遺言書の活用事例

予備的遺言

「予備的遺言」とは、もし将来〇〇になった場合はこうする、そうではなく将来△△になったらこうする、と将来おこるいくつかの可能性に備えておく遺言のことです。

【財産をあげたい相手が先に死亡するかもしれない不安を解消する】

配偶者や兄弟姉妹や恋人など、同世代の人に財産を譲りたい場合、相手が先に亡くなってしまう可能性まで考えて遺言書を作成しないと、将来遺言書が無効になってしまい、遺言を再度書き直さなければならなくなってしまいます。

そういった事態を回避するために、遺言書にて、相手が先に死亡した場合のことまで遺言書に記載しておく必要があります。

 

【遺言執行者が同年代の場合に】

財産を譲る相手と同様に、遺言執行者も同世代だと、相手が先に死亡する可能性があります。遺言執行者が先に亡くなってしまうと、せっかく作った遺言書も、遺言執行者の指定がない遺言(不十分な遺言)になってしまいます。

遺言執行者が先に死亡するかもしれないと不安を感じる方は、執行者が先に亡くなったときに、誰が代わりに遺言執行者になるのかを書いておく、又は遺言執行者に法人を指定しておく等の対策を講じる必要があります。

 

条件付き遺言

「条件付き遺言」とは、一定の義務を守ることを条件に財産をゆずることを認める遺言のことです。

【残される妻の面倒をみるならば財産をあげたい】

長男に多めに財産を相続させる条件として、残される妻(長男からみれば母)の世話をするという義務を課す、という遺言を作成することもできます。条件を守らない場合はどうするかということまで記載しておくことが可能です。

 

【ペットの面倒をみてくれるならば遺産の一部をあげてもよい】

自分が死んだ後に残されるペットのために遺言を残す方もおられます。ペットの世話をみてくれる代わりに財産の一部を譲るという内容の遺言を残せます。自分の死後、本当にきちんと世話をしてくれているのかをチェックする仕組みまで考えて遺言内容を検討しますが、一番大切なのは本当にペットのことを愛してくれる人を探すことだということもお忘れなきよう。

 

【相続した財産で一戸建てを買うのなら、長男に多めに相続させたい】

賃貸アパートに住んでいる長男一家に、将来〇〇家(お墓や仏壇など)を継いでもらう予定なので、多めに相続させてその財産で一戸建てを購入してもらうという条件をつけることもできます。長男が条件を守らない場合は遺言を無効とする、というような記載をしておいても良いでしょう。条件を守っているかどうかは、他の相続人や遺言執行者がチェックするという形が考えられます。

 

 

遺言執行者の指定を工夫する

「遺言執行者」とは、遺言書に書いてある内容を実際に実現する権限を持つ者のことです。実現するとは、例えば、銀行預金の解約手続きや遺産の名義書換手続き等を行うことです。

【遺言執行者に専門家を指定する】

遺言執行者には、身内を指定することもできますが、第三者である法律専門家を指定しておくことが望ましいです。遺言執行者には、戸籍取寄せや財産目録作成、遺産の名義書換などの複雑で面倒な作業のほか、周囲からの精神的プレッシャーがかかる場合もあります。身内を遺言執行者に指定すると、「なぜあいつが指定されているんだ」「いつになったら遺産がもらえるんだ」「ほかにも財産があるんじゃないか」などと周囲から責められる可能性があります。残されるご家族のためにも、遺言執行者には専門家をご指定下さい。

 

【遺言執行者に不動産売却できる権限を与える】

遺言執行者に、自宅の売却まで任せてしまい、全ての財産を換金してから相続人に財産を相続させるということもできます。ただし、本当に自宅を残さなくてもいいのか、相続人はどのように考えているのか等、慎重に検討する必要があります。

 

【遺言執行者を複数人指定する】

場合によっては、遺言執行者を2人以上指定したほうが良いというケースもあります。よく考えずに長男を遺言執行者に指定したら、長男が自分のもらえる財産だけ名義書換をさっさと済ませて、あとの遺産は放っておかれてしまい、他の相続人が困るという事態も考えられます。

 

遺留分減殺請求に備える

「遺留分」とは、一定の相続人が取得することを保障されている相続財産の割合のことです。「遺留分減殺請求」とは、遺留分を侵害されてしまった相続人が、侵害している者に対してその侵害額を請求することです。

【減殺請求された場合に備える】

遺留分を侵害している遺言書も有効です。ただし、遺留分を侵害しているので、減殺請求される可能性があるということです。遺留分を侵害する遺贈が複数ある場合に、減殺の順序や割合などを遺言で指定しておくことができます。

 

【遺留分だけは与えるような記載にしておく】

遺留分は一定の相続人に保障されている権利なので、原則ゼロにすることはできません(相続人の廃除や相続欠格の場合を除く)。なので、遺留分減殺請求などの問題が発生すると相続人の間で争いになるので、本意ではないが、遺留分だけは与えるような遺言を残すのも一つの方法です。

 

【生命保険契約や養子縁組など遺言以外の方法】

生命保険契約や養子縁組など、遺言以外の方法を活用することにより、遺留分の対策を講じることもできます。※遺留分の対策だけが目的で行った養子縁組は無効になる可能性があります。詳しくはご相談下さい。

 

生前贈与が原因で揉めないようにしておく

生前に行った贈与が原因で、相続のときに揉めてしまうことがあります。「長男に開業資金を援助した」「二女だけにマイホーム購入資金を渡した」などは“相続財産の前渡し”となります。

【生前に行った贈与は相続財産に含めたくない場合】

遺言書を残さないと、生前贈与は「相続財産の前渡し」とみなされてしまいます。「生前に行った贈与分については、相続時には計算に入れないでほしい」とお考えであれば、遺言書にその意思を記載しておく必要があります。これを専門用語で「特別受益の持ち戻しの免除」といいます。ただし、この記載を遺言書に入れ込んだとしても、遺留分を侵害してしまうと減殺請求される可能性があります。

 

残される子のために未成年後見人を指定する

「未成年後見人」とは、未成年者に親権者がいなくなった場合に、未成年者を保護・支援する法定代理人のことです。

【シングルマザーやシングルファザーの方が亡くなった場合に備える】

シングルマザーやシングルファザーの方に万が一のことがあると、残される子どもに親権者がいない(未成年者の監護養育、財産管理、契約等の法律行為を行う大人がいない)という事態におちいってしまいます。こういった事態を防ぐために、未成年後見人を指定してある遺言書を残すという方法があります。

未成年後見人を指定してある遺言書があれば、万が一の時に、未成年後見人に指定された方が役所に届出るだけで、未成年者に対する継ぎ目のない保護を行うことが可能になります(遺言がないと、家庭裁判所において未成年後見人選任の手続きを行う必要があります)。

離婚した元配偶者へ親権が移ってしまうことのみを目的にした遺言作成はあまり意味がありませんので、ご注意下さい。

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