きました。

相続は問題が起こる前から、家族で少しずつでも話し合っておくことが大切です。些細な事かもしれませんが、それが将来トラブルになるかどうかを左右するほどの意味を持ってくることが往々にしてあります。

弊所では、終活の出張講演を随時承っております。自治会様や女性会様、住民の会様など、気軽にお問い合わせ頂ければご対応いたします。

(2020年2月21日)

長岡京市シニア大学にて講演

令和2年2月18日、長岡京市役所および長岡京市シニア大学様より依頼を受け、相続や遺言について長岡京市中央公民館にてお話しさせて頂きました。

昔の相続と最近の相続は違う事、遺言書の必要性や相続トラブルは財産が少なくでも起こる事、公正証書で遺言しておくと家族が助かる事などについてご説明いたしました。

弊所では、終活に関する出張講演のご依頼も承っておりますので、気軽にお問い合わせください。講師料はご相談に応じます。

(2020年2月19日)

京都市南老人福祉センターにて講演

令和2年2月17日(月)、京都市南老人福祉センター様から講演のご依頼を頂き、「よくわかって役に立つ相続・遺言の話」というタイトルで1時間半ほどお話しさせて頂きました。

30名ほどの方が来て下さいました。約8割は女性の方でした。公正証書遺言の費用や遺言執行者、不動産の課題などについて、ご質問もいただきました。

弊所では、相続や終活の出張講演を承っております。気軽にお問合せ下さい。

(2020年2月17日)

改葬許可申請

墓石を移転するだけであれば、役所での手続きは不要ですが、お骨を別の場所に移すには「改葬許可申請」という手続きを行う必要があります。

弊所にも、京都のお墓から他府県のお墓へお骨を移される方から、改葬許可申請代行のご依頼があります。

現在お墓のある場所が京都や滋賀で、遺骨を新しいお墓に移される場合は、弊所にご相談下さい。

改葬許可申請書の作成、現在お墓のある墓地の管理者の記名押印、改葬許可証の受領など、弊所で代行させて頂きます。

※遺骨の引取りや墓石店の紹介など、上記以外のこともできる限り対応いたしますので、気軽にご相談下さい。

(2020年2月10日)

第190回相続・遺言・お墓のセミナー

2月8日(土)、京都市男女共同参画センターウィングス京都にて「第190回相続・遺言・お墓のセミナー」を開催いたしました。

弊所のセミナーは「わかりやすくて役に立つ」という点を大事にしています。

受講は無料です。

次回は2月28日(金)に地下鉄北大路駅近くの京都市北文化会館にて開催いたします。親子やご夫婦での参加も大歓迎ですので、気軽のご参加下さい。

(2020年2月9日)

第40回相続・終活相談会

毎週第1日曜日に京都市役所前地下街ゼスト御池御幸町広場にて開催している「シニアなんでも相談会」(相続、遺言、遺品整理、後見、介護、お墓、永代供養など終活の相談会)が2月2日で第40回を迎える事ができました。

今回は8組のご相談がありました。

刀剣座さんによるチャンバラショー、ボネリアさんによる演奏タイム、整膚すっきり堂さんによる講習会なども同時開催いたしました。

次回は3月1日に開催いたします。相談・観覧は無料ですので、気軽にお越し下さい。

(2020年2月3日)

第189回終活講座開催

令和2年1月24日、京都市右京ふれあい文化会館にて「第189回相続・遺言・お墓・エンディングノートセミナー」を開催いたしました。

普段から男性よりも女性の受講者様のほうが多いのですが、今回は見事に全員女性でした。

本日もいつもどおり、遺言書の重要性や、生命保険、税金、葬儀、永代供養などについて、できる限りわかりやすく、役に立つ情報にしぼってお伝えいたしました。

次回は、京都大丸の北側にあるウィングス京都にて開催予定です。セミナーは無料ですので、ご夫婦、親子、ご友人など、お誘い合わせの上、気軽にご参加下さい。

(2020年1月27日)

公証役場や病院・施設との調整

公正証書遺言は、耳の不自由な方、目の見えない方、口のきけない方なども問題なく作成することができます(手話通訳者の立会、筆談など)。

難聴の方や、車椅子の方、寝たきりの方でも判断能力さえあれば、公正証書で遺言を残すことができます(自宅や病室まで、公証人に出張してもらうことができます)。

弊所に公正証書の作成を依頼して頂ければ、障がいのある方の場合の公証役場への事前連絡、自宅や病院・施設での出張作成の手配、車椅子の手配(車椅子がない公証役場もあります)などにも対応いたします。

遺言書作成に関することでしたら、どのような事でも気軽にご相談下さい。

(2020年1月24日)

お墓の名義

お墓にも土地や家屋のように名義があることをご存知でしょうか?

