死因贈与について

死因贈与とは、贈与者(あげた人)の死亡によって効力が発生する贈与のことです。遺言に基づく贈与である「遺贈(いぞう)」と似ている制度です(民法554条「その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する」)。では、遺贈と死因贈与はどのように異なるのでしょうか。

<遺贈との共通点>

  • 贈与者の死亡によって効力が生じる点
  • 財産を無償であげる点
  • (贈与税ではなく)相続税の課税対象になる点
  • 撤回できる(ただし死因贈与の場合、相手方がいるのでトラブルになる可能性が高いです。負担付き死因贈与、契約締結の経緯、負担や義務の内容、その他の事情によっては自由な撤回が認められないケースもあります)
  • 執行者を指定できる(死因贈与でも執行者を指定しておけば、受贈者は執行者と共同で不動産の名義変更ができます。執行者の指定がない場合、相続人全員の署名押印が必要になります。受贈者が執行者を兼ねることも可能なので、その場合は受贈者兼執行者として単独で所有権移転登記手続きを行えます。※私署証書で執行者が指定されている場合は、贈与者の印鑑証明書[3か月の期限なし]が必要になります)
  • 贈与者・遺言者が死亡する前に、受贈者・受遺者が死亡した場合は原則無効となる点(遺言書や死因贈与契約書で別段の意思が表示されていた場合は、その意思が優先されます)

 

<遺贈との相違点>

  • 遺贈は遺言書を作成する必要がありますが、死因贈与では書面作成は絶対条件ではありません(実務上は書面作成することをおすすめします)。
  • 公正証書遺言を作成する場合には立会証人が2名以上必要ですが、死因贈与では必要ありません。
  • 遺贈は贈与者が一人で勝手に行うことができるので(遺言書の作成)、受遺者(遺贈を受ける人)に内緒にすることもできますが、死因贈与は双方の合意が必要になる契約なので、相手に内容を知らせることになります。
  • 遺贈するには「遺言能力」を備えていることが必要となりますが、死因贈与は契約であるため通常の行為能力が必要とされます。
  • 死因贈与では、全文・日付・氏名の自書、押印など、遺言の方式に関する規定は準用されません(パソコンで入力した文書でもよいということです)。方式を欠くため無効とされた自筆証書遺言が、死因贈与として有効と認められる可能性もあります(無効行為の転換)※ただし、自分で死因贈与契約書を作成する場合は、将来の紛争を予防するためにも、自筆での署名、実印の押印、印鑑証明書の添付などの配慮をしておくことをおすすめします。
  • 死因贈与の場合、自筆証書遺言のように家庭裁判所で「検認(けんにん)」を受ける必要はありません。
  • 相続発生後、遺贈の場合は受ける側が受け取りを放棄することも可能ですが、死因贈与の場合は受ける側が一方的に放棄することはできません(遺贈の放棄をする場合は遺言執行者や相続人に書面等で伝える必要があります[包括遺贈の場合は家庭裁判所へ申述する]。又、借金の相続を放棄する場合は別途相続放棄の手続きを家庭裁判所で行う必要があります)。
  • 死因贈与の場合、不動産の名義変更時にかかる登録免許税が1000分の20(法定相続人への遺贈の場合1000分の4)となりますし、不動産取得税も課税されます(遺贈でも不動産取得税がかかるケースあり)。
  • 死因贈与の目的物が不動産の場合、仮登記(「始期付所有権移転仮登記(始期贈与者死亡)」)をすることができます(仮登記は贈与者と受贈者が共同で行う必要があります。死因贈与契約公正証書の中で「贈与者は、贈与物件について受贈者のために始期付所有権移転の仮登記をするものとし、贈与者は受贈者がこの仮登記手続きを申請することを承諾した。」という文言を記載しておけば、受贈者が単独で申請できます※この仮登記をしても万全とまでは言えません)。

 

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