生前贈与のポイント
贈与税はいつ調査されるか
生前に行っていた贈与を税務署が調査するのは、相続税の調査の時です。相続税の調査は、相続が発生したら必ず来るというものではなく、一部の方(おもに資産家など相続税がかかると思われる方)にしか行われません。
相続税の調査はどのような基準で来るか
どこの家に税務調査に入るかは、税務署の判断によりますので、はっきりしたことは分かりません。ただし一般的には下記の事項を考慮して決定していると言われています。
- 税金の申告額が予想よりも大幅に少ない
- 自宅など所有不動産の情報
- 故人の職業と過去の収入
- 所有していた株式の銘柄
- 申告書を作成している税理士名
- その他あらゆる情報
生前贈与のしかた
一概には言えませんが、生前贈与を行う際に以下のポイントを押さえればよいと言われています。基本的には、調査に来た税務署員にきちんと説明・証明できれば良いということです。
- 毎年、贈与契約書を作成する
- 110万円を超える場合、贈与税を納付し、申告書を保管しておく
- 生前贈与を受ける方の口座に振り込む
- 生前贈与を受けた方が口座の通帳や印鑑を管理し、自分の裁量でお金を使う など
生前贈与は税金が高くかかります
相続対策として「生前贈与」をお考えになる方が多くおられますが、安易に生前贈与を実行してしまうと、予想外の税金の高さに驚いてしまう可能性があります。
主に以下の税金を考慮する必要があります。
1.贈与税
(もらう額が年110万円[元日~大晦日]を超えると贈与税がかかります)
2.登録免許税
(贈与する不動産の固定資産税評価額の2%。※相続の場合は固定資産税評価額の0.4%)
3.不動産取得税
(贈与する不動産の固定資産税評価額の約3%。※相続の場合はかかりません)
生前贈与と遺言書
「生前贈与は遺産の前渡し」というのが法律上の建前ですが、相続争いに発展してしまうと、どのような決着になるかは予想できません(「遺産の前渡しではなく、生前贈与分を遺産の計算に含めなくてもよい」という結果になることもよくあります)。
誰に、いくら、いつ、どのような理由であげたのかを遺言書などにきちんと記載し、誤解をうまないようにしておくことが大切です。