「お墓の名義人=所有者」となりますので、名義人がお墓の処分方法(このまま維持するか、墓じまいするか、改葬・移転するか等)を単独で決定する権限を持ちます。

お墓の名義人が亡くなった場合、名義人を変更しなければ埋葬や納骨を行うことができませんので、忘れずにお墓の名義変更も行いましょう。

※お墓の名義人は長男でなくても構いません。詳しくは墓地の管理者に問合せましょう。

※祭祀財産の承継者の指定は、遺言で行うことも可能です。

※寺院の墓地の場合、宗派の問題、葬儀の形式(例:葬儀をお寺さん抜きで行った等)などでトラブルになる場合があります。必ず事前に住職と相談しましょう。

(2020年1月23日)

生命保険と相続

ほとんどの方がご存知ないのですが、生命保険金は相続財産ではありません。ですので、生命保険金をもらったからといって遺産の取り分は全く減りません。

生命保険には他にも次のような活用方法があります。

■相続放棄をしても生命保険金は問題なく受け取れる。

■遺産分割で揉めていても受取人が保険会社に請求すれば滞りなく支払われる。

■預金口座のように凍結されることがない。

■非課税枠があるので、定期預金で持っておくよりもお得。

上記のほかにも、「遺留分対策に使える」「有効な生前贈与の方法として使える」「納税資金対策として使える」などの活用方法があります。

ただし、ひとつ保険の入り方を間違えると下記のような問題が起こります。

■契約者をよく考えず夫にしたら、保険金にかかる税金が増えてしまった。

■受取人をよく考えず、長男50%、二男50%と割合で指定したら、相続で揉めてしまい保険金を受け取れなくなった。

■受取人をよく考えず「法定相続人」としたら、相続で揉めてしまい保険金を受け取れなくなった。

■遺産をあまりもらえない相続人に保険金をあげようとしたら、その相続人が遺産もきっちり請求してきて、結局ほかの相続人よりも多くの財産をもらってしまう結果となった。

相続で家族がもめないように、困らないようにしておきたいとお考えの方は、早めにご相談頂ければ幸いです。気軽にお問合せください。

(2020年1月22日)

共済金(解約手当金)の受け取り

共済金(解約手当金)の受取人は遺言で指定することができません。

共済契約者の死亡に伴う受給権者が誰であるかは、小規模共済企業法という法律に規定されており、民法の一般原則とは異なります。

【共済金受給権者の順位と範囲】

第1順位 配偶者(内縁関係含む)

第2順位 子(契約者の収入で生計を維持していた者)

第3順位 父母

第4順位 孫

第5順位 祖父母

第6順位 兄弟姉妹

第7順位 その他の親族

(第2順位~第7順位は、契約者死亡当時に契約者の収入で生計を維持していた者)

第8順位 子

第9順位 父母

第10順位 孫

第11順位 祖父母

第12順位 兄弟姉妹

第13順位 曾孫

第14順位 甥・姪

(第8順位~第14順位は、契約者死亡当時に契約者の収入で生計を維持していなかった者)

※受給権者が存在しない場合は、共済金は支給されません。

※生命保険金の受取人は遺言にて変更することができますが、出来れば契約自体を変更されることをおすすめいたします(受取人の変更はいつでもできます)。

(2020年1月20日)

相続ミニクイズ2

[問題1]子どもがいない夫婦の夫が死亡した場合、妻が全ての遺産を相続できるでしょうか?

(答え)夫の「親、祖父母、兄弟姉妹、甥姪」の誰かがいると、妻は遺産の全てを相続することができません。また、遺産の名義変更等も妻だけでは行えなくなります。必ず遺言書を作成しておきましょう。

[問題2]配偶者の連れ子にも相続する権利はあるでしょうか?

(答え)養子縁組届を出していなければ相続する権利はありません。

[問題3]遺留分をゼロにする方法はあるでしょうか?

(答え)権利者が遺留分を放棄してくれればゼロになりますが、現実問題として難しいです。遺留分を低く抑える方法はいくつかあります(専門家にご相談下さい)。

[問題4]介護をした長男の嫁も遺産を相続できるでしょうか?

(答え)条件を満たせば相続人に対して請求することは可能ですが、それよりも義父母に遺言書を残してもらう方が良いです。

(2020年1月14日)

相続ミニクイズ1

[問題1]母の面倒をみる約束で遺産を多めに相続した長男が約束を守らない場合、遺産分割協議を取消すことはできるでしょうか?

(答え)原則できません。遺産分割協議は余程慎重に行わないといけません。ちなみに遺言書がある場合は、約束が守られていないという理由で遺言を取り消すことが可能です。

[問題2]遺産を譲る相手が先に死亡した場合、作成済みの遺言書はどうなるでしょうか?

(答え)遺言を作り直す必要があります。最初の遺言書作成時に「相手が先に死亡した場合はどうするか」という所まで記載しておけば、作り直す必要はありません。

[問題3]婚姻歴が20年以上であれば自動的に配偶者の相続分が増える?

(答え)増えません。遺言書を作成しておく、又は、生前に自宅を配偶者に贈与しておく必要があります。

(2020年1月14日)

養子の子の代襲相続

親よりも子どもが先に亡くなってしまっている場合に、子どもの子(孫)が代わりに相続することができるのですが、これを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」といいます。

子どもが実子の場合は特に問題はないのですが、親よりも先に亡くなっている子が養子の場合は、少々話しが複雑になります。

親と子が養子縁組をした時に既に生まれていた養子の子は代襲相続することができません。これに対し、養子縁組した後に生まれた子は代襲相続できます。

養子の子の生まれた時期が養子縁組より先か後かで相続関係が変わりますので、注意が必要です。

養子縁組の絡む相続関係は間違いやトラブルが起こりやすいので、事前に専門家にご相談されることをおすすめいたします。

(2020年1月12日)

相続放棄の失敗例

相続放棄とは、プラスの財産よりもマイナスの財産(借金やローンなどの負債)のほうが多い場合に相続人が取ることができる方法です。プラスもマイナスも含め、全ての相続財産を放棄するというものです(プラスの財産だけを相続するという都合の良いことはできません)。

この相続放棄で大きなミスを犯される方がいらっしゃるので注意が必要です。

例えば、相続人が母と子の2人だけのケースで、全ての遺産を母に相続させるために、子が相続放棄をしてしまうというミスがあります。

子どもが相続放棄をすると、子の相続権は次順位の相続人にうつってしまいます。子が相続放棄をしてしまうと、故人の両親や兄弟姉妹に相続権が発生してしまうのです。

上記のような場合は、家庭裁判所に出向いて相続放棄をするのではなく、母が全財産を相続する(子が0円を相続する)という内容の遺産分割を母子だけで行えば良いのです。これは相続放棄ではなく「相続分の放棄」といいます。

相続手続きや相続対策でミスをしてしまうと取り返しがつきません。必ず事前に専門家までご相談下さい。

※相続放棄は家庭裁判所に申述する必要がありますが、相続分の放棄は相続人同士の協議だけで成立します。

(2020年1月12日)

第188回終活セミナーin文化パルク城陽

令和2年1月11日(土)の午後、文化パルク城陽にて「第188回相続・遺言・お墓・エンディングノートセミナー」を開催し、22名の方にご参加いただきました。

ご夫婦やご友人同士でのご参加者もおられました。

公正証書遺言のこと、生命保険と税金の問題、お墓の移転のこと等について、ご質問して頂きました。

弊所のセミナーは、法律のむずかしい理屈などの話は一切しておりません。実際の生活で役に立つ情報をわかりやすくお伝えすることをモットーに開催しております。

次回は1月24日(金)に京都市右京区太秦にて開催いたします。参加無料ですので、ご興味のある方はお誘い合わせの上、気軽にお越しください。

(2020年1月12日)

第39回シニアなんでも相談会

2020年1月5日(日)京都市役所前地下街ゼスト御池の御幸町広場にて「第39回シニアなんでも相談会」を開催いたしました。

相続、遺言、遺品整理、成年後見、介護、お墓など、終活に関する相談会として毎月1回開催しております(行政書士、遺品整理士、税理士、社労士、石材店など各分野の専門家が対応します)。

当日は、刀剣座さんによるチャンバラショー「初春狸御殿」や、京都太秦チンドン歌謡蛍座さんによるショーなども同時開催いたしました。

次回は2月2日に同所にて開催予定です。気軽にご利用下さい。

(2020年1月6日)

詐害行為取消権と相続

詐害行為とは、「債権者を困らせてやろう」という気持ちで行った財産減らし行為のことをいいます。

債権者には、詐害行為を取り消す権利(詐害行為取消権)がありますが、財産権を目的とする行為しか取り消すことはできないとされています(例:「浪費癖のある妻と別れろ」と債務者の婚姻を取り消すことはできません)。

この詐害行為取消権が相続で問題となることがあります。

例えば、遺産分割協議で、相続人である債務者が債権者を困らせる目的で遺産を他の相続人に相続させたような場合は、この行為を取り消すことができるのでしょうか?

裁判所は、この行為を取り消すことができると判断しました(遺産分割協議は財産権を目的とする行為だという判断)。

これに対して、相続放棄は財産権を目的とする行為ではないので、詐害行為取消権を行使することはできないと裁判所は判断しています。

ただし、裁判は個々の事情を勘案して個別に判断されるものですので、何か問題が起きた時、起きそうな時は、早めに専門家にご相談下さい。

(2020年1月3日)

改正民法施行の年

改正相続法の大部分は2019年の7月に施行済みですが、2020年も大きな改正が施行される年となります。

まず、4月1日に配偶者居住権および改正債権法が施行されます。そして7月10日には、法務局による自筆証書遺言の保管制度が始まります。

どの改正も相続対策に大きな影響を与えるものになります。

昨年7月の改正相続法に関しても、間違った理解をされている方を多くみかけます。

相続の間違った理解は、相続トラブルに直結しますので、まずは専門家に相談して頂きたいです。

本年も弊所は相続や遺言を専門に業務に励む所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。

(2020年1月2日)

